「保育士は助成金＆補助金で給料が上がる」でももらえない可能性も…

※当ページには広告が含まれています。

保育士は助成金＆補助金で給料が上がる可能性あり

今は慢性的な保育士不足となっています。その理由としてはやはり給与面の低さが大きいようです。

子供が好きで保育に携わりたい、問題となっている待機児童の解消にも役立ちたいという気持ちがあっても、現実的に給与面で厳しくて諦める保育士もいるのです。

こういった深刻な保育士不足を解消するため、国や自治体ではさまざまな対策を行って保育士の確保を目指しています。

そのため、こういった助成金や補助金があるため、これからの保育士は給料が今よりも上がる可能性があります。ただしこれはすべての自治体で行われているものではありません。

実際に実施されている各自治体の補助金制度

実際に自治体ごとに保育士に対しての以下のような補助金制度があります。

世田谷区、江戸川区	保育士資格を持っている方の家賃を上限82,000円で補助
千代田区	保育士1人あたり月額2万円を上限に補助
大田区	私立保育所などで働く常勤保育士に月額1万円補助
杉並区	私立保育所に勤務が決まった保育士に5万円ぶんの商品券を贈呈
横浜市	保育士資格を持っている方の家賃を上限60,000円で補助
船橋市	私立保育所などで働く常勤保育士1人あたり32,110円の補助
松戸市	毎月32,000円、期末手当として71,000円補助

これ以外にも保育士への補助金制度を定めている自治体はたくさんあります。

保育士が助成金＆補助金をもらえない理由と実態

実際、上記のような高額な助成金や補助金がもらえるのなら、すぐにでも保育士不足は解消されるはず、と思うでしょう。

そしてこのような制度があるにもかかわらず、保育士がこの助成金や補助金をもらえない実態もあるようです。実はこの保育士に対しての助成金や補助金は、直接保育士に支払われるものではありません。

助成金・補助金は保育士が働く保育園に保育士1人に対していくら、という形で支払われているのです。そのため、保育園側が支給しなければ保育士はもらえないという状況になります。

助成金＆補助金を生かした保育士のための3つの支援制度

保育士になりたい、保育士として働きたいという方、キャリアアップしたいという方には3つの支援制度があります。これにより、保育士になりやすく、働きやすくなっています。

【支援制度1】保育士就職準備金貸付

保育士として働く場合には、さまざまな費用が必要となります。保育園までの通勤が困難な場合には引越ししなければいけませんし、通勤で自転車を使用するなら自転車も購入しないといけないでしょう。

そういった就職のための準備資金がなくて、保育士の資格を有するのに就職を躊躇しているという方も少なくありません。保育士就職準備金貸付とは、そういった潜在保育士に対して就職に必要な準備金を貸付してくれる制度です。

主な特徴は以下の通りです。

• 上限40万円、条件によっては20万円
• 無利息
• 1回限りの貸付
• 週20時間以上勤務を行う保育士
• 指定の施設を離職して1年以上、または勤務経験がない
• 保育士登録後もしくは保育士試験合格後1年以上経過した者
• 2年以上継続して保育事業に従事したら返還免除

【支援制度2】保育士等キャリアアップ補助

保育士確保のため、または保育の質を高めるための支援制度が保育士等キャリアアップ補助です。これから保育士を目指そうと思っても、資金がないために資格取得が困難という人は少なくありません。

保育士の給与は少ないのですが、研修等によりキャリアアップし、副主任やリーダーなどの役職になれば手当をもらえ給料アップにも繋がります。またキャリアアップするにも保育士を育成するにも研修等を行うのに費用がかかります。

そういった保育士のキャリアアップに対し費用の一部を補助し、保育サービスの質の向上するのがこの保育士等キャリアアップ補助です。

保育士自体には直接補助が受けられるものではないですが、キャリアアップすることで給与アップの可能性は出てきます。

【支援制度3】保育従事職員宿舎借り上げ支援事業(家賃補助)

保育士を確保・定着・離職防止のために行われている支援制度が保育従事職員宿舎借り上げ支援制度です。これは、保育園側が保育士を住まわせるために物件を借り上げた場合はその家賃の全額または一部を補助するという制度になります。

簡単に言えば家賃補助ですが、保育士が勝手にアパートを借りて住むという場合にはその家賃の補助はありません。あくまで保育園側が借り上げた物件に対しての家賃を補助するものです。

その額については自治体によって異なりますが、東京都では月額82,000円補助を受けられます。ただその全額が国や都道府県が補助するのではなく、内訳は以下の通りです。

国と都道府県	4分の3にあたる61,500円
区市町村	8分の1にあたる10,250円
保育園などの保育事業者	10,250円

主要都市で行われている保育士の補助金の支援制度

全国的に慢性的な保育士不足と言われますが、深刻度は自治体によって異なります。

ここでは主要都市で行われている補助金の支援制度について紹介します。

【東京都】保育士の補助金支援制度

ここでは東京都で実施されている保育士の補助金支援制度についてお伝えします。

保育士修学資金貸付事業…、就学資金等の貸してくれる制度で都内在住で指定保育士養成施設に通っている学生に都内の保育園等に5年間働ければ返還が免除。

未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付事業…上限月額27,000円に設定された中、お金を貸してくれる制度です。条件としては都内の保育施設で働いている未就学児が在籍する保育士です。

未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付事業…子ども預かり支援の事業利用に関する貸付制度。都内の保育園等に勤務する保育士に料金に対し年額12万3,000円まで。

これらの補助金以外にも東京都では保育士を支援する事業がいろいろあります。

【大阪府】保育士の補助金支援制度

ここでは大阪府で行われている保育士の補助金支援制度を紹介します。

保育士修学資金貸付…大阪府指定の保育士養成施設に通う学生に対して、修学資金等の貸し付けを行う制度。施設卒業後、府内の保育園等で5年間保育士事業に従事すれば返還義務が免除。

未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付…府内の保育園等に勤務が決まった未就学児をもつ保育士や産休・育休から復帰する保育士に対して、保育料の一部を月額27,000円を上限に無利子で貸し付けする制度。

未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付…府内の保育園等に勤務する保育士が勤務時間帯に子どもの預かり支援事業等を利用料金を年額12万3,000円まで無利子で貸し付けする制度。

大阪府ではこれ以外にも保育体験や保育士復職応援セミナーなどさまざまな支援事業があります。

【福岡県】保育士の補助金支援制度

ここでは福岡県で行われている保育士の補助金支援制度を紹介します。

保育士修学資金貸付…福岡県の指定されている保育士養成施設の学生に就学金を貸してくれる制度。卒業後、福岡県内の保育園等で5年間保育士事業に従事すれば返還義務が全額免除。

未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付…福岡県の保育園で勤務が決まった小さな子供（未就学児）がいる保育士の産休・育休復帰の方に保育料の一部を無利子で貸し付けする制度。

未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付…勤務時間帯に子ども預かり支援の関連サービスを利用した場合に、年額12万3,000円まで無利子で貸してくれる制度。

福岡県ではこれ以外にも保育士有資格者現場復帰促進研修会や保育士就職支援センターなどでさまざまな支援事業があります。

まとめ

このように国や各自治体では、保育士の確保のため、保育士のためにさまざまな補助金等の支援事業があります。ただこういった事業はすべての自治体で行っているものではありませんし、条件も異なります。

また、保育園によっては保育士に還元されていないケースもあります。ですので、いくら支援事業が行われている自治体だとしても、恩恵を受けられないこともあるのです。

ですので、就職・転職の際には保育園自体の状況を把握することも大切です。