保育士に多いうつ病の原因とは?今すぐ症状・サインをチェック!
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どのようなお仕事でも人間関係やハードな仕事などは精神的な負担になりやすいものです。保育士というお仕事も、うつ病にかかりやすい職業の一つと言われていることはご存知ですか?
うつ病というと中高年の人がかかる精神疾患というイメージがありますが、若い年代が多い保育士でも、うつ病を発症して離職する人はたくさんいます。
ここでは、保育士がどうしてうつ病を発症しやすいのか、その原因を探るとともに、どんな症状が出たらうつ病の可能性があるのかをチェックリスト方式でご紹介しましょう。
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そもそも保育士に多い『うつ病』とは?精神疾患の一つ
うつ病とは精神疾患の一つで、気分がなんとなくすぐれない「鬱」の状態となり、そこからなかなか抜け出すことができないという状態に陥ってしまう疾患のことを言います。
人間は誰でも、気分が高揚する時もあれば暗く落ち込んでしまうこともあり、それは喜怒哀楽という感情なのですが、うつ病になると、暗く落ち込んでしまう期間が長く続くという特徴があります。
うつ病は現代の日本では国民病とも呼ばれている精神疾患で、100人に3人~7人はうつ病を経験したことがあるか、もしくは現在進行形で患っていると言われています。
病院に足を運んで診断されなければうつ病というわけではなく、病院に行っていないけれど実際にはうつ病を患っている人もたくさんいるため、自分では全く鬱だと自覚していない人も多いのが、この病気の特徴なのです。
日本では、100人に3~7人という割合でこれまでにうつ病を経験した人がいるという調査結果があります。さらに、厚生労働省が3年ごとに行っている患者調査では、うつ病を含む気分障害の患者さんが近年急速に増えていることが指摘されています。
うつ病にはいくつかの種類があります。ずっと暗い気持ちが持続してしまうケースの他にも、短期間はハイな気分になることもある躁うつ病もあります。
ずっと暗い気分なら、自分でも鬱なのかなと自覚できるかもしれませんが、たまに気分が軽躁な状態になる躁うつ病の場合には、自覚しにくいため気づかないうちにどんどん病状が悪化してしまうケースが多く見られます。
もしもうつ病だったらどうしよう?と考えると不安になるかもしれません。しかし、うつ病は軽度の場合なら内服薬を飲むことによって治療を受ける事は可能です。
このような精神疾患は、ストレスの原因を取り除くことによって少しずつ自然治癒することはできますが、軽度の状態なら日常生活を少し工夫することによって対応することもできます。
保育士は『5つの理由』からうつになりやすい職業といわれている
ストレスが原因で発症することが多いうつ病ですが、保育士というお仕事はうつ病にかかりやすい職業の一つと言われています。その理由はいくつかあります。
【理由1】労働環境が苛酷
まず1つ目の理由は、労働環境が過酷という点が挙げられます。待機児童問題が深刻化する昨今では、一人の保育士が担当する児童の数はとても多く、精神的・体力的に保育士にのしかかる負担は相当なものです。
日常業務をこなすだけでも大変ですが、さらに保育園が開催する行事の準備などに追われたり、保護者とのコミュニケーションなどに追われると勤務時間内に仕事が終わらずに、自宅に仕事を持って帰らなければいけないという事も少なくありません。
保育士のお仕事は、勤務時間内だけで終わるわけではない過酷な労働環境が多いという点は、ストレスによるうつ病を発症しやすい原因と言えるでしょう。
【理由2】女性特有の働きづらさ
2つ目の理由は、保育士は圧倒的に女性が多く、職場は女性が大半を占める女の職場となります。女性ばかりの職場では、特有の人間関係があったり、小さな職場でも派閥などがあったりして、人によっては働きづらいと感じることがあるようです。
実際に転職する保育士の転職理由をみても、人間関係の良い職場で働きたいと希望する人がとても多く、そのあたりからも女性ばかりの職場は働きづらいことが分かります。
【理由3】お給料が安いのに仕事がきつい
3つ目の理由は、お給料が安いのに仕事がきついという点があります。
自治体が運営している保育園の多くは、保育士のお給料は低いですし、住宅手当などが支給されないところも多いため、一人暮らしをしている保育士にとっては副業をしなければ生活できないというケースは珍しくありません。
保育士のお仕事だけでも残業が多かったり、自宅に仕事を持ち帰らなければ業務が終わらないという状況の中で、生活のために副業をしなければいけないというライフスタイルを続けることは、精神的にも肉体的にも大きなストレスとなってしまうことは容易に想像できます。
【理由4】人間関係によるストレス
4つ目の理由は、多彩な人間関係によるストレスが挙げられます。保育士が働く職場は女ばかりの職場なので、そこで上下関係や同僚との関係など、職場での人間関係で神経をすり減らさなければいけません。
保育士の場合には対応しなければいけない人間関係は従業員間だけではなく、児童との人間関係や保護者との人間関係などもあります。
手がかかる児童がいると精神的なストレスになってしまったり、クレーマーの保護者に当たるとそれだけでストレスになってしまうという保育士は多いのです。
【理由5】仕事の難しさによるストレス
5つ目の理由は、仕事の難しさによるストレスがあります。保育士のお仕事は、一人の保育士がたくさんの園児の保育を行います。
自分の子供を一人育てるだけでも精神的なストレスは大きいものですが、性格や生活環境が異なる園児たちを複数一度に保育するということは、経験したことがない人にとっては想像を絶するタフさが要求されるお仕事なのです。
どうして保育士はうつ病になりやすいのか主な原因は3つ
どうして保育士はうつ病にかかりやすいのか、その原因はたくさんあります。一般企業に勤務する場合には、同僚や上司、後輩の数は比較的多いため、その中から気が合う人を見つけることができます。
しかし保育士が働く職場は最低人数のスタッフで切り盛りしている保育園が多いため、うつ病を引き起こしやすい様々な要因が存在しています。詳しくご紹介しましょう。
【原因1】プライベート時間が少ない
保育士のお仕事は、勤務時間内ですべての業務を終えることが難しい過酷な仕事です。残業をして残業代を支給してもらえる職場は少ないですし、勤務時間が終了すると園を出なければならず、終わらなかった仕事を自宅に持ち帰って作業をするという保育士はとてもたくさんいます。
一日の仕事でぐったり疲れているのに、自宅に仕事を持ち変えるのですから、精神的にのんびりできる時間は必然的に少なくなりますし、仕事が終わらないと自分自身が大変なので、どうしてもプライベートな時間を削って対応することになります。
自宅に仕事を持ち帰り、プライベートのはずがほとんどプライベートになっていない保育士のお仕事は、オフのはずなのに精神的にはずっとオンのままで、休んだ気がしないままになってしまいます。
そして、翌日再び出勤するというライフスタイルを続けることによって、ストレスがどんどん溜まってしまいやすいのかもしれません。実際に転職を希望する保育士の多くは、仕事が忙しすぎない職場を希望しています。
保育士の資格を生かして働ける職場の中には、忙しすぎない職場もたくさんあるため、もしも過酷な労働環境でストレスが溜まっているなという人は、転職することによって生活環境を変えるという対策方法もおすすめです。
【原因2】子供を預かる責任
保育士は、毎日たくさんの子供達を預かって保育を行います。一人の保育士が担当する子供の数はとても多く、怪我をさせないように細心の注意を払うなど、日常業務の中では気を抜くことができません。
保育園にやってくる児童は就学前の小さな子供なので、大人の常識では考えられないような行動をとることはありますし、お互いにケンカをする事もあります。
また、外遊びをしている時にジャングルジムなどから落ちてしまうリスクもあります。子供を預かる責任は、保育士にとっては大きな精神的な負担となることが多く、保育士ではない別の仕事へ転職したいと離職希望の人が多い理由の一つにもなっています。
【原因3】人間関係
保育士の人間関係はとても複雑です。これは学校の教師が抱えるストレスと共通するところがありますが、保育士は職場で働く上司や同僚など他のスタッフとの人間関係に加えて、園児たちとの人間関係、そして保護者との人間関係でも頭を抱えなければいけません。
特に最近ではクレーマーと呼ばれる保護者が増えていたり、なかなか言うことを聞いてくれない園児が増えていたりするため、人間関係によるストレスによってうつ病を発症してしまう保育士はとても多いです。
また、こうしたストレスが原因で保育士をやめてしまう離職者も増えています。
保育士がなりやすいうつ病の症状・サインをチェック
うつ病は精神疾患なので、目ではっきりと症状を確認できるわけではありませんし、他人からも気づきにくいという特徴があります。怪我をした場合なら、誰の目にもその症状は明らかですし、病気をしてもはっきりと異常だと分かる症状が出れば病院に行くきっかけにもなります。
しかしうつ病はそうした症状が出ることは少なく、なんとなく体調がすぐれないとか、なんとなく気分が暗くなりやすいなど、「気分の持ちようで乗り切ってください」と一蹴されそうな症状しか起こりません。そのため、早期発見がとても難しい疾患なのです。
うつ病のサインは、自分ではなかなか気づきにくいものです。気づいても、なかなか言い出しづらい、周囲に迷惑をかけられないという理由で抱え込んでいる人も中にはいます。身近にいる上司・同僚である方がたには、うつ病のサインに気づいたら、声をかけ、話を聴いてあげてください。
人間関係によるストレスを抱え込んでしまう人が多い日本社会においては、近年ではうつ病の存在が広く知られるようになっていますが、少し前まではうつ病であることは他人に知られると恥ずかしいことだと考える人が圧倒的に多かったものです。
なんとなく気分がすぐれないなと思っても、その程度で仕事を休むことには抵抗があったり、「元気出しなさい」という言葉で片づけられてしまうことも多いかもしれません。
しかし、うつ病は原因を取り除かずに放置すると、症状はどんどん悪化してしまいます。できるだけ早期発見と早期治療が必要な精神疾患なのですが、具体的にどんな症状が出たらうつ病のサインなのかをご紹介しましょう。
- ①2週間以上気分が落ち込んだ状態が続いてしまう
- ②はっきりした理由があるわけではないのにイライラして仕方ない
- ③集中力とやる気がなくなって、仕事が非効率になってしまう
- ④楽しいはずのものが、まったく面白いとか楽しいと思えない
- ⑤不眠になって夜眠れなくなってしまう。そのため、昼はいつも眠い
- ⑥食欲がなくなったり、お腹が空いていないのに物を食べてしまったり異常が起こる
- ⑦下痢や便秘などの異常が起こりやすくなる
- ⑧朝起きるのがつらくて仕方ない
- ⑨胃がキリキリ痛くなったり、頭痛がひどくて薬を飲まずにいられない
などがあります。もしもこれらのチェックポイントの中で当てはまる項目がたくさんある人は、もしかしたらうつ病を患っている可能性があるので、まずは精神科を受診して専門家に診察を受けてみることをおすすめします。
保育士の仕事をしながらうつ病を予防するためには
うつ病は、考え方や気持ちの持ちようである程度予防することは可能です。しかし、ライフスタイルやその人が置かれている状況によっては、予防出来ないケースもあります。うつ病を発症したらその人の精神が弱いということではないので、その点はきちんと理解しておきましょう。
まずうつ病を予防するためには、ストレスをため込まないような工夫と努力をする事をおすすめします。ストレスは目に見えるものではないため、自分ではストレスは溜まっていないと思っていても、実際にはかなり溜まっているということは少なくありません。
そのため、保育士として働いている人は、できるだけ日常的にストレス解消法を実践すると良いでしょう。具体的に何をするかというと、趣味を持っている人なら1日10分でも良いので趣味に没頭する時間を作ってみましょう。
何も考えずに作業が出来て、嫌なことも忘れられる時間を作ることは、ストレス解消では大きな効果が期待できます。
夜グッスリ眠ることも大きなストレス解消効果があるので、仕事を持って帰っても夜遅くまで作業するのではなく、夜はできるだけ早めに就寝して、その代わり朝早起きして作業をするなど、時間的なスケジュールを調整するのも効果的です。
また、自分自身で努力したり工夫してもどうにもできないことは世の中にはたくさんあるということを知ることもまた、ストレス予防の方法です。
人間関係によるストレスは多くの保育士が抱えている悩みでもありますが、自分でどうすることもできないことに対しては、あまりクヨクヨ悩まないように気持ちの持ちようを工夫してみると良いでしょう。
うつ病の治療方法でおすすめは退職して保育士の転職
慢性的なストレスがどんどん蓄積されると、人は誰でもうつ病を発症してしまいます。うつ病を発症したら、ストレスの原因を取り除くことが根本的な解決となるため、まずはカウンセリングを受けながらストレスの原因がどこにあるのかを探すことから始めましょう。
場合によっては、同じ職場環境で働き続けることはうつ病治療にとってマイナスになってしまうことがあるため、転職も検討することが必要かもしれません。
うつ病は、薬を飲めば一朝一夕に回復できるというものではなく、治療には長い期間がかかるものです。症状がひどくなければ通院治療ができますし、手術などは一切必要ない病気です。
焦らず気長に根気よく治療を続けることで、克服することはできます。家族や周囲の人の理解もあるとなお良いでしょう。
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まとめ
早期発見することが難しいうつ病は、保育士の多くが発症しやすい精神疾患の一つです。
保育士というお仕事は、精神的にも肉体的にもタフであることが求められるお仕事ですが、それ以外に女ばかりの職場特有の人間関係がストレスの原因になったり、児童や保護者との人間関係によるストレスも重くのしかかりやすいものです。
そのため、保育士として働く人は、ストレスが溜まっているという自覚がなくても日常的にストレスを解消する方法や工夫を実践することをおすすめします。
ストレスは病気やケガのように目ではっきり異常を確認できるわけではないので、ついつい「気の持ちようで乗り切ろう」と考えがちです。
しかし、根本的な原因を取り除かない限りはどんどん症状が悪化してしまうことが多いため、自分で思い当たる自覚症状がある場合には、まずは専門家を受診してうつ病かどうかを診断してもらうことをおすすめします。