【60代】保育士の平均給料は?年齢・性別・公立私立・地域で徹底比較
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近年、60代の保育士さんが増えてきています。求人を見ても、60代(シニア)歓迎という募集が数多くあります。
年金受給年齢の引き上げによって再雇用などで働くことが今では一般的になりましたが、保育士資格の有無にかかわらず、保育園で働きたいという60代以上の人が増加傾向にあります。
保育士不足が社会問題とされるなか、経験豊富で、時間的にも融通がききやすい60代保育士を求める園がたくさんありますので、転職や復帰、未経験のチャレンジがしやすい現状と言えるでしょう。
60代以上の保育士さんの場合、経済的な理由よりも生活の充実を求めて働く人も多いですが、保育園の求人を探す際、給与をいっさい気にしない人は珍しいでしょう。
この記事では60代の平均給料にスポットをあてて見ていきます。詳細を把握できるように性別、年齢別、公立私立、施設形態、都道府県ごとの給料などについても挙げていきます。ぜひ参考にしてください。
【年齢別・性別】による平均給料とボーナス(賞与)
まずは年齢別、性別による平均給料とボーナスを見てみましょう。男性と女性を別にまとめておきます。
ここに挙げる月給とは手取りではなく税込みであり、基本給のほかに職務手当や家族手当、時間外勤務や休日出勤などの超過労働給与も含まれています。
60代の女性保育士の平均賃金
女性保育士の平均賃金 | |||
---|---|---|---|
年齢 | 月給 | ボーナス | 年収 |
20~24歳 | 18万5000円 | 35万2000円 | 257万3000円 |
25~29歳 | 19万8000円 | 55万5000円 | 293万9000円 |
30~34歳 | 20万9000円 | 54万8000円 | 306万2000円 |
35~39歳 | 21万9000円 | 63万円 | 326万9000円 |
40~44歳 | 23万4000円 | 71万2000円 | 351万8000円 |
45~49歳 | 23万3000円 | 67万円 | 347万5000円 |
50~54歳 | 24万7000円 | 68万8000円 | 365万3000円 |
55~59歳 | 27万円 | 84万8000円 | 409万8000円 |
60~64歳 | 28万5000円 | 78万8000円 | 420万5000円 |
65~69歳 | 29万9000円 | 74万6000円 | 434万2000円 |
70歳~ | 39万2000円 | 164万4000円 | 635万1000円 |
厚生労働省の統計調査によると、60代前半の平均月給は約28万円、60代後半は29万円という結果になっていました。
60代が他の年代よりも年収が高いんだ!どうして高くなっているの?
他の年代よりも年収が高いのは意外な感じもありますが、これは60歳を過ぎても継続して園長や主任保育士として働いているからかもしれません。
公立では60歳を定年とし、65歳までの再雇用制度があります。仮に園長をしていた保育士が65歳まで働くとしても、定年になるとその職を退き、別のポジションで働くことになります。
一方、私立はその園によって規定が異なるので、50代につづいて60代も園長として働ける環境もあります。この表の60歳以上の平均賃金を高くしているのは、私立の管理職につく保育士だと考えられます。
男性保育士の平均賃金
男性保育士の平均賃金 | |||
---|---|---|---|
年齢 | 月給 | ボーナス | 年収 |
20~24歳 | 19万3000円 | 27万8000円 | 260万4000円 |
25~29歳 | 21万3000円 | 60万4000円 | 317万1000円 |
30~34歳 | 24万4000円 | 71万8000円 | 365万3000円 |
35~39歳 | 29万4000円 | 109万1000円 | 462万5000円 |
40~44歳 | 35万9000円 | 115万6000円 | 547万円 |
45~49歳 | – | – | – |
50~54歳 | 32万7000円 | 102万6000円 | 495万5000円 |
55~59歳 | 33万6000円 | 84万円 | 487万5000円 |
60~64歳 | 28万5000円 | 34万8000円 | 377万1000円 |
65~69歳 | 56万7000円 | 197万4000円 | 878万2000円 |
70歳~ | 24万5000円 | 105万9000円 | 399万9000円 |
女性保育士の平均給料と比較した場合、男性の方が高い結果となっています。とはいえ、男性保育士の割合はかなり少なく、統計の母数が小さいですから、その計算上、平均年収が高くなっているようです。
【公立と私立・施設形態】による保育士の給料比較
ここでは公立の保育園と私立認可保育園の給料の違い、さらには施設の種類による給料比較をしていきます。
保育士専用サイトである『保育士バンク!』のデータをもとに端数は調整した数値を挙げていきます。
公立保育士と私立保育士の給料
公立保育士 | 私立保育士 | |
---|---|---|
平均月給 | 28万円 | 26万2000円 |
先にも触れましたが、公立保育士は地方公務員ということあり、私立の保育士よりも平均給料は高めの結果になっています。
施設形態による保育士の給料
月給 | |
---|---|
公立保育園 | 28万円 |
私立認可保育園 | 26万2000円 |
認定こども園(私立) | 24万2000円 |
小規模保育(A型) | 23万2000円 |
事業所内保育(A型) | 21万1000円 |
施設形態についてですが、以下のような施設のことを言います
- 認定こども園とは幼稚園と保育園を合わせた施設
- 小規模保育(A型)とは園児定員19名以下で、職員資格は全員保育士という施設
- 事業所内保育とは企業が自社の従業員の子どもや地域の児童を対象に設置した施設(複数の形態あり)
園児数の少な目な小規模保育の施設では運営規模も小さくなるので、その分、給料は低めになっています。また、会社が設置する事業所内保育の場合には、運営補助金が認可保育園と比べて少ないために、給料も低めになるようです。
60代の保育士さんの場合、経済的な理由ではなく、働くことを楽しみたいという目的で求人を探す人が多くなるかもしれません。そういう面から、施設形態にこだわって求人内容をチェックするのもいいでしょう。
うーん。自分の希望にあう求人を見つけるのって大変そう…。
自分の要望に合った求人を見つけるのはなかなか大変ですから、保育士専門の転職サイトを使うことがおすすめです。園について、サポートスタッフに相談できるので、上手に見つけることが可能です。
【都道府県別】による保育士の平均年収ランキング
地域別 | 平均年収 |
---|---|
全国 | 332万5000円 |
北海道 | |
北海道 | 287万円 |
東北 | |
青森県 | 264万円 |
岩手県 | 276万円 |
宮城県 | 298万円 |
秋田県 | 314万円 |
山形県 | 259万円 |
福島県 | 243万円 |
関東 | |
茨城県 | 305万円 |
栃木県 | 299万円 |
群馬県 | 295万円 |
埼玉県 | 308万円 |
千葉県 | 337万円 |
東京都 | 369万円 |
神奈川県 | 333万円 |
北陸/甲信越 | |
新潟県 | 294万円 |
富山県 | 287万円 |
石川県 | 335万円 |
福井県 | 276万円 |
山梨県 | 285万円 |
長野県 | 301万円 |
東海 | |
岐阜県 | 268万円 |
静岡県 | 320万円 |
愛知県 | 372万円 |
三重県 | 310万円 |
関西 | |
滋賀県 | 317万円 |
京都府 | 351万円 |
大阪府 | 347万円 |
兵庫県 | 356万円 |
奈良県 | 321万円 |
和歌山県 | 382万円 |
中国 | |
鳥取県 | 286万円 |
島根県 | 311万円 |
岡山県 | 308万円 |
広島県 | 297万円 |
山口県 | 308万円 |
四国 | |
徳島県 | 279万円 |
香川県 | 295万円 |
愛媛県 | 323万円 |
高知県 | 315万円 |
九州/沖縄 | |
福岡県 | 330万円 |
佐賀県 | 220万円 |
長崎県 | 331万円 |
熊本県 | 281万円 |
大分県 | 293万円 |
宮崎県 | 291万円 |
鹿児島県 | 293万円 |
沖縄県 | 260万円 |
(出典:厚生労働省「平成27年度保育士等に関する関係資料」)
保育士の給料は都会が高くて、田舎の方が安いというイメージを持つ人も多いですが、厚生労働省の調査ではそうでない結果が出ています。
全国平均年収の高い順からあげてみると
- 和歌山県:382万円
- 愛知県:372万円
- 東京都:369万円
- 兵庫県:356万円
- 京都府:351万円
と1位は和歌山県になっています。意外といえば失礼になりますが、給料と地域の関係はそう単純ではないようです。
東京は3位、そのほか大阪などの地方都市は上位にはランクインしていません。一方、年収を低い順からあげてみると
- 佐賀県:220万円
- 福島県:243万円
- 山形県:259万円
- 沖縄県:260万円
- 青森県:264万円
となっており、ワースト1位の佐賀県は和歌山県と162万円の差額です。もちろんワースト入りしている地域が特別、その賃金の水準で生活が成り立つだとか、労働量などが著しく少ないとかといった理由もないはずです。
ただ、これはあくまでも平均ですので、どの地域にも、園によって待遇に差があります。
60歳以上の保育士求人・転職事情について
冒頭でも少しお話ししたように、現在、保育士として働きたい60代以上の人が増えています。
厚生労働省の調べによれば、保育士資格の有無にかかわらず、保育士を希望している新規求職者数が3,494人(28年度)で、前年度よりも12.1%も増加しています(厚生労働省「ハローワークにおける60歳以上の保育士に係る求人・求職状況について」)。
24年度から右肩上がりになっているので、保育士になりたいという60代の人はこれまらもまだまだ増加することが考えられます。
年齢制限・年齢不問の求人はどれくらいあるか?
上の表は、保育士の求人における年齢制限ありの数と、年齢不問の数のグラフです。平成28年度の値を見ると、年齢不問の求人が10万件以上あり、年齢制限ありの求人はおよそ1万5千件ほどになります。
2種類の求人で数が大きく違っていますが、これは年齢不問の求人についてはパートタイムも含む値となっているからです。実際、パートとして働く60代保育士さんも多いでしょう。
60代になっても働きやすい職場とかあるのかな?
午前中のみの募集など自分の働きたい勤務時間に合った求人や、若手保育士のサポート役のような仕事がたくさんありますので積極的に働きやすい環境になっています。
無資格者歓迎の求人も多数
保育士のサポートをする保育補助という仕事があり、この業務であれば保育士の資格がなくても働くことができることになっています。
資格がないけど保育士として働きたいという人も、無資格者を募集している求人があるのでぜひチェックしてみてください。
ただ、自分の希望に合った求人を探すのは手間がかかりますし、何か不安な面も出てくるので、保育士専用の転職サイトを利用するのがおすすめです。
保育士専用の転職サイトでは、サポートスタッフが電話などで転職にまつわる相談にのってくれ、自分の希望内容に応じた求人を紹介してくれます。
求人を探すなら保育士専用の転職サイトを使おう
まとめ
近年、保育士不足が社会問題化されていますが、その状況に再雇用制度などが相まって、年齢不問の求人の増加とともに、保育士になりたい60代以上の新規求職者数が増加しています。
積極的に保育士になりやすい状況ですが、求人情報もたくさんあり、自分にマッチした園を探すのはなかなか大変です。とくに資格のない未経験者の場合、何かと不安も多いでしょう。
そういう場合には転職をスムーズにするために保育士専用の転職サイトを使うことをおすすめします。