保育士の勤務時間は長い?5つの働き方と厚生労働省の調査をチェック
※当ページには広告が含まれています。
保育士の勤務時間は長いといわれています。実際に今は子供を保育園に預ける期間が長くなっているため、それにともない、保育士にかかる負担も非常に大きくなってきているようです。
ここでは、保育士の5つの働き方や休日の状況、そして厚生労働省が調査した保育士の勤務時間や勤務状況について紹介しています。
これから保育士を目指す人、すでに保育士として働いていて、いろいろな悩みで転職を考えている方は参考にしてみてください。
保育士の勤務時間と働き方について
保育士の仕事は非常にハードです。さらには今は両親が共働き、もしくはシングルマザー・シングルファーザーも増えているので預ける時間は長くなってきています。ここでは保育士の勤務時間と働き方についてまとめています。
【1】シフト制の勤務が基本
保育園は朝7時くらいから園児の受け入れをしています。そして通常の保育園なら夜7時までに退園することになるでしょう。そのため保育園が開いている時間は少なくとも12時間となります。
一方で保育士の労働時間は基本的に8時間ですから、保育士の勤務時間は基本的にシフト制となるのが一般的です。たいていは以下のように3交代制のシフトになります。
早番 | 7時~16時まで |
---|---|
中番 | 9時~18時まで |
遅番 | 9時・10時から子供が帰るまで |
基本は9時から18時までの中番で、早番や遅番は週に1~2回となることが多いようです。ただそれも保育園によって異なるので、転職する場合にはシフト制といっても実際はどういう勤務体制になるのかも確認が必要です。
【2】固定時間勤務
保育士の勤務体制としては固定時間勤務というケースもあります。これはシフト制のように日に応じて勤務時間が変わらないので予定を立てやすいというメリットがあります。
7時に出勤というのは非常に朝が早くて大変ですし、家庭を持つ保育士なら遅番は避けたいでしょう。固定時間勤務の場合、勤務時間はたいてい9時から17時もしくは10時から18時までです。
最も園児が多い時間帯の勤務になります。ただ、やはり固定時間勤務を望む保育士は多いですから、開園から勤務する早番や、閉園までの遅番を固定時間勤務する保育士を園側は求めているでしょう。
【3】時間外保育による残業・勤務(早朝・夜間・延長)
最近は夜遅くまでは働く保護者や夜勤の保護者もいます。特にシングルマザー、シングルファーザーとなれば、収入が少なくてやむを得ずそういった勤務をせざるを得ない人もいるでしょう。
それに伴って最近は24時間預かりに対応して保育園や夜10時くらいまで預かる保育園も出てきています。
そのため、そういった時間外保育による残業や勤務となる保育士もあります。一般的に時間外保育となる場合の勤務時間は以下の通りです。
早朝 | 朝7時・8時台から |
---|---|
夜間 | 深夜や翌朝まで |
延長 | 夜10時くらいまで |
保育士は給料が少ないといわれますが、こういった時間外保育だと手当てがつくので給料アップも望めます。また園児の数も少ないため、仕事内容はそれほどハードにはならないことが多いようです。
延長保育の増加によるサービス残業が増える実情
最近は夜遅くまで働く両親もいますし、シングルマザーやシングルファーザーが増えた昨今、特に延長保育を利用する家庭が増えています。もちろん延長保育でもシフト制で勤務内という保育士もいますし、残業手当も支給されるでしょう。
ですが、延長保育が増加することにより、園児のお世話をする保育士も増加するため、お便りや行事の準備などが勤務時間内には終わらなくなってしまうことも出てきてしまいます。
持ち帰りの仕事の分はどうしてもサービス残業になってしまうのです。
結果的に、延長保育が増えれば増えるほど、ますます保育士にかかる負担が多くなり、労働に見合った賃金がもらえなくなっていくのです。それが保育士が転職を考える理由にもつながっています。
【4】保育士の休日保育(土曜日出勤)の勤務
保護者によっては必ずしも土日が休みというわけではない人もいます。特に土曜日は休みではないケースが多いでしょう。保育園はそういった保護者に合わせて、休日保育を実施しているところも増えてきています。
そのため、そういった保育園で勤務していれば、平日勤務だけでなく土曜日出勤になることもあります。とはいえ、基本的に保育士は月に8回ほど休みになるため、土曜日出勤の時には月曜日から金曜日までの平日のうち1日休みとなることが多いです。
土日祝日もしっかりと休みたいばあいはどうしたらいいかな?
もし、土日祝日もしっかりと休みたいという保育士であれば、土曜日の受け入れをしていない保育園を選ぶのも1つの方法です。
ただ、土曜日は預かる園児も少ないため、保育士の数も減らすことが多いので休みたい土曜日は意外と休めることも多いでしょう。
【5】保育士の休日情報
一般的な会社だと完全週休二日制が多いでしょう。ですが、保育士も基本的には土日が休みとなりますが、土曜日も園児の受け入れをしている保育園が多いため、土曜日勤務となる週もあるのが一般的です。
土曜日勤務の時には、その週もしくは次の週に土曜日に出勤した分を平日に休むことになります。そのため、一般的には月8休という休日体制になることが多いです。保育士にも当然、有給休暇もあります。
そのため、月8休の他に有給休暇で自由に休むこともできます。ただし、現実的には保育士は慢性的な人手不足となっているため、なかなか有給消化をしたくてもできない現状があるのです。
厚生労働省調査による保育士の労働時間(業務の時間・業務発生率)
室内遊び | 62.6分/100% |
---|---|
会議・記録・報告 | 52.5分/100% |
表現活動への支援 | 35.7分/98.2% |
スキンシップ | 31.8分/77.7% |
食事の援助 | 29.1分/100% |
挨拶等 | 26.4分/98.6% |
お昼寝の援助 | 24.9分/77% |
着替え | 17分/99.6% |
連絡帳への記帳 | 13.8分/93.3% |
おやつ | 12.4分/100% |
園児の行動の指導等 | 10.8分/85.1% |
移動時の誘導等 | 10.4分/99.3% |
掃除 | 10分/100% |
保育の計画・準備 | 8.8分/100% |
ミルク・離乳食 | 8.2分/40.8% |
職員の行動 | 8.1分/99.6% |
登降園のコミュニケーション | 8分/73.4% |
降園時の送り出し | 7.7分/79.1% |
保育の記録 | 6.8分/60.6% |
トイレの援助 | 6.6分/87.2% |
登園時の受け入れ | 6.1分/89% |
心理的支援 | 6.1分/75.9% |
園庭での遊び | 5.9分/86.2% |
保育士は園児と遊ぶだけでなく、さまざまな業務を行う必要があります。厚生労働省調査では保育士の労働時間内での業務には上記のような内訳と業務発生率になってるようです。
他の園(幼稚園・公立保育園)の勤務時間
保育園で働く保育士の勤務時間は非常に長く、持ち帰りの仕事もあるため数字で表れている以上の勤務時間になってしまうことが多いです。
では、子供を保育する同じ形態の幼稚園や公立の保育園での勤務時間はどうなっているのでしょうか。
幼稚園の勤務時間
幼稚園は保育園よりも園児を預かる時間は短くなり、基本的に9時から2時までとなっています。そのため、幼稚園の先生の勤務時間は保育士に比べて時間が短くなります。
ただ、最近では延長保育もおこなう幼稚園も増えてきているため、保育士と変わらない勤務時間になりつつあります。ただ、それでも全体的に見れば幼稚園の方が勤務時間が短いのは間違いありません。
とはいえ、幼稚園の先生は幼稚園教諭の資格が必要となるため、資格がないと保育補助という形になってしまいます。
公立保育士の勤務時間
保育園には公立の保育園もあります。公立の保育園で働く保育士は公立保育士となり、地方公務員と同じ扱いになります。公立保育士の勤務時間は、公務員扱いになるため1日8時間が基本となります。
最近は、公立保育園でも延長保育を行うことが増えてきているので、シフト制となるでしょう。そして公立保育士でも残業はあります。ただ私立の保育園で働く保育士に比べると、残業は大幅に少なくなる傾向にあります。
統計によると週の労働時間が50時間から60時間になる保育士の割合は、私立保育園が45.6%なのに対し、公立保育園は22.8%程度です。
同じ保育士でも公立と私立とでは全然違うんだね!
同じ保育士でも公立と私立とでは勤務時間に大きな開きがあります。そして公立だと勤務時間が少ないのですが、公務員扱いのため給料も高めです。
まとめ
このように、保育士の勤務時間は数字で表れる以上に長くなってしまう傾向にあります。さらには、延長保育の増加により、持ち帰りのサービス残業もどんどん増えてきている状況です。また、休日保育もあるため同曜日も出勤となることが多いでしょう。
もし、保育園の勤務時間が長すぎる、ハードすぎると感じる人は幼稚園や公立の保育園に転職するのも1つの方法です。まずは転職サイトのコンサルタントなどに保育園の状況を確認してみるといいでしょう。