いくら貰えるか知らなきゃ損!意外と知らない保育士の退職金事情!
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公務員のほか、一般企業で働いている人が辞めると支給される一時金が退職金です。すでに保育士として仕事をしている人や、今後保育士としての活躍を目指す人は、いくらもらえるのかやいつもらえるのかなどは、気になる話でしょう。
今回はこの保育士の退職金について、そもそも支給されるのかという問題から解説します。以下の内容をチェックすると、どこの保育園に就職するか、または現状の保育園とは別のところへ転職したほうが良いか考えるきっかけになるでしょう。
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保育士は条件によっては退職金なし
すべての保育士が、退職金を受け取れるわけではありません。どこの保育園に勤めているのかによって支給されるか否かは違いますし、正規職員か非正規職員なのかによって扱いは変わってきます。
そのほか、どれだけ長く勤めているのかによってもそうです。当然、受け取れるだろうと思っていて制度の有無を確認しないのは良くありません。
仕事を辞めたあと、次の仕事が決まるまでの生活費として使おう、のんびり旅行にでも出かけてこようなどと思っていて、受け取れないのは大きな痛手です。
多くの保育園は退職金を貰うには3年以上の勤務が条件
これはよくいわれていることですが、必ずしも3年以上の勤務が退職金の受け取り条件とは限りません。一般企業では3年以上にわたって勤務した人が退職金の支払対象になるところが多く、保育園も同様というだけの話です。
就業規則で退職金の支払い規定を設けている保育園の中には、1年以上の勤務で受け取る権利を獲得できるようにしているところもあります。保育園によって何年からもらえるのかについてはまちまちで、確認が必要といえるでしょう。
公立保育園の退職金事情
公立保育園に勤めている正規職員に関しては、退職金の取り扱いは地方公務員と変わりません。自治体の条例によって退職金制度が設けられていますし、いくらもらえるのかについても、地方公務員と共通です。
気をつけなければいけないのは、公立保育園で働きはじめた時点で退職金を受け取る権利が発生するわけではない点があげられます。以下の2つは勘違いをすることがないよう、しっかりと頭に入れておきたいところです。
- 勤続年数が1年以上ないと支払われない
- 地方公務員であっても非常勤は支払対象外
すぐに辞めてしまったり、常勤でなかったりすると、退職金は受け取る権利がありません。ただ、支払対象になりさえすれば、公立保育園の退職金は金額面で魅力的に感じる人は多いでしょう。
魅力的な金額って実際どれくらいなの?
仮に定年を迎えるまで公立保育園での仕事を継続したとしましょう。その場合の相場ですが、2,000万円以上の金額となっているのです。老後の資金を十分に確保でき、続け甲斐がある仕事ととらえることができます。
私立保育園(共済会)の退職金事情
公立保育園とは違い、私立保育園は園によって退職金に関する取り扱いが違います。そもそも就業規則に退職金についての規定が設けられていなければ、正規職員であろうと非正規職員であろうと、何年勤めようとも受け取れません。
就業規則に退職金の規定があり、共済会に入っている私立保育園であれば、退職金を受け取ることが可能です。また、園が独自に制度を敷いている場合にも、退職金がもらえます。条件としては次のとおりです。
- 共済会加入の社会福祉法人の場合は勤続年数1年以上が支払対象
- 独自制度を敷く一般企業の場合は勤続年数3年以上が支払対象になる園が多い
なお、パートタイマーやアルバイトのような非正規のスタッフの場合には、勤続年数が長くても退職金の支払対象外である場合がほとんどです。ただ、一般企業の場合、退職金制度がないのが必ずしも悪いわけではないケースもあります。
というのも、一般企業が運営母体の園では、独自の退職金制度を用意しないかわりに、給与や賞与、各種手当が充実しているところもあるためです。どちらを取りたいかは、個人の考え方によって違ってくるでしょう。
保育士の退職金はいくら?平均相場と計算方法
公立保育園の退職金の平均相場は、定年退職の場合で2,000万円以上にもなるとされていると述べました。
ただ、その前に辞めた場合にいくらぐらいになりそうか気になる人もいるでしょう。公立と私立での平均相場とその求め方について解説します。
【1】公立保育園の退職金
公立保育園の場合には、基本額に調整額を足した額が退職金として支払われます。基本額は退職日給料月額に退職理由別・勤続年数別の支給率を乗算した額です。そして調整額は、調整月額のうちその額が高いものから60月分の額をトータルした金額を指します。
基本額の退職理由別・勤続年数別の支給率についてさらに詳しく説明しましょう。退職理由別の支給率は一番高いのが整理退職、次に高いのが定年・勧奨退職、一番低いのが自己都合退職です。勤続年数については、長いほど支給率が高く設定されています。
次に調整額については、勤務態度や功績によって毎月発生し得る額で、最低で0円、最高で95,400円も加算されるしくみになっています。
計算式にあてはめて計算すれば、さまざまな条件下での退職金の平均相場を求めることができます。
計算が面倒な人は後述する退職金シミュレーションの項目をチェックすれば、すぐに金額を把握できるためそちらをご覧ください。
【2】私立保育園の退職金
私立保育園に勤めていた人に支給される退職金の平均相場は、共済会から支払われるのか、園の運営母体から支払われるかで違ってきます。順番に退職金の計算方法について見ていきましょう。
まずは共済会に加入している社会福祉法人や一般企業の場合です。これは退職前6ヶ月間の平均給与額に、勤続年数や退職理由による率を乗算した金額が支払われることになります。
勤続年数は長いほど、退職理由は普通退職より業務上死亡・傷病のほうが率が高いです。次に共済会に加入していない社会福祉法人や一般企業についてですが、独自の退職金制度が用意されていない場合は当然0円です。
用意している場合でも、運営母体や園によって計算方法も違っていれば、金額も変わってくるため、一概にいくらとはいえません。
独自の退職金制度用意されているかどうかはどうやって確認するの?
独自の退職金制度を敷いている私立保育園に関しては、就業規則をチェックすることによって、制度の有無などについて知れます。
なお、一般的な企業に合わせる形になっていれば、勤続年数に基本給を乗算した額に、給付率を乗算した額が退職金になることが多いでしょう。
【年数別】保育士歴別の退職金シミュレーション
公立保育園や共済会に加入している社会福祉法人や一般企業運営の私立保育園で受け取れる退職金について、具体的な金額を見ていきましょう。
保育士歴別に解説していきますので、自分の場合はどのぐらい支給されるのかなどの参考情報としてお役立てください。
保育士1年目の退職金(公立・私立・株式会社)
公立保育園の場合、調整額なし、自己都合退職、月給18万円とすると、10.8万円が支給されます。一方、私立保育園の場合、月給18万円、普通退職の条件で計算すると、大体9万円程度受け取れると思っておくと良いでしょう。
保育士2年目の退職金(公立・私立・株式会社)
公立保育園で調整額なし、自己都合退職、月給18万円の条件では、大体18.8万円の退職金が受け取れます。これに対して私立保育園では、月給18万円、普通退職の場合、大体18万円ほどが退職金の支給額になるでしょう。
保育士3年目の退職金(公立・私立・株式会社)
保育士歴3年目の人が受け取れる退職金は、公立保育園に勤めている人の場合、調整額なし、自己都合退職、月給18万円で大体27万円支給されます。
そして私立保育園の場合は普通退職、月給18万円で退職金は27.5万円程度です。
保育士4年目の退職金(公立・私立・株式会社)
公立保育園に勤務している人の場合、調整額なし、自己都合退職、月給18万円で大体36万円の退職金が受け取れます。
一方の私立保育園では、普通退職、月給18万円の条件では、36.5万円ほどの支給額になるととらえておくと良いでしょう。
保育士5年目の退職金(公立・私立・株式会社)
調整額なし、自己都合退職、月給18万円の公立保育園で働いている人に対して支給される退職金の額は、約45.2万円です。これに対して、普通退職、月給18万円の私立保育園で働いている人が受け取れる退職金は、45.7万円ほどになるといえます。
保育士10年目の退職金(公立・私立・株式会社)
これまでと同じ条件下で、10年目の保育士が辞める場合には、公立保育園では90.4万円ほど受け取ることができます。一方、私立保育園の場合には91.4万円程度の退職金支給額になると思っておくと良いでしょう。
保育士20年目の退職金(公立・私立・株式会社)
公立は354.1万円程度、私立は357.8万円程度です。わかりやすさ重視で条件を変えずに説明してきましたが、実際には公立は安定的な昇給があり、調整額も発生し得ます。
これらを含めて公立の退職金を計算すれば、今回のシミュレーションの平均相場より額ははるかに大きくなると考えられます。
退職金はいつ振り込まれるの?手続きが必要な場合もあるので要注意
まず支給時期についてですが、公立保育園の場合、退職手当条例の定めにより退職日から約1ヶ月以内に受け取ることが可能です。
一方、私立保育園の場合は就業規則の定めによって、1~3ヶ月以内に受け取れるケースが多いといえるでしょう。
次に手続きについてですが、たとえば共済会に入っている保育園の場合には、辞めれば自動的に退職金が入るわけではありません。以下の書類を提出しなければいけないなどの決まりがありますので、忘れずに確認しましょう。
- 退職手当金請求書
- 被共済職員退職届
辞める時期はいつでもいいの?どこかおすすめはあったりする?
辞める時期をある程度柔軟に決められるのであれば、年度末までは継続したほうが良いでしょう。勤続年数が1年違うと、退職金の額がひと月分の給与に匹敵する程度は違ってきますよ。
年度末の退職は保育園側としても引き継ぎが楽だから助かるな。
退職金制度がない場合も…確実に貰えるわけではない
これまでにも触れてきましたが、退職金は誰でも受け取れるわけではありません。改めて詳しく説明しますが、以下の中にあてはまるものがある人は、退職金の支給対象外になってしまいます。
- 公立保育園に非常勤で働いている
- 退職金制度が用意されていない私立保育園で働いている
- 支給対象になるための勤続年数が足りていない
- 正規職員だけが支給対象の私立保育園でパート・アルバイトとして勤務している
- 途中で退職金制度をなくした私立保育園に勤めている
注意しなければいけないのは一番下の、途中で退職金制度が廃止されるパターンです。レアケースではありますが、私立保育園の運営母体の経営がかたむくなどすれば、制度が取りやめになってしまう可能性があります。
退職金がある園を探すなら転職サイトを活用して
退職金制度がある保育園であれば、長く頑張るモチベーションになるでしょう。
もしあなたが退職金のある保育園で働きたい、転職しようと思っているのであれば、転職サイトを使わない手はありません。主に以下のメリットがあるためです。
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- 退職金制度の有無や給与、勤務地などさまざまな条件を指定して求人を検索できる
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ハローワークのように、応募のために窓口まで足を運ばなくて良い点も、いま仕事に就いている人にとっては魅力的な要素のひとつといえるでしょう。
窓口が開いている時間や曜日に行くために、わざわざ休みを取るなどしなくても良いのは嬉しいね!
そうですね。さらに24時間365日なので好きなときに利用できるのも、働いている人にとって最大のメリットでしょう。
まとめ
公立保育園は退職金制度がありますが、私立保育園では共済会に加入していたり、独自の制度を敷いていたりしないと退職金が支給されません。就業規則を確認して、制度の有無はチェックしてみたほうが良いでしょう。
それでもし退職金制度がなかった場合、ある保育園に移りたいと思った際には、転職サイトを利用しましょう。制度はあるけれど非正規職員で対象外の人も、正規職員として働ける園に移ることを検討してみてはいかがでしょうか。
コンサルタントやアドバイザーがつく転職サイトであれば転職先に希望する点を伝えられるほか、不安な点を相談できるため、1人で転職活動する心細さがありません。ぜひ利用して、退職金制度があるなど理想とする保育園で仕事をしましょう。