家賃補助・住宅手当は出る?いくら?後悔しない保育士転職の全知識!
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実家から保育園に通う保育士はいいですが、一人暮らしをしている保育士にとっては決して高くはない給料の中から家賃を捻出するのは苦しいものです。地域によっては家賃も高額になるので、生活がままならないことも。
そういった失敗をする前に、就職前に保育園で家賃補助や住宅手当が出るのかどうかも確認する必要があります。ここでは保育士が転職する際のポイントの一つである家賃補助や住宅手当についてまとめていますので、参考にしてみてください。
保育士の給料に住宅手当は平均1・2万円貰える!
住宅手当はどこの保育園で働いても支給されるとは限りません。園や地域によって住宅手当がつかないケースもあれば、手当額も大きく異なります。月に1万円から2万円という保育園もあれば、全額支給されるというところもあります。
保育士の給料は低めと言われているので、転職の際には給料の額を重視する方も少なくありません。ですが、いくら給料が高めでも、住宅手当が一切つかず家賃5万円のアパートを借りれば、手元に残るお金が限られてしまうでしょう。
家賃は毎月かかる経費の中で非常に大きなウエートを占めます。ですから、転職の際にはどれくらいの住宅手当がつくのか、しっかりチェックする必要があるでしょう。
住宅手当がどれくらいつくのか確認しないといけないんだね!
そうです。そしてその額に応じて住まいも検討しましょう。
住宅手当・家賃補助とは家賃の一部もしくは全額を補助してくれる手当
住宅手当・家賃補助とは、保育士を雇う園や施設が保育士のために家賃の一部もしくは全額を補助してくれる手当のことになります。いろいろな呼び名がありますが、基本的に保育士の住宅費用をサポートするという意味では同じものです。
ただ、厳密にいうと住宅手当と家賃補助は違いがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。そのため、保育士によってどちらがベストかはわかりません。まずは、住宅手当と家賃補助がどのように違うのか見ていきましょう。
住宅手当と家賃補助の違い
住宅手当はさまざまな手当と同様、給料にプラスされて支払われるものです。そのため、税金や社会保険料も変わってくることがあります。その一方で家賃補助とは一般的に園が保育士の住む住宅の家賃の一部を支払うというもの。
それが社宅の場合は、保育士が家賃の一部を支払い、保育士は借りた賃貸なら円が一部負担するということになります。
社宅の場合、税金とか保険は大丈夫なの?
社宅の場合は、給料から差し引かれる形になるので、税金や社会保険料が増えることはないでしょう。
住宅手当・家賃補助は『4つの種類』がある
住宅手当・家賃補助といった住宅サポートにはいくつかの種類があります。大きく分けると以下の4つになります。
それぞれ特徴があるのでメリット・デメリットとともに見ていきましょう。
【1】家賃補助
家賃補助とは、保育園が雇用する保育士の家賃をサポートするものです。たいていの場合は、かかる家賃を保育士または保育園が一部を負担するという形になります。その額については保育園によって異なります。
家賃補助とは一般的に会社が用意した社宅に住むケースと、保育士が借りた住宅に住むケースがあり、はっきりとどちらとも言えません。
社宅に住む場合には借り上げ社宅制度といった福利厚生になりますし、保育士が借りた住宅なら住宅手当と同じようなものです。ですので、一概に家賃補助と記載されていても、どのような内容なのか確認してみる必要があります。
【2】住宅手当(毎月手当として支給)
給料には基本給の他に、残業手当や休日手当などがプラスされることがあるでしょう。住宅手当もそれと同様で、基本給にプラスされて支払われる住宅サポートになります。住宅手当は園独自でおこなっている福利厚生で、金額は園によって異なります。
ただ、一般的には毎月1万円から2万円程度になることが多いようです。住宅手当のメリットは物件や場所を保育士が自由に決められる点です。家賃が安いところを選べば家賃負担を軽減できますし、立地や間取りを検討することもできます。
デメリットとしては、給与所得が手当の分多くなるため、所得税や社会保険料などの負担が多くなる可能性があります。
税金や保険料の負担が大きくなってしまうんだ。ほかに気をつけることある?
園によっては一人暮らしのみ支給というケースもあるため、就職の際によく確認しておく必要があるでしょう。
【3】借り上げ社宅制度(会社が社宅を用意)
借り上げ社宅制度とは、保育園が契約している住宅に住むことが条件で、家賃の一部を保育士が支払うという形になります。社宅として保育園が契約している住宅ですから、家賃の支払いは保育園側が行います。
家賃の一部を保育士の給料から差し引かれることになります。メリットとしては、一般的に家賃手当てに比べると保育士の家賃負担が少なくて済む点です。
また賃貸物件は通常、敷金・礼金などの諸費用がかかりますが、それらの初期費用も不要になります。
デメリットとしては、保育士が住まいを選べないという点です。また、現住所によっては利用できないケースもありますし、他の保育士も隣のアパートになることも多く、プライバシーが気になる方もいるでしょう。
【4】自治体の住宅支援・補助制度
待機児童問題や保育士不足を解消するために、自治体によっては保育士確保のための住宅支援や補助制度を行っている地域もあります。特に待機児童問題が深刻な首都圏の自治体では実施されることが多いです。
メリットとしては、家賃のほとんどを補助金でまかなうことができる点です。保育士の家賃負担が最も少なくなるでしょう。
ただ、デメリットしては保育園が借り上げしている社宅が条件となるため、保育士が住まいを選べません。また、自治体ごとに規定が異なるため、保育士によっては適用にならないケースもあります。
首都圏(東京)と地方の住宅手当の差
首都圏では待機児童問題が深刻な状態です。地方から保育士を確保する際のネックとなる家賃を軽減するために、自治体や保育園で住宅手当を支給するケースが多いです。
そのため地方との住宅手当の差は大きくなっているようです。
首都圏(東京)の住宅手当事情の保育士の家賃補助
首都圏(東京)では待機児童問題が深刻化しているとはいっても、すべての地域がこれに当てはまるわけではありません。また、地域によって地価も異なるため、家賃の金額にも差があり保育士の負担も変わってきます。
そのため、保育園や自治体によって住宅手当事情は変わってきます。待機児童問題が深刻な23区内は、家賃も高めになってしまうため、ますます保育士の確保が難しいです。そのため保育士の住宅手当も高めに設定して、保育士確保を進めています。
東京(世田谷区・杉並区・大田区・足立区・江戸川区)の保育士の家賃補助
東京23区内では各自治体で保育士確保のための住宅支援を行っています。主な自治体の対策は以下の通りです。
世田谷区…保育施設が借り上げた社宅を利用すると最大82,000円の家賃補助があります。支給条件は世田谷区内の私立保育園への就職となります。家賃だけでなく管理費や礼金、更新料なども対象です。
杉並区…杉並区内の対象保育園に常勤職員として就職すれば最大82,000円の家賃補助があります。住所に制限はありません。ただし、自己負担が0円から2万円程度必要になる施設もあります。
大田区…大田区では最大82,000円の家賃補助を受けられます。ただ8分の1が保育園が負担することになるため、条件によっては上限以内でも自己負担がある場合もあります。
足立区…足立区の指定保育施設に常勤する保育士は区内の住居に借り上げに要した費用(最大82,000円)の8分の7を区が負担します。残りの8分の1は施設または自己負担となります。礼金も対象です。
江戸川区…江戸川区内外に限らず、最大82,000円の家賃補助があります。ただし法人によっては自己負担が設定されるケースもあります。
地方の住宅手当事情の保育士の家賃補助
首都圏、特に23区内の自治体では保育士の住宅手当が充実しており、さらに保育園も補助を出すケースも多く、家賃の自己負担がほとんどないところが多いです。
ですが、地方の住宅手当事情はそこまで手厚くはないようです。住宅手当の額が少ないどころか、住宅手当そのものが支給されない保育園も少なくありません。
地方はあんまり手当が厚くないんだね。
そうですね。さらに住宅手当が支給される保育園でも、一人暮らしのみや通勤手当がカットなどさまざまな制約もあるようです。自治体でも補助を設置していないところがほとんどです。
関東地方(神奈川県・埼玉県・千葉県)の保育士の家賃補助
関東地方では東京23区ほどではないが、待機児童問題を抱えている地域はあります。そのため自治体によっては住宅手当を支給する制度を設置しているところもあります。
神奈川県…神奈川県では県庁所在地である横浜市で、宿舎借り上げにかかる経費のうち月額82,000円の4分の3(61,000円)を上限として助成があります。
埼玉県…埼玉県のさいたま市では指定保育施設に常勤する保育士に対して最大80,000円の8分の7まで補助があります。また戸田市では私立保育園に採用された常勤保育士に対して最大82,000円の4分の3を市が補助し、残りを事業者が負担します。
千葉県…千葉県の野田市では常勤保育士に対し、船橋市では私立保育園などで常勤する保育士に対して、最大82,000円までの補助があります。また流山市では市内に住民票があり、私立保育園などで常勤する保育士に同じく最大82,000円の補助を支給します。
住宅手当のある自治体は条件が若干異なる点があるので確認してみましょう。
関西地方(大阪)の保育士の家賃補助
関西地方では保育士の住宅手当を支給する自治体がいくつかあります。
大阪市…大阪市では保育園に採用されてから10年以内の常勤保育士に、施設等が借り上げした宿舎に住む場合に最大82,000円の補助があります。
堺市…堺市では公立を除く対象保育施設で常勤の保育士に対して最大82,000円の4分の3(61,500円)まで補助が出ます。家賃だけでなく駐車場代や礼金、共益費も含まれます。
ただ平成27年度以降に新規採用され、採用後5年以内という条件と居住地が堺市以外などの条件が付きます。
吹田市…吹田市では吹田市で働く保育士の家賃手当として、最大82,000円の4分の3を国と市が負担し、保育園が4分の1を負担してもらえます。
大阪府は全体的に手当が厚くなっているんだね!
大阪府では保育士確保のため、家賃手当を支給する自治体があります。ただ条件が異なるため施設に確認してみましょう。
住宅手当・家賃補助がある求人を探す(転職サイト)
家賃は給料が少ない保育士にとって大きな負担となることは間違いありません。施設によっても異なるので、就職・転職する際には住宅手当・家賃補助の有無や支給額・補助金額をしっかりと確認しておきたいところです。
住宅手当・家賃補助は求人情報をチェックすればある程度記載されている場合がありますが、明確な金額や条件は記載されていないことが多いです。ですので、そういった細かなところまで確認するには保育士転職サイトを利用するのがおすすめ。
面接等ではお金の面は聞きにくいものですが、転職サイトのアドバイザーならその点もしっかり確認してもらえます。転職サイトの登録・利用は完全無料ですから、まずは気軽に登録してみるといいでしょう。
まとめ
保育士にとって家賃補助や住宅手当が出るかどうかは重要な問題です。いくら理想の保育園に転職できても、高めの給料を支給されても、家賃が高すぎると生活もままならなくなります。それでやめてしまう保育士も少なくありません。
今は待機児童問題を解消するため、保育士を確保するため、自治体や施設で保育士の家賃補助・住宅手当に力を入れているところが多いです。特に待機児童門債が深刻化している首都圏などでは多くの施設で補助が受けられます。
あだ、支給条件も施設や自治体によって異なるので、求人情報だけではわからないことも多いです。転職してから後悔することのないように、漠然と転職先を探すのではなく、家賃補助・家賃手当もしっかり確認した上で探すといいでしょう。