パートで働く保育士の仕事内容と給料は?メリット・デメリットも解説!
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いきなり正社員として復職をする・転職をすると、心身への負担が大きく不安という人も多いのではないでしょうか。また、家庭との両立をするためパート職員として勤務したいという方も多く居ると思います。
月給制ではなく時給制の給与形態や、フルタイム勤務ではなく半日のみの出勤など、様々な面で正社員とパート社員は差異があり、メリットとデメリットを擁しています。
具体的に正社員とどのように異なり、またどのような勤務や業務が求められているのでしょうか。
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パートで働く保育士の求人内容
アルバイト・パートとして募集される保育士について、主に求人で注目されるのは「勤務時間」「給与」の2点かと思います。
保育園の開園時間については、平均的に朝7時から8時に開園し、夕方6時から7時に閉園、その後延長保育時間などが夜の8時や9時まで適用されるという園が多いでしょう。
人手が不足しやすいのは早番・遅番の時間帯と言われており、その時間帯のみ時給が上がるという条件で募集をかけている園も求人広告ではいくつか見かけられます。
勤務時間については1日最低4時間からの勤務を求める園が多く、預かる園児の数が多く正社員の保育士が不足しやすい時間帯に「補助員」として保育に参加してもらうという形を取る園が多いと言えます。
保育士のパートの時給について
時給に関しては、各都道府県の最低賃金プラス100円~500円での募集が平均的です。
この時給は採用の際、所持しているスキルや資格、正社員としての勤続経験の年数で変動することもあります。
ですので、アピールできるポイントがあればぜひ積極的に面接などで伝えるようにしていきましょう。
パートで働く保育士の主な仕事内容
パートとして採用された場合、事務作業よりも園児の相手を中心とした業務が多くなります。基本的に責任者としての保育士が同伴している現場で、園児を見る人手を増やす「補助」と言った形で任される業務です。
勤務時間のほぼ全てが子供と接する時間となるため、担当する年齢によっては体力を大きく消耗してしまう可能性がありますが、子供と接することが大きく苦にならないという人の場合は勤務時間をあっという間に終えたと感じることもできるかもしれません。
ただ基本的には正社員の保育士の補助として扱われますので、求められる事務スキルはあまりないと考えて問題ないでしょう。
それ以外にも、園児が少ない日は子供の相手をせずに園内の掃除や子供のおもちゃの準備、季節替わりには冷暖房用品の準備など、手の空いている人が行うような雑務を求められることも多いです。
パートで働く保育士の平均給与は時給1,000円~1,500円が多い
全体的に時給1,000~1,500円で求人を出している園が多いです。預かる園児や地域によっては時給2,000円を超えたり、中には逆に1,000円を切る職場もありますが、相場として1,100円ほどを想定しておけば、求人の時給が高いか安いかが判断できるかと思います。
賞与に関してですが、パートの場合は賞与を設定していない園の方が現在は圧倒的に多いです。
賞与設定は法律などで義務付けられたものではないので、どうしてもボーナスがある職場が良いと言う場合は、その設定をしている園を探して応募する必要があります。
派遣社員も勤務時間にはある程度の融通がきく勤務形態となりますので、給与形態に悩みがあるという方は派遣としての採用を検討している園を探すといいかもしれません。
パートで働く保育士の『3つのメリット』
福利厚生や賞与がある正社員ではなくパート保育士として働く場合、デメリットだけでなく、パート保育士にしかないメリットがいくつかあります。
正社員としての復職が難しくても、パート職員としてならまた働きたいと思っている潜在保育士の方もおり、そのメリットを活かした求人への応募も現在は多くなってきました。
正社員とは異なるパート保育士としてのメリットについて、何点か具体的に見ていきましょう。
【メリット1】時間に余裕を作れる
まず、勤務時間が少なく基本的に残業が無いのがパート保育士の特徴です。出勤に関しても月や週ごとのシフト制を採用している園が多いため、自身のスケジュールに合わせた出勤予定を組むことが出来ます。
一日の勤務時間も「最低4時間」という設定をしている園が多く、出勤した日でも残りの半日程度は自身の作業に時間を当てることが出来るというのも魅力です。
特に、自分の育児や家庭のことがあり長く家を空けられない・フルタイムで勤務できないという方の場合、出勤時間が少ないパート職員と言うのは比較的余裕をもって業務にあたることが出来るため、どの園もパート求人はそのような家庭状況の方で埋まりやすい傾向にあります。
【メリット2】仕事内容が補助のため負担が少ない
二つ目のメリットとして、業務内容の負担の少なさが挙げられます。パート保育士の主な業務は園児の遊び相手などが多く、新しく覚えないといけない業務や過度の責任が発生してしまう業務が増えるということが少なくなっています。
そこをメリットとしてとらえる方も多く居るのです。ただ子供相手の監督仕事となりますので、過失が認められる怪我などで責任を負わなければいけない事態はもちろんあります。
子供の食事に関わる場合はアレルギーなどを把握する責任もありますが、基本的な業務の中で正社員としての保育士ほどの責任・負担は少ない職業と言えるでしょう。
【メリット3】扶養内で働ける
2018年現在の日本の法律の場合、一定額以内の年収の場合は社会保険の配偶者控除が認められ、税金などが控除される制度があります。
その一定額の基準ですが、「正社員が501人以下の職場」「毎月10万8334円以下の収入」「週20時間以下の所定労働」などの条件を満たしている場合、年150万未満の収入までなら配偶者控除が適用される対象です。
その他にもいくつか条件があり、それらを満たしてしまうと、年収105万・130万を超えたときに扶養から外れ、社会保険に加入しなくてはならなくなってしまいますので、年末などは注意が必要です。
そうは言っても、パート職員の場合は150万以上の年収を稼ぎ扶養から外れてしまうということはあまり多くありません。
年末になればこの年収を加味して出勤を調整してくれるという雇用先も多くあり、扶養内で働くことが出来る(給与が天引きなどされず全て手取りとして扱える)というのも、パートの大きなメリットの一つとして考えられています。
パートで働く保育士の『2つのデメリット』
ただ、パート保育士にメリットしかないというわけではありません。どんなメリットも、見方や環境によってはデメリットとなってしまいます。
そのデメリットについてもあらかじめ把握ができていれば対策を講じることもできますので、しっかり確認をしておきましょう。
【デメリット1】稼げる金額に限界がある
パート保育士のメリットに「扶養内で働ける」とありましたが、逆に「扶養を超える額で働くと損になってしまう」というデメリットがあります。
150万円を少しでも超えてしまうと社会保険の加入が義務付けられ、手取りとしては130万の稼ぎのときよりマイナスになってしまうということも少なくありません。
しかし、基本的に「そこまで稼げるほどパート保育士に渡せる業務が無い」というのが現状ですし、その場合は勤務量などを加味して正社員を目指した方がメリットが大きいと言えます。
パート保育士である限り、月収10万オーバーの大きな額を稼ぐのは難しいと考えておいた方がいいでしょう。
【デメリット2】パートでも責任は正社員と同じ
保護者からすれば、子供を預けている以上はそこに立ち会う大人に対し「正社員」「パート」という区別で求める責任に差をつけるというのはなかなか難しい問題です。
怪我や事故があった場合、総合的な責任を持つのはもちろん園ですが、再発防止のため個人レベルで原因などを考える場合もありますし、正社員もパートも「子供を預かる」という職務の性質上、その際は同等の責任をもって事態にあたらなければいけません。
この責務が「重い」と感じてしまう人の場合、パート保育士とは言えメンタルに負担がかかり辛い職務になってしまう可能性があります。
「保護者から子供を預かる」という職務である以上、事故や怪我の責任の所在は自分にもあるという自覚が求められますので、就労の際はその点についても事前に考えておけるようにしましょう。
パートで働く保育士に起きやすい『3つのトラブル』
園によっては、パート保育士にも関わらず大きな職務を与え、低賃金で負担の大きい仕事を任せてしまうというケースがあります。
能力を買われるのはいいですが、賃金や労働時間、当初想定した以上の業務の負担と言うのは、雇用契約間でトラブルが発生しやすく、園の運営や園児・保護者にも影響を与えてしまう場合があります。
では、パート保育士に関連してはどのようなトラブルが多いのでしょうか。
【トラブル1】パート保育士がクラス担任になる
園児と年齢と数によってクラスを分けているという園がほとんどですが、そのクラス担任について「一人で持つ」のか「複数人で持つ」のかは園の方針によって異なる部分となってきます。
正社員の保育士が一人担任としてつき、その補助としてパート保育士がつく形態は多いですが、「複数人で担任を持つ」という制度の場合、パート保育士でも「担任」として扱われるのです。
その場合、特に正社員の担任が休みの場合はほぼ同等の責任や負担がパート保育士に振り分けられますし、業務時間も自然に増えてしまいます。
このような形態でクラスが振られてしまうと、トラブルの原因にもなりやすいとされています。
【トラブル2】保育補助で全クラスを回される
向き不向きがあるとはいえ、ある程度慣れれば仕事とはこなせるようになっていくものです。
逆に言えば、慣れないうちに次々と新しい仕事を振られたり別の仕事へ振られたりしてしまうと、負担を減らす努力の余地が無いまま毎日を過ごすことになってしまいます。
保育補助で入る場合、それらを加味して一人のパートが数個のクラスの補助を担当する制度を立て、園児や年齢ごとの業務に慣れてもらうというのが理想のシステムです。
パート保育士の場合、勤務時間も短く保育のための学びも少ないため、不慣れな年齢やクラスではどうしてもミスが起きてしまうケースがありますし、その結果トラブルに繋がってしまうということもあります。
【トラブル3】遅番や早番を頼まれたりする
雇用時の募集条件や契約にもよりますが、家庭の事情でパート保育士を行っている人の場合、早番・遅番に積極的に出られるという人はあまり多くなく、シフトの希望にもキャンセルで出す人は多く居ます。
ただ、どうしても人がいない、他に出られる人がいないというような理由で出勤を頼まれるということがあり、これが一度や二度でないという場合は、契約間でのトラブルになりかねません。
自分の出した希望とは全く異なる内容でシフトが組まれるというのは、保育士に関わらずパート勤務の方にありがちなトラブルとなっていますので、雇用時にしっかりと確認を行うようにしましょう。
パート保育士の働きやすい職場の特徴
以上を踏まえて考えると、自然と「パートが働きやすい職場」というのが見えてくるかと思います。
まず、希望の勤務時間と勤務日数を踏まえた上で扶養から外れない程度の時給設定、または扶養から外れてしまう場合は社会保険額を支払っても希望の手取りを貰えるような時給や勤務日数を加味してくれる園というのが挙げられます。
次に、過度に負担となる業務を任せない職場です。
過度に負担となる業務を任せない職場
本人の意欲にもよりますが、やはり賃金を加味したうえでの業務設定を日頃行ってくれる園と言うのは、いざ人手不足が発生したときにもパート自ら業務を志願しやすい園と言えるのではないでしょうか。
事故や怪我など、トラブルが発生したときの責任の所在についても、パート保育士が負うしかないという状況を避けてくれるというのも「働きやすい」と言える環境になっているかと思います。
自分がどのような園、時給、勤務量、勤務内容なら「働きやすい」と言えるのか、優先順位などをきちんと決めた上で、その条件が揃っているか、融通がきくかどうかを判断しながらパート求人に応募するのをお勧めします。
希望条件にぴったり職場を紹介してもらえる転職エージェント
まとめ
正社員には正社員の、パート保育士にはパート保育士のメリットとデメリットがそれぞれ存在しています。
「年収150万以上稼ぎたい」「福利厚生・賞与などの条件を揃えたい」という勤務希望であれば正社員としての勤務が推奨されますが、その分の責任や負担が大きいほか、勤務時間も長く場合によっては残業も多く頼まれてしまう可能性があります。
「長時間勤務が出来ない、残業も受けられない」「扶養から外れたくない」という場合、パート保育士としての勤務が望ましいです。
一日4時間程度からの勤務を求められる場合が多く、出勤もシフト希望制を採用している園が多くありますので、家庭と仕事との両立に悩む方などはこのような園を積極的に探してみるのはいかがでしょうか。