保育士は残業と未払いが多い!残業を減らすための方法を解説!
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保育士の人員不足は社会問題となっており、その原因にはさまざまなことが考えられます。
保育士が転職を考える時の理由の一つには残業の多さが挙げられていますが、どうにかすることはできないのでしょうか。保育士の仕事の実態について迫ります。
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保育士は残業が当たり前?残業の実態
保育士不足が社会問題化したこともあり、現場ではさまざまな待遇改善が行われています。しかし、なかなかうまくは進んでいないというのが現状のようです。その原因は、保育の仕事の特徴にあるといって良いでしょう。
保育は子どもの面倒を見るのが基本ですが、その他にも山のような仕事があります。その代表的なものは、行事の制作物や壁面の飾り物、また、おたよりや保育経過記録といった書類作成などでしょう。
時間的にみても、子どもを受け入れるのが早朝、そして延長保育が夜まで続くといった具合です。
そのため、その他の仕事は子どもを送り出してからでないと取り掛かることができないというわけです。
小学校や行政に提出する書類を作成しなければならず、もちろん、通常のおたよりや保育経過記録などの作成もこなさなければなりません。
それから、運動会やクリスマス会、お遊戯会や発表会などは年中行事の中でもかなり大規模に実施されるので、当日やその準備期間中の保育士の負担は非常に大きくなります。
それぞれの計画書やスケジュールの詳細を作成しなければなりませんし、衣装や小道具のほとんどが保育士の手作りです。次いで大きな行事は毎月のお誕生日会などでしょう。行事が重なると本当に大変になってしまうので、計画的な準備をする必要があります。
保育士は持ち帰り残業がある
保育士の過酷な労働でよく取り上げられるのが持ち帰り残業です。前述したように通常の勤務時間は子どもから目が離せないので、その他の仕事は園に残ってこなすか持ち帰るしかなくなります。
しかし、園に残っていつまでも電気がついたままだと、保護者や近隣の住人から苦情がくることも珍しくありません。その理由は、そんなに遅くまで残業をしていたら子どもの安全が確保されない、電気代は税金から出ている、といったもので、保育士のためではないようです。
園にとっては、苦情も来ない、残業代も支払わなくて済むとメリットが多いのが持ち帰り残業なのです。そのため、1~2時間残業をして後は持ち帰り残業というパターンが多いのだといいます。
持ち帰り残業する方の割合と仕事内容
毎日持ち帰り残業をしている保育士は全体の30%となり、週に1回となると80%にものぼるという結果もあるくらいです。持ち帰り残業がまったくないというのは5%程度しかないのです。
そして、持ち帰った仕事をこなすのにかかる時間は、2時間程度という人は全体の60%にものぼり、時には3時間以上に及ぶこともあります。
持ち帰る仕事内容は、月末の報告書や行事で使う衣装や製作物などが多く、通常の業務でこなせない仕事を持ち帰って何とか終わらせるという実態が浮き彫りになっています。
とはいえ、最近保育士の人員不足がクローズアップされたこともあって、持ち帰り残業を禁止としている事業所も少しずつではありますが増えてきています。
保育士は残業代なしのサービス残業が多い
このように大変多くの残業をしなければならないのが保育士なわけですが、時間外手当がきちんと支給されるところは多くはありません。
2017年に厚生労働省が調査した際にでた保育士の平均残業時間は1カ月約4時間という結果でしたが、これは1日にすればわずか12分にすぎません。調査に反映されない残業が大半を占めているということがわかります。
事業所側も、残業代を支払わないおかげで経営が潤っているというわけではないようです。事業所の収入の内訳は、保育料の他、国や自治体からの補助金で成り立っています。
その金額は決して高いということはできないようで、ここから保育士全員の長時間の残業代を支払うのは厳しい状況にあるといって良いようです。
保育士に残業が多い原因
残業が多くなってしまう原因はいくつか考えられます。まず、保育の仕事が子ども相手であるということです。子どもが相手だと予想外なことが起きやすく、思い通りに業務が進むことは難しくなります。
自宅で我が子1人を見ている状況でさえ、普段できていることができなくなることは日常茶飯事なはずです。それが、最小限の保育士でたくさんの子どもたちをみなければならないのです。
結果、業務はどんどんたまっていき、結局、子どもを見送った後でまとめてこなさなければならなくなるというわけです。
また、女性がほとんどという職場であることから、先輩よりも先に出勤する、先に帰りづらいなどの事業所も非常に多いです。すべての園がそうではありませんが、こういった原因が考えられます。
保育士の仕事を少しでも減らすコツ
保育士を取り巻く残業実態は以上となります。少しでも仕事を減らせればというのが心情ですが、どのような工夫ができるでしょうか。
衣装であれば、前に使用したものをもとにアレンジすれば作業量は少なくなるでしょう。また、ミシンを使わなくても製作できる方法はありますし、お母さんたちに協力してもらうというのも一つの方法です。
教室内の普段の装飾も季節ごとにチェンジするのが一般的ですが、上手に使いまわししていけば作業量は少なくすることができます。
作業を効率よく進めていくためには、保育士同士で協力していくことが必要です。余裕があるなら、一人が子どもを見ている間に一人は保育記録をつけたりと書類の作成業務を進めることができます。
残業なしの保育園へ転職してしまう
しかし、残業が減るようにといくら工夫しようとも限界ということもあるでしょう。そのような時には、上司にかけあったり、ユニオンや労働基準監督署のお世話になるという方法もあります。
残業記録やその内容、なぜ残業しなければならなくなったのか、といった日々の記録を見せると、そこで何か打開策が出てくるかもしれません。また、ユニオンや労働基準監督署に連絡することも考えた方が良い場合もあります。
ユニオンとは、労働者が相談すると事業所に残業代を支払うように交渉するなどしてくれる機関です。強い権限はないものの、相談してみると良い案が出てくることも考えられます。
全国の介護や保育、障がい者福祉の業界で働く人から、働き方について相談を受け、相談者の問題解決のサポートを行っています。労働基準監督署などの行政機関の利用サポートや、会社との話し合い(団体交渉)などを行い、問題の解決に取り組んでいます。
ユニオンや労働基準監督署に相談してもそうスムーズに事が運ぶ可能性は残念ながら高くないといえます。もしもどうにもならなかったら、思い切って転職を考えてみてはいかがでしょうか。
そのまま残業続きの職場で働き続けていても、心身ともに疲弊してしまうだけです。転職の際には転職サイトに登録するのもおすすめです。サイトの検索機能を使って、「残業なし」で抽出すると残業のない職場がヒットします。
ただし、本当に残業がないのかについてはもっと突き詰めていかないとわかるものではありません。そのような場合は、転職サイトの担当者に聞くと、内部の詳細な事情がつかめることもよくあります。
残業なしの保育園の『3つの選び方』
残業なしの保育園は、行事が少ない、保育士の割合が多い保育園といえます。ネットで事業所の規模や行事の行われ方などを調べることができるので参考にすると良いでしょう。
【方法1】行事が少ない「小規模保育園」
前述したように、保育士の残業が多くなる原因の一つは行事の準備にあります。そのため、行事が少ない保育園であれば必然的に残業は少なくなるはずです。そして、行事が少ないというと、小規模な保育園となります。
園の紹介に行事が少ないとうたっていればそうですし、もともと定員数が少ないところであれば、一つの行事の規模も小さいので作業量も少なくなります。
また、認可外の保育園などでスペースがあまり確保されていないようなところだと、行事も少な目と想像することができるでしょう。
保育士不足の問題から、行事を減らす努力をしている事業所も多いので、最新の情報を入手してみるのは必要なことです。
【方法2】保育士の割合が多い保育園
子どもの数に対して保育士の人数が多い保育園も残業は少なくなる傾向にあります。人数が確保されていれば仕事は分担しやすくなりますし、複数の目で子どもを見ることができるので負担はぐっと少なくなることでしょう。
見る人数が少ないのですから、保育経過記録をつける量も少なくなり、行事で使う衣装の数も少なくなります。
事業所の規模が大きくても、事務作業先任者や制作物を作る専門者が配置されているところもあるので、募集要項を注意深く見てみると良いでしょう。
【方法3】院内保育所もしくは企業内保育所
しかし、明らかに残業が少ないといえる職場もあります。それが、院内保育所もしくは企業内保育所です。
医療機関内に設けられた医師や看護師の子どもを預かる保育所や企業で働くママさんのために設けられた保育所であれば、園庭や講堂などがあったとしてもあまり広くないので行事の規模も小さく数自体も少なくなります。
このようなところだと、時間通りに退社できるケースが多いといえるようです。
人気の求人は見つけたら早めに応募するのがおすすめ
しかし、問題なのはこのような残業が少なめな求人には応募者が殺到するということです。
資格を持っていながら保育士として働いていない保育士は非常に多いといわれていますが、その多くは子どもが好きで子どもと関わる仕事がしたいと思って資格を取得しています。
また、勤めてみたもののあまりの過酷な勤務状況に続けられないと判断して退職した保育士もたくさんいます。そのような人が再び保育士として働きたいと思った場合、やはり残業が少ない職場を第一候補に考えるのは当然のことといえるでしょう。
そのため、このような求人を見つけたら、すぐに応募することが重要です。日頃からすぐ応募できるように準備しておきましょう。
まとめ
保育士の人員不足は大きな社会問題となっていますが、その背景には賃金が高くないにもかかわらず業務量が非常に多いという実態があります。
業務量が多いので既定の時間で帰れることはほとんどなく、残業や自宅に持ち帰っての仕事が常態化しているのです。
事業所も人手不足を解消しようとさまざまな取り組みをしていますが、改善されないようであれば転職するのも一つの方法でしょう。残業が少な目な求人は人気があるので、見つけたら早めに応募するのがコツです。