「保育士を辞めるなら有給は必ず使え!」有給消化するための4つのSTEP
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保育士の仕事は非常にハードなもので、有給休暇も取得できないので辛くて辞めたいと思う保育士も少なくありません。
保育士を辞める時には、しっかりと残っている有給休暇を消化するのが望ましいでしょう。ここでは保育士が保育園を辞める時に必ず取るべき有給休暇についてまとめています。
有給休暇とはどんなもので、実際はどれくらい取得できるのかも紹介しているので、辞める時にはその流れとともに知って確実に有給消化するようにしましょう。
そもそも有給休暇とは?もらえる条件について
有給休暇とは、一定の条件を満たした勤務状態にある人に、自由に休める休日を与えるというものです。有給休暇はその名の通り、休暇を取っても給料が有るというもので、休んでも給料は変わりません。
有給休暇がもらえる条件としては以下の通りです。
- 所定労働日数の8割以上
- 同じ会社で6ヶ月以上継続して勤務する
与えられる有給休暇の日数は勤続年数と所定労働日数によって異なり、1日から20日まであります。
週30時間以上 | 10日から20日 |
---|---|
週30時間未満5日以上・年217日以上 | 10日から20日 |
週30時間未満4日・年169日~216日 | 7日から15日 |
週30時間未満3日・年121日~168日 | 5日から11日 |
週30時間未満2日・年73日~120日 | 3日から7日 |
週30時間未満1日・年48日~72日 | 1日から3日 |
保育士の有給休暇の取得事情
2日以内 | 2.6% |
---|---|
3日~6日 | 23.9% |
7日~9日 | 27.2% |
10日~15日 | 30.7% |
16日~20日 | 9.6% |
21日以上 | 1.9% |
2016年の保育士の実態調査報告書によると、保育士の有給休暇の取得状況については、上記の通りです。
もちろん有給休暇の日数は勤続年数によっても異なるので一概は言えませんが、統計をみると10日以上取得できている方は40.%以上に上ります。そのため、それなりに有給休暇は取得できているとも言えます。
有給休暇を取得できているんだ!
ただ、保育士は慢性的な人手不足と言われており、実情はなかなか十分に有給休暇が取得できない状況にあるようです。
取りづらいが保育士を辞めるときに有給消化は可能
保育士はなかなか有給休暇が取りづらいといわれています。実際に有給消化をしようと思っても、人手不足が顕著な保育園では、よほどの理由がない限り有給休暇を請求しづらい空気があることも関係しているでしょう。
本来認められている権利ではあるものの、なかなか有給休暇は取りづらい現状で、それが原因で転職を考える保育士もいます。もし、転職を考えているのであれば、辞めるときに有給消化をするという方法もあるでしょう。
辞めるのに有給消化なんて無理と思うかもしれませんが、実際はそのタイミングで取ることは可能です。
そのときにまとめて有給消化すれば、その日数分はしっかりと給料はもらえます。園側でも認めざるをえませんから、それについては問題ありません。
【補足】パート・契約社員の保育士も有給取れる
20代後半から30代の保育士だと、結婚して出産・育児があるため、どうしてもフル勤務は難しい人もいます。
そのためパートやアルバイト、もしくは契約社員の人もいるでしょう。有給休暇はなんとなく正社員しか取れないものと思っている人もいます。ですが、有給休暇はパートや契約社員の保育士でも取れるのです。
例えば週の労働時間が30時間未満でも週に3日、年間121日以上勤務していれば、最低6ヶ月以上勤務していれば5日、6年6ヶ月以上勤務していれば11日まで取ることができます。
有給消化して保育士を辞めるための『4つのSTEP』
保育士を辞める場合には、残っている有給休暇をしっかり消化して辞めるのがベストです。そのための流れは以下の通りです。
【STEP1】有給の残りと規則の確認
退職して有給消化することを決めたなら、まずすべきことは有給休暇がどれくらい残っているのかの確認です。一番手っ取り早いのが保育園に直接確認することですが、給与明細で確認することもできます。
そして会社には就業規則がありますから、それも確認してみましょう。就業規則でチェックすべき点としては、まずは有給休暇がいつ付与されるのか、そのタイミングです。
付与されるタイミングによって有給休暇を取れる日数が変わることがあります。そして退職願は退職の何日前までに伝えるべきなのかもチェックしましょう。
そして就業規則をしっかり確認しておくことで、退職願を提出した時に保育園からの言い分にもしっかりと対応できるようになるでしょう。
【STEP2】退職日を決めて申請書を用意
自分が取得できる有給休暇の日数がわかったら、退職日を決めて退職願と有給休暇申請書を準備しましょう。有給休暇を消化して退職する場合には、その退職日は有給休暇が始まる前日ではありません。
最終出勤日の翌日から有給休暇を取得するなら、その有給休暇がすべて消化し終わる日が退職日となります。ですので、STEP1でわかった有給休暇の日数から算出して、最終出勤日と退職日を決定しましょう。
退職願と有給休暇申請書は保育園側でも準備できますし、インターネットなどから書類をダウンロードすることも可能です。
【STEP3】退職の意思を伝える
書類もすべて準備できたら、いよいよ退職の意思を保育園側に伝えることになります。保育士不足の保育園は非常に多いですから、たいていは引き止められることでしょう。
特に有給休暇をすべて消化して辞めるとなると、そこでもトラブルになることもあります。退職することで保育園側に迷惑はかかることでしょうが、退職する意思を固めたのなら引き留めに屈することなく伝えましょう。
できればICレコーダーなどで会話を録音しておくと、トラブルになった時にも証拠になるはずです。
【STEP4】きちんと給料が振り込まれているか確認
退職も有給消化も認められたらそれで終わりではありません。最後はきちんと給料が振り込まれているか確認しましょう。
たいていはしっかりと有給消化分も給料が振り込まれているでしょうが、中には有給休暇の分が含まれていない場合もあるからです。
そこでしっかり給料が振り込まれていれば、それでようやく有給消化の上の退職が完了します。
振り込まれていない場合はどうしたらいいかな?
もし振り込まれていないようなときには、一度保育園側に確認を入れ、それでも対処してくれない場合には労働基準監督署に行きましょう。
保育士が有給休暇を取得しやすい『4つのタイミング』
体調不良の時ややむを得ず休まざるを得ない場合は、いつでも有給休暇を取るでしょうが、それ以外はなかなか取得しづらいものです。
有給休暇を取得するタイミングによっては、保育園や同僚保育士、園児・保護者に多大な迷惑をかけてしまうこともあります。
迷惑がかかることがわかりきっている時に有給休暇を申請すれば、顰蹙を買うこともありますし、そもそも認められないことも多いでしょう。逆にそういったタイミングを外すことで有給休暇も取得しやすくなります。
主に保育士が有給休暇を取得しやすいタイミングとしては、以下の4つのタイミングがあります。
- お盆や正月の長期休暇
- 運動会やお遊戯会などのイベントの後
- 風邪が流行る冬以外
- 年度末・年度始め以外
有給消化をさせてくれない保育園への対応方法
有給休暇は労働者が取得できる権利ではありますが、実際に申請しても有給消化をさせてくれない保育園もあります。
もちろん保育士としては、保育園やほかの保育士に迷惑をかけないタイミングを見計らって申請するのが理想ですが、それでも認めてくれない保育園もあります。
実際に保育園側では時季変更権といって、申請された時期をずらせるという権利があります。それを行使して有給消化させない保育園もあります。また就業規則を持ち出して、有給消化させてくれない保育園もあるようです。
そんな時には労働基準監督署に相談してみましょう。もしくは、その前に労働基準監督署に行くという旨を話せばそれだけで有給消化を認めてくれる場合もあります。有給休暇は当然の権利ですから、遠慮することなく毅然とした態度で取りましょう。
まとめ
このように、有給休暇は労働者が持つ正しい権利であって、しっかりと取得できるものです。特に退職するという場合には、その前に残っている有給休暇を消化しておくのが望ましいです。
それだけでしっかりと給料が得られるのですから。ただ、現実には保育園側からいろいろと咎められ、引き止められて有給消化ができないまま退職したり、退職すらできない場合もあります。
そうならないために、しっかりと有給消化するためのポイントを押さえて確実に取得しましょう。