『肢体不自由児通園施設』は保育士も働く施設!内容&給料・ボーナス
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肢体不自由児通園施設をご存知でしょうか。この施設でも保育士さんが働いています。現在、肢体不自由児通園施設は「医療型児童発達支援センター」という名になっています。
類似した名の施設には「肢体不自由児施設」「肢体不自由児療護施設」というものがあります。それらの違いを知ると、施設保育士の職場全般についても把握しやすいので解説したいと思います。
今回は肢体不自由児通園施設について、そこで働く保育士さんの仕事内容、求人状況などについてお話しします。
肢体不自由児通園施設とは?
肢体不自由児通園施設とは、身体に機能的な障害のある子どもたちを保護者のもとから通わせて、生活訓練、治療等を提供する施設です。
対象年齢は6歳までの未就学児になります。まずポイントになるのがこの施設が「通所」を目的としていることです。あとで詳しく説明しますが、肢体不自由児のための支援施設には「入所施設」も設置されています。
冒頭で触れたように肢体不自由児通園施設は「医療型児童発達支援センター」と呼ばれるようになりました。次にその背景について説明したいと思います。
児童福祉法改正により障害児施設の一元化
平成24年児童福祉法改正により、従来、障害の種類別でわかれていた施設が一元化され、名称や施設の枠組みに変化がありました。
これまで障害児施設は以下の表のように13施設に分かれていました。それをまず「通所サービスか、入所サービスか」という利用形態で分けることになりました。
表の右の5施設は通所サービスで、そのほかは入所サービスを提供する施設になります。
入所:医療型障害児入所施設 | 入所:福祉型障害児入所施設 | 通所 |
---|---|---|
肢体不自由児施設 | 肢体不自由児療護施設 | 肢体不自由児通園施設(医) |
第一種自閉症児施設 | 知的障害児施設 | 知的障害児通園施設 |
重症心身障害児施設 | 盲児施設 | 重症心身障碍児通園事業 |
– | ろうあ児施設 | 難聴幼児通園施設 |
– | 第二種自閉症児施設 | 児童デイサービス |
入所サービスの施設はさらに、医療を行う入所施設である「医療型(表左)」と、医療を必要としない「福祉型(表まんなか)」に分類されます。
肢体不自由児通園施設は「医療型児童発達支援センター」に
かつて障害によって分けていた5つの通所施設のサービスを、「障害児通所支援」と一元化され、サービス内容によって以下の4つに分けられるようになりました(参照:厚生労働省「障害児が利用可能な支援の体系」)。
通所サービス名 | 内容 |
---|---|
児童発達支援 | 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの支援を行う。 |
医療型児童発達支援 | 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、 集団生活への適応訓練などの支援及び治療を行う。 |
放課後等デイサービス | 授業の終了後又は休校日に、児童発達支援センター等の施設に通わせ、生活能力向上のための必要な訓練、社会との交流促進などの支援を行う |
保育所等訪問支援 | 保育所等を訪問し、障害児に対して、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援などを行う。 |
これを見れば分かるように障害ごとのサービス内容に分けられていません。
肢体不自由児通園施設では「医療型児童発達支援」というサービスを行います。児童デイサービスでは「児童発達支援および放課後等デイサービス」、知的障害児通園施設や難聴幼児通園施設では「児童発達支援」というサービスを行います。
そのほか、入所施設の場合と同じく、通所施設のタイプは「医療型」と「福祉型」に大別できます。
表に「肢体不自由児通園施設(医)」とあるように肢体不自由児通園施設は「医療型児童発達支援センター」という施設形態になりますので、福祉的なサービスのほかに治療も行います。
「児童発達支援センター」と「児童発達支援事業所」の違い
通所施設は「児童発達支援」「医療型児童発達支援」「放課後等デイサービス」「保育所等訪問支援」のいずれかのサービスを行う施設であると改正されましたが、それらの支援は「児童発達支援センター(医療型・福祉型)」と「児童発達支援事業所」で行われています。
先述の通り、旧「肢体不自由児通園施設」は「医療型児童発達支援センター」と改正されました。ではもう一方の「児童発達支援事業所」とは何なのか。センターとの違いは何かについてここで説明しておきます。
「児童発達支援センター」とは児童福祉法で定義されている児童福祉施設のことです。それ以外の類型として「医療型児童発達支援センター」が設置されています。
そのどちらも、通所を利用する障害児やその家族を支援するのが目的です。ただし、センターの方はその利用者だけでなく、地域の障害児やその家族への相談や、学校など障害児を預かる施設への援助・助言も行います。
つまり、「児童発達支援センター」は地域の中核に位置する施設のことをいいます。一方、「児童発達支援事業所」はあくまでもその施設へ通所する利用者やその家族への支援を行う施設とされています。
肢体不自由児通園施設ではどんな職員が働いているの?
肢体不自由児通園施設は医療型の施設であるので、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、医師、心理判定員などから、福祉・保育・教育面を担当する保育士、児童指導員といった様々な職業の方が働いています。
施設のサービスは、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、治療などです。
子どもに応じた療育プログラムを作成し、施設への通園によってやがて地域の学校や保育園に通えるように療育します。その一環として、定期的な受診、リハビリ訓練なども行います。
肢体不自由児通園施設での保育士の仕事内容
時間 | 内容 |
---|---|
午前中 | 登園 |
朝の会、健康チェック | |
集団保育(体操、リズム遊び、音楽療法など) | |
昼食 | |
午後 | 終わりの会 |
個別保育・相談会 | |
降園 |
通園ときくと、保育園や学校のように平日週5日と思いがちですが、通園する日は利用者が決め、通園日は前もって登録するような形になっています。子どもの状態や療育段階に応じた柔軟な支援体制の施設です。
午後に相談会とあるように、保護者へのサポートもサービスのひとつです。家庭での訓練方法・指導、子どもとの関わり方などの相談をきくのも大事な支援です。
保育士の仕事も、それぞれの子ども、保護者に対して適切なサポートができる力が求められるでしょう。
求人例から見る肢体不自由児通園施設での保育士の給料・ボーナス
ある肢体不自由児通園施設での求人例をご紹介します(福利厚生など詳細な内容は省略しています)。
- 給与:月給22円~26万円
- 勤務時間:9時30分~18時30分
福祉型・医療型あわせて児童発達センターについては人口規模の小さな市町村でも最低1カ所設置、大きな市町村だと1カ所以上、児童発達支援事業所であれば市町村の範囲に複数設置というのが方針になっています。
そのため肢体不自由児通園施設に限定せずに障害児通所という枠で求人を探すとたくさんあるのが分かります。
正職員・正社員だけでなく、契約社員や非常勤の求人も多いので、自分に合った働き方で探すことも可能です。
肢体不自由児通園施設で働くメリット・デメリットは?
求人内容という点でいえば、肢体不自由児通園施設は比較的働きやすい条件だといえるかもしれません。というのも、同じ施設保育士でも入所施設では夜勤があるのも通常だからです。肢体不自由児通園施設は通所なので日勤で働くことができます。
大変な点としては肢体不自由な子どもたちへの保育なので、指導や関わり方に十分配慮する必要がありますし、保護者との関係構築も大事な仕事のひとつです。
それを仕事のやりがいだと思える方ならこの施設についてより深く調べてみるのもいいでしょう。
まとめ
今回は肢体不自由児通園施設について、そこで働く保育士さんの仕事内容、求人状況などについてお話ししました。
肢体不自由児通園施設とは、身体に機能的な障害のある子どもたちを保護者のもとから通わせて、生活訓練、治療等を提供する施設です。対象年齢は6歳までの未就学児になります。
平成24年児童福祉法改正により、従来、障害の種類別でわかれていた施設が一元化され、名称や施設の枠組みに変化がありました。
肢体不自由児通園施設は「医療型児童発達支援センター」という施設形態になりました。「医療型児童発達支援」というサービスを行います。
そのどちらも、通所を利用する障害児やその家族を支援するのが目的です。ただし、センターの方はその利用者だけでなく、地域の障害児やその家族への相談や、学校など障害児を預かる施設への援助・助言も行います。
つまり、「児童発達支援センター」は地域の中核に位置する施設のことをいいます。一方、「児童発達支援事業所」はあくまでもその施設へ通所する利用者やその家族への支援を行う施設とされています。
肢体不自由児通園施設は医療型の施設であるので、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、医師、心理判定員などから、福祉・保育・教育面を担当する保育士、児童指導員といった様々な職業の方が働いています。
通園ときくと、保育園や学校のように平日週5日と思いがちですが、通園する日は利用者が決め、通園日は前もって登録するような形になっています。子どもの状態や療育段階に応じた柔軟な支援体制の施設です。
肢体不自由児通園施設の求人に関してはどうなっているの?
求人に関しては肢体不自由児通園施設に限定せずに障害児通所という枠で求人を探すとたくさんあるのが分かります。
肢体不自由児通園施設で働くメリットとしては通所なので日勤で働くことができるという点です。
大変なところとしては肢体不自由な子どもたちへの保育なので、指導や関わり方に十分配慮する必要がありますし、保護者との関係構築も大事な仕事のひとつです。
それを仕事のやりがいだと思える方ならこの施設についてより深く調べてみるのもいいでしょう。