『肢体不自由児施設』は保育士も働く施設!仕事内容&給料・ボーナス
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肢体不自由児施設とは、身体に機能的な障害のある子どもたちが治療・訓練を行うために入所する施設のことです。
肢体不自由児施設は現在、「障害児入所施設」と呼ぶ方が一般的です。これについても本文では詳しく解説したいと思います。
この施設では医師や看護師、理学療法士、児童指導員のほか、保育士も就業しています。保育士さんにとって肢体不自由児施設は保育園以外の職場のひとつです。
この記事では肢体不自由児施設(医療型障害児入所施設)について解説し、保育士の求人状況もあわせてご紹介します。
肢体不自由児施設とは?
肢体不自由児施設とは、身体に機能的な障害のある子どもたちが治療・訓練を行うために入所する施設のことです。
事故、病気、生まれつきといった様々な理由によって上肢・下肢などの運動が不自由である子どもたちが対象となります。子どもの年齢は18歳未満の児童です。
この施設は入所サービスであり、通所の場合には「肢体不自由児通園施設」によって障害児通所支援のサービスを行っています。
肢体不自由児施設は「医療型障害児入所施設」
そもそも、障害児支援を行う入所施設には以下のようなタイプのものがあります。
- 知的障害児施設
- 第一種自閉症児施設(医)
- 第二種自閉症児施設
- 盲児施設
- ろうあ児施設
- 肢体不自由児施設(医)
- 肢体不自由児療護施設
- 重症心身障害児施設(医)
このように障害の種類によって分かれていたものが一元化され、これらの施設すべてが「障害児入所施設」となりました。
例えば肢体不自由児施設では身体に機能的な障害がある子どもたちが対象になりますが、その障害とともに知的障害をあわせて持つ子どももいます。
そのほか、施設の種類によっては全国的に数が少ない一方で、それを必要とする子供が増加しているなどの問題があります。
そうした施設の実態を考慮して総合されるかたちとして改正されました。そのため各施設は従来の専門的な支援だけではなく、複数の障害に対応できる支援提供が求められるようになりました。
障害児入所施設は「医療型」と「福祉型」に分かれる
この障害児入所施設は医療型と福祉型に分かれます。
- 福祉型障害児入所施設:子どもたちに対して日常生活の指導、知識技能の付与を行う
- 医療型障害児入所施設:福祉型支援にあわせて医療を行う
福祉型障害児入所施設にあたるのは以下の施設です。
- 知的障害児施設
- 第二種自閉症児施設
- 盲児施設
- ろうあ児施設
- 肢体不自由児療護施設
医療型障害児入所施設については以下の施設です。
- 肢体不自由児施設(医)
- 第一種自閉症児施設(医)
- 重症心身障害児施設(医)
つまり、この記事での本題となる肢体不自由児施設は現在、「医療型障害児入所施設」というタイプとなります。
うーん。色々種類があって分かりづらいなぁ。
障害をもつ子どもたちをサポートする施設は多種多様でややこしくありますが、「入所か通所か」「入所なら、医療型か福祉型か」という風に分類していけば少し分かりやすくなります。
「肢体不自由児施設」と「肢体不自由児療護施設」の違い
「肢体不自由児施設」とよく似た名前のものに「肢体不自由児療護施設」というものがあります。
うえの説明でいえば「肢体不自由児療護施設」は現在、福祉型障害児入所施設と呼ばれており、子どもたちに対して日常生活の指導、知識技能の付与を行うのがメインの施設です。
「肢体不自由児療護施設」に入所する子どもたちも肢体不自由児ではありますが、「肢体不自由児施設」で行うような医療は必要としていません。
入所理由としては「虐待(疑いあり)」や「保護者の養育力不足」が多いようです。
肢体不自由児施設ではどんな職員が働いているの?
障害児入所施設には保育士のほか、様々な職業の方が働いています。児童指導員、医師、看護師、児童発達支援管理責任者、理学療法士や作業療法士などです。
医療型であれば治療を医師や看護師があたりますし、日常生活に必要な能力を身につけるための訓練には理学療法士や作業療法士などが担当します。
生活のサポートや生活指導、教育・保育については児童指導員や保育士が行います。
障害児入所施設の施設数は?
独立行政法人福祉医療機構によれば、2017年10月現在、障害児入所施設の数は以下の通りです。
- 福祉型障害児入所施設:263か所
- 医療型障害児入所施設:212か所
全体的に見てもそれほど多くはないので、求人数となればさらに少なくなります。
肢体不自由児施設での保育士の仕事内容
肢体不自由児施設(障害児入所施設)のなかで保育士の仕事は「食事や排せつ、入浴などの介助」「生活指導」「レクリエーション活動などの社会参加活動のサポート」などがメインとなります。
子どもたちは肢体不自由であり、医療を必要として入所しているため、保育の仕方はその子どもひとりひとりによって大きく異なることもあるでしょう。
また、肢体不自由児施設ではありませんが、福祉型障害児入所施設の場合、入所理由として「虐待(疑いあり)」や「保護者の養育力不足」が多いと話ましたが、そのことから身体面だけでなく心の支援も必要としている場合もおり、繊細なコミュニケーションが求められることもあります。
求人例から見る肢体不自由児施設での保育士の給料・ボーナス
ある医療型障害児入所施設での求人例をご紹介します(福利厚生など詳細な内容は省略しています)。
- 給与:月給20万円以上
- 勤務時間:
日勤A 8:30~17:15
日勤B 9:45~18:30
早出A 6:00~14:45
早出B 7:00~15:45
遅出A 11:45~20:30
遅出B 13:15~22:00
夜間勤務 16:00~9:30
(2交代制)
(夜間勤務は配属病棟による) - 休日:
産休・育休制度
育児短時間制度
年次有給休暇【初年度12日付与】
特別休暇 - 昇給・賞与:
昇給年:1回
賞与;年2回4か月分
正社員の場合、月給は20万円以上でも珍しくありませんが、入所施設は24時間なので夜勤ありや早朝出勤などシフト制が多いです。
求人数については少な目で、正社員よりもアルバイト・パートの求人が目立っています。自分の希望する求人が募集されていないか日々細かくチェックしながら探すのがよさそうです。
肢体不自由児施設で働くメリット・デメリットは?
肢体不自由児施設で働くことで保育園とはまた別な保育というものを経験できます。ベテランの保育士さんが経験豊富な力を活かせる場でもありますし、若い保育士さんが保育を学ぶ場にもなるはずです。
大変な点としては肢体不自由児施設では体力が求められることです。例えば車いすの子どもたちの生活をサポートするなど身体に負担がかかる動作も多いです。
また、子どもたちが無理のある身体の使い方をしていないか見守ったり、ケガが起こらないか注意したりと、意識面でも気をゆるめられません。
そういう様々な大変さがやりがいを生むので、肢体不自由児施設で働きたいという強い想いを持っている方向けな職場だと思います。
まとめ
この記事では肢体不自由児施設(障害児入所施設)について解説し、保育士の求人状況もあわせてご紹介しました。肢体不自由児施設とは、身体に機能的な障害のある子どもたちが治療・訓練を行うために入所する施設のことです。
平成24年児童福祉法改正により、従来、障害の種類別でわかれていた分類が一元化され、施設の枠組みや名称等に変化があります。肢体不自由児施設は現在、医療型障害児入所施設と呼ばれています。
肢体不自由児施設(障害児入所施設)のなかで保育士の仕事は「食事や排せつ、入浴などの介助」「生活指導」「レクリエーション活動などの社会参加活動のサポート」などがメインとなります。
求人数については少な目で、正社員よりもアルバイト・パートの求人が目立っています。自分の希望する求人が募集されていないか日々細かくチェックしながら探すのがよさそうです。