保育士試験の難易度は高く『合格率はたった2割』試験対策を万全に!
※当ページには広告が含まれています。
保育士不足が深刻な問題となっていますが、だからといって誰でも保育士の資格を取得できるわけではありません。
保育士の資格を取得するには保育士試験に合格しなければいけませんが、実はその試験の合格率はたった2割程度です。
ただ試験対策を万全にすれば、難易度の高い保育士試験もきっとクリアできるはずです。ここでは保育士試験の難易度の高さの理由と、保育士試験の特徴、そして保育士試験を合格するための対策についてまとめています。
保育士試験の難易度は高く”合格率はたった2割”
保育士の資格を取得するには保育士試験に合格しなければいけません。大切な子どもを預かるわけですから、それ相応の知識と経験が必要で国家資格になっています。そのため保育士試験の難易度は高いです。過去5年間の合格率は以下の通りです。
平成26年 | 19.30% |
---|---|
平成27年 | 22.62% |
平成28年 | 25.78% |
平成29年 | 21.60% |
平成30年 | 19.74% |
慢性的な保育士不足が問題となっているため、保育士試験の難易度も低くなっているのでは?と思うかもしれませんが、それでも合格率はたったの2割です。5人に4人は試験で落ちてしまうというわけです。
昔から合格率が低いの?
10年近く前までは合格率はさらに低く1割強だったことに比べれば合格率は高くなってきていますが、それでも難易度が高いのには違いありません。
保育士試験の合格率が低い理由
保育士試験の合格率は10年前に比べれば高くなってきているとはいえ、それでもまだ20%前後です。保育士試験の合格率が低い理由としては以下のような原因があるようです。
- 筆記試験の範囲が広い
- 9科目それぞれ6割以上正解しなければいけない
- 各科目の難易度がその年によって変わる
- 1科目10問から20問程度なので、1問の重要度が高い
以上のように保育士試験は9科目あり、範囲も非常に広いです。そしてそれぞれの科目をまんべんなく得点しなければいけないので、苦手な科目があって6割以下の得点だと1科目だけでも不合格になってしまいます。
保育士試験の受験資格
保育士になるには保育士試験に合格しなければいけませんが、保育士試験を受けるにも以下のような受験資格があります。
- 一般の大学、短大を卒業
- 大学を中退した場合は2年以上の在籍と62単位以上
- 2年以上の専門学校を卒業
- 平成3年3月31日以前に高校を卒業
- 平成8年3月31日以前に高校の保育科を卒業
- 平成3年4月1日以降の高卒は児童福祉施設で2年以上2,880時間以上の実務経験
- 中卒は児童福祉施設で5年以上7,200時間以上の実務経験
中卒や平成3年4月1日以降の高卒は実務経験が必要ですが、その場合の児童福祉施設とは以下の施設になります。
- 保育所
- 幼保連携型認定こども園
- 児童養護施設
- 児童厚生施設(児童館)
- 助産施設
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 障害児入所施設
- 児童発達支援センター
- 児童心理治療施設
- 児童自立支援施設
- 児童家庭支援センター
《一覧表》保育士試験の受験に必要な書類
保育士試験を受ける場合には証明写真と受験申請書が必要ですが、それ以外に資格や受験歴によって以下のような書類が必要になります。
はじめて保育士試験を受ける人 | 受験資格を証明する書類の原本 |
---|---|
前回受験をした人 | 一部科目合格通知書 |
筆記試験を合格している人 | 筆記試験結果通知書と実技試験受験票 |
幼稚園教諭免許を取得している人 | 幼稚園教諭免許状、保育士試験免除科目専修証明書の原本 |
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格を取得している人 | 受験資格を証明する書類の原本、保育士試験免除科目専修証明書の原本、登録証 |
地域限定試験を受験する人 | 独自地域限定保健師試験 筆記試験受験票 |
保育士試験の全日程と受験の流れ
保育士試験は一次試験の筆記試験と二次試験の実技試験があり、実技試験は筆記試験の合格者のみ受験することができます。
一般的に筆記試験は前期と後期の2回開催され、前期は4月の第3週目、後期は10月の第3週目に行われることが多いです。そして筆記試験は土・日の二日間にわたりおこなわれます。
前期に筆記試験を受けて不合格だった人は、後期の筆記試験も受験できます。実技試験も前期と後期があり、前期は6月の第4週目、後期は12月の第4週目に行われることが多いです。
ちなみに令和2年、2020年の保育士試験の全日程は以下の通りです。
前期筆記試験 | 4月18日(土)・4月19日(日)ただし新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止 |
---|---|
後期筆記試験 | 10月24日(土)・10月25日(日) |
前期実技試験 | 6月28日(日) |
後期実技試験 | 12月13日(日) |
【一次試験】筆記試験
一次試験の筆記試験は9科目、計160問あり、2日間にわたって開催されます。参考までに2020年後期の筆記試験の受験日程と問題数を紹介します。10月24日(土)の1日目は以下の4科目です。
1科目目 | 保育の心理学(全20問) 10:30から11:30 |
---|---|
2科目目 | 保育原理(全20問) 12:00から13:00 |
3科目目 | 子ども家庭福祉(全20問) 14:00から15:00 |
4科目目 | 社会福祉(全20問) 15:30から16:30 |
10月25日(日)の2日目は以下の5科目です。
5科目目 | 教育原理(全10問) 10:00から10:30 |
---|---|
6科目目 | 社会的養護(全10問) 11:00から11:30 |
7科目目 | 子どもの保健(全20問) 12:00から13:00 |
8科目目 | 子どもの食と栄養(全20問) 14:00から15:00 |
9科目目 | 保育実習理論(全20問) 15:30から16:30 |
【二次試験】実技試験
二次試験の筆記試験は、筆記試験の全科目を合格した人のみ受験できます。実技試験は音楽・造形・言語に関する技術の3つの分野の中から2つを選んで受験します。それぞれの主な試験内容は以下の通りです。
音楽に関する技術 | ピアノ・ギター・アコーディオンから楽器を選び、園児に聴かせることを想定して課題曲2曲を弾き歌いする |
---|---|
造形に関する技術 | 45分間で保育の一場面を絵で表現する |
言語に関する技術 | 3分間で3歳児クラスの子どもにお話しするのを想定して、課題の話4つの中から1つを選んで読み聞かせする |
それぞれの分野が50点満点中30点以上で合格となります。筆記試験は合格率が低いですが、実技試験の合格率は8割から9割と難易度は低めになっています。
保育士資格を無事に合格するための『3つの対策』
保育士試験の筆記試験の難易度は前述のようにわずか2割とかなり難易度は高いです。そのため合格するには、以下のようないくつかのポイントがあります。
【対策1】合格科目は次回免除
保育士試験の筆記試験は9科目すべて合格しなければいけないので、そう考えるとかなりハードルが高いと思うかもしれません。
ですが実際は合格した科目は次回に持ち越すことができるので、筆記試験不合格だからといって1から勉強し直しというわけではありません。
仮に9科目のうち5科目は合格したという場合、次回に筆記試験を受ける場合には残りの4科目だけ勉強すればいいというわけです。ただ持ち越しとなるのは3年間ですので、なんとか3年で全科目合格を目指すのも1つの方法です。
もちろん狙うのは一発合格かもしれませんが、かなり範囲が広いですからもし勉強する時間が限られているなら、一発合格は諦めて数科目だけの合格を目指すのもいいでしょう。
【対策2】通信や通学で対策講座を学ぶ
保育士試験は修了した学校によっては実務経験がなくても受験できます。また今は保育士試験に向けた参考書や問題集なども売られていますから、独学でも保育士試験の合格は可能です。
ですが絶対合格したいと思っている人は通信や通学で対策講座を受講して学ぶのも1つの方法です。当然保育士試験に合格するための講座ですから、傾向と対策もわかります。
通学なら一人でひたすら勉強するよりも講師の先生に分からないところを聞きながら勉強したほうが効率はいいでしょう。そして一緒に保育士試験合格を目指す友達もできるでしょうから、モチベーションアップにも繋がります。
また働きながら保育士試験合格を目指すなら、通信講座で時間がある時に効率よく勉強することで合格率がアップする事でしょう。
【対策3】満点を狙わない&独学で勉強する
前述のように筆記試験は合格した科目は3年間の持ち越しできます。もちろん保育士になるのなら、試験に出るような知識はすべて身に付けておくことが望ましいです。ですが実際にはすべての知識が必要になるとも限りません。
大切なのはまずは保育士の資格を取得することで、あとは働きながらでも身に付けられるものです。ですので、まずは合格を目指すのも1つの方法です。とはいっても満点を取れるような勉強をしていては範囲が広すぎて大変です。
結果的に勉強不足でどの科目も合格しない、なんてことも考えられます。そうならないためには、満点を狙わない勉強も必要です。保育士試験は各科目6割以上の正解率で合格ですから、7割から8割の正解率を目指すくらいの勉強をするといいでしょう。
まとめ
このように保育士試験の合格率はわずか2割程度で、難易度が高い試験と言えるでしょう。ただ実際に試験の内容を見ると、合格率が低いのは筆記試験であり実技試験まで行けば合格率は跳ね上がります。
さらに筆記試験も合格した科目は次回は免除になります。そのため試験を受ければ受けるほど試験科目を絞って勉強できるので、1回目よりも2回目といったように回を重ねるたびに合格率は高くなります。
そのためそれを見越して重点的に勉強するのが合格への近道です。