国の企業主導型保育事業の助成金詐欺から見る保育士業界の裏事情

保育所の建設を巡る国の助成金詐欺事件で、参謀役と目されている男の裁判が15日に松山地方裁判所で開かれ、検察は懲役6年を求刑しました。男は無罪を主張しています。
起訴状などによりますと、保育所運営会社の元社員・和田勝海被告(48)は元代表の女らと共謀。2016年8月からおととし2月にかけ、都内に建設した企業主導型保育所の工事費の見積書を水増しして提出し、国の助成金約2億1000万円をだまし取った罪に問われています。

ニュースでちらほら見かける「国の企業主導型保育事業をめぐる詐取事件」。

近年、待機児童など多くの課題を抱えている「保育」ですが、それらを解決すべく保育業界の様々な面で多様化が進んでいます。しかし、解決策が新たな問題を作り出してしまうというのはよくある話です。

この場合、待機児童対策として政府が導入した企業主導型保育事業に関わる粗末な制度が悪用されて助成金をだまし取る事件が起きました。

ほかにも、コンサルタント会社の社長が助成金の交付審査を担当する児童育成協会に虚偽の工事請負契約書を提出するなどし、助成金を詐取したとして起訴されるニュースなどもありました。

国の助成金は我々の税金が財源となっています。そのため「国の企業主導型保育事業をめぐる詐取事件」は保育関係者や子を持つ親だけでなく、国民ひとりひとりに十分関係するものだと言えるでしょう。

この記事では上に挙げた事件を扱いながら「企業主導型保育事業」などニュースにもしばしば登場する保育ワードについて見ていきましょう。

【2020年日】
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企業主導型保育所について

都会に並ぶ会社

事件で逮捕されたのは企業主導型保育所の運営者らでした。

このように述べると保育所の所長さん・園長先生が逮捕されたように誤解するかもしれませんが、逮捕された運営者というのはこの場合、保育所運営を行う会社の代表や社員です。

この会社で都内に複数の保育所を建設し、公益財団法人「児童育成協会」に内装工事費を水増しして審査の申請。国の助成金約2.1億円を詐取した罪で起訴されました。

では「企業主導型保育所」とはどのような保育所なのか。まずはここから説明したいと思います。

企業主導型保育所について

企業主導型保育所とは?

会社

企業主導型保育所とは会社がつくる保育所のことです。待機児童を減らして子を持つ親の仕事と子育てのサポートを目的としてスタートした制度です。

ここまでの説明でも、まだ理解が曖昧だという方もいるでしょう。「企業主導型保育所ってつまり、保育というサービスを行う企業があるってこと?それとも、例えば自動車会社が従業員のために保育所を作るってこと?」

企業主導型保育所の第一義的な意味は、企業が従業員の子どもを預かる保育施設のことです。ただ、保育所を作るノウハウを持っていないのがふつうですから、保育所の設置・運営をサービスする会社に委託します。

今回の事件のあった会社はそういう委託事業を行う会社です。

企業主導型保育所のメリット

チェックするビジネスウーマン

内閣府の企業主導型保育事業等」には企業主導型保育所のメリットが次のように挙げられています。

  • 働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスが提供できます。
    (延長・夜間、土日の保育、短時間・週2日のみの利用も可能)
  • 複数の企業が共同で設置することができます。
  • 地域住民の子供の受け入れができます。
  • 運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられます。

子を持つ親の働き方というは様々で、一般的な保育所の入所条件とうまく合わないケースも多いです。

例えばパートタイムなど短時間だけ子どもを預けたい場合、地域の保育所では預けることができませんし、休日や夜間なども対応してもらえる保育所というのは限られています。

企業が作る保育所であれば、そもそも様々な働き方を求めているのは企業側なわけですから、従業員の希望に応える保育サービスを実現することが可能です。

企業側も福利厚生を充実させることで、離職率を低下させられるなどのメリットも期待できます。また、自社がつくる保育所といえば会社の建物内に設置されているイメージがありますが、決してそういうわけではありません。

企業主導型保育所では複数の企業で共同で設置することもできますし、地域の子どもたちの受け入れもできます。

「企業主導型保育所」と「事業所内保育所」の違いは?

考える保育士

企業が設置する保育所といえば先に「事業所内保育所」を思い浮かべる方もいるでしょう。事業所内保育所とは企業内に設置された保育施設のことです。

こちらも待機児童が増加し、育児と仕事が両立できるようにするための取り組みで、オフィスに保育所を設置する企業が増えています。

この2つの主な違いは「認可されているかどうか」です。事業所内保育事業は市区町村の認可が必要であり、企業主導型保育事業は認可の必要はありません。

国が定めた基準を満たしていれば認可保育施設となります。それ以外は「認可外保育施設」で、企業主導型保育所はこちらです。

ワンポイント
施設の広さ、保育士等の職員数などの国の基準を満たしていない場合に認可外となりますが、決して認可よりも劣っているとか、不完全だとかいう意味合いではありません。むしろ、多様な保育に対応した柔軟性の高い施設と捉えていいでしょう。

企業主導型事業について

スマホで気になるところ調べる女性

企業主導型保育事業は、平成28年度に内閣府が開始した企業向けの助成制度です。企業が従業員の働き方に応じた柔軟な保育サービスを提供するために設置する保育施設や、地域の企業が共同で設置・利用する保育施設に対し、施設の整備費及び運営費の助成を行います。

安倍政権が待機児童の解消、仕事と子育ての両立をサポートする取り組みの一つが、企業主導型保育事業です。2019年3月現在、全国2597カ所あり、定員は計約6万人らしいです。

企業に対して保育所を作りましょうと働きかけるわけですが、保育所建設・運営にはコストがかかるので会社は認可保育所並みの助成金を受け取ることができるようになっています。

基準を満たせば開設費用の4分の3相当が助成されます。また、整備費だけでなく、保育所の運営費についても助成金が出されます。

なんでも東京都特別区で定員20名の施設の参考例では、助成金額は新設するだけで約1.1億円になるそうです。

企業主導型保育事業ポータル「企業主導型 保育事業助成金」の概要及び支給額等

そのほかにも、

  • 「環境改善加算」:児童の安全性を考慮する場合
  • 「特殊付帯工事加算」:水の循環・再利用の整備、生ごみ等処理の整備など
  • 「地域交流・一時預かりスペース加算」:一時預かりや地域に密着した独自事業を実施する場合で、専用スペースを整備
  • 「病児保育スペース加算」:病児保育を実施する場合
  • 「共同設置・共同利用連携加算」:中小企業事業主が、他の企業との共同設置・共同利用について、企業間で検討、相談、準備等を行う場合

といった助成金の加算があります。先に取り上げた内閣府による「企業主導型保育所のメリット」のなかに、

「運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられます。」

と記載されてありますが、皮肉なことにもこの優遇処置を金銭の儲けに悪用されたというわけです。

保育所新設のためには莫大な費用が必要であり助成金額も高額で想定されていますから、うまくごまかせたら大金を手に入れることができると考えたのでしょう。

あの事件では、都内の2カ所の保育所の内装工事費を水増しして国の助成金約2億1000万円をだまし取りました。それにしても、そう簡単に助成金の申請をごまかせるものなのか?その点がひっかかります。

次に、助成金の審査を行う「児童育成協会」について見てみましょう。

児童育成協会とは?

教える先生

内閣府が企業主導型保育事業の助成金の審査や支給などを「児童育成協会」に委託しています。児童育成協会は児童の健全な育成及び資質の向上に寄与する公益財団法人です。

児童センターや教育出版物、児童養護施設の事業などに取り組んでいるらしいです。企業主導型保育所の助成をしてもらうにはこの「児童育成協会」に審査してもらわければならないので、ある意味とても大きな権限を持っていると言えます。

我々国民の税金を運用する責任ある立場ともいえるので、多発する助成金詐欺事件の責任の一端はこの団体にあるでしょう。

まとめ

裁判所とお金

今回は「国の企業主導型保育事業をめぐる詐取事件」について説明しました。企業主導型保育事業は現代の雇用や家庭状況の多様化に応じた保育サービスであり、今後ますます必要性が高まるでしょう。

しかし、そのなかで詐取事件などが起こると、この取り組み自体に懐疑的な目が向けられるおそれがあります。

社会を豊かにしていく過程で何かしら問題が生じたとき、その均衡が大きく崩れてしまえば、暮らしのなかで必要とされる取り組みが消極的に萎んでしまいます。

このような事件が続ければ、助成金の縮小などの動きに転じ、企業主導型保育の設立・運営が不活発になる可能性も出てくるでしょう。

子育てをする働く親にとって、自分のライフスタイルに合った柔軟性の高い保育は生活のためにかなり重要なものです。

そして、子育ては、子を持たない人々の関心や理解を深めることも大事なことです。企業主導型保育事業をめぐる詐取事件はその妨げにもなりかねません。今後、悪辣な事件の起きないよう強固な対策がより一層、求められます。

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