保育士で働く際に必ず必要な資格&あると便利な資格5選【全まとめ】
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保育士は昔から人気の職業で、子供の頃から保育士になりたいと思っていた方も少なくないでしょう。また、他の会社に就職したものの、一念発起して保育士を目指したいと思う方もいるのではないでしょうか。
保育士は保護者に代わって0歳から就学前の6歳児までの保育を行う仕事です。成長期という大事な時期を共に過ごす重要な仕事で、国家資格となっています。ここでは保育士として働くときに必要な資格、あると便利な資格をまとめています。
保育士になるには『保育士資格』が必要
小さい頃からの憧れだった保育士になりたい、もしくは他の職種から保育士に転職したいと思う方は少なくありません。
待機児童問題が深刻化している原因の一つには保育士不足もあるので、保育士になりたいという方は貴重な人材でしょう。ただ保育園の求人に応募して採用されれば保育士になれるわけではありません。
確かに保育園には保育士資格のない保育士補助として働く方もおり、園児の保育を行っていますが厳密に言えば保育士ではありません。保育士として働くときに必要な資格が保育士資格です。
保育士資格って取得するのは難しい?
保育士資格は国家資格であり、一定の条件をクリアしないと取得できないものです。保育士になりたいという方は、いくつかある保育士資格取得の道を進みましょう。
保育士資格取得方法には2パターンある
保育士資格を取得するには大きく分けて2つのパターンがあります。一つは専門学校や短大、大学など厚生労働大臣が指定する保育士を養成する施設で必要な科目を履修し卒業する方法です。
この方法だと卒業とともに保育士資格が取得できます。もう一つが年2回実施される保育士国家試験を受けて合格する方法です。
受験資格は定められていますが、この方法だと他の仕事、もしくは保育補助をしながら、保育士の資格を取得することもできます。
資格なしはダメ?保育士補助で資格を目指す場合も
保育園で働くスタッフの中には、保育士の資格をもたない保育士補助の方もいます。保育士補助でも子供に携わる仕事ですから、あえて保育士の資格を取得しないで働く方もいるでしょう。ですが保育士補助だとデメリットもあります。
- 仕事は主に雑用になることもある
- あくまで保育士のサポート役
- クラスの担任にはなれない
- 給料が低い
- 子供と接する機会が少ないことも
などがあります。保育士と同じような仕事をしているにもかかわらず、給料が低いのですからやりがいも感じられなくなるでしょう。ただ保育士補助をしながら保育士を目指すという方も少なくありません。
保育士補助をしながら保育士を目指すのって難しいかな?
保育の実務経験を積みながら、保育士試験を受けることになるので、難関と言われる保育士試験の合格も期待できるでしょう。
その他にあると便利な資格一覧
基本的に保育士資格があれば保育士として働くことはできます。ただこれ以外にもあると便利な資格がいろいろあります。
【1】幼稚園教諭免許状
幼稚園で働くためには幼稚園教諭免許状が必要になります。未就学児を預かるという意味では保育士と同じですが、幼稚園の場合は3歳から6歳までの未就学児と限られており、保育士資格とは別の資格になります。
当然、保育士資格だけでは幼稚園で働くことはできませんし、近年増えている認定こども園では保育士と幼稚園教諭免許状の両方が必要になります。
そのため、就職先の選択肢を増やすためにも幼稚園教諭免許状を取得するのもおすすめです。保育士資格があり、保育士として3年以上の実務経験があれば幼稚園教員資格認定試験を受験できます。
【2】認定ベビーシッター
保育士資格を持ちながら保育園ではなくベビーシッターとして働く方も少なくありません。ベビーシッターは何も資格がなくてもできる仕事ですが、近年ベビーシッターによるトラブルが増えてきて、ベビーシッター選びも難しいと言われています。
そのため、保育士の資格を持っているだけでも有効です。ただ、保育園で働くのとベビーシッターとでも違いがありますから、保護者からの信頼を得るため、仕事を増やすためには認定ベビーシッターの資格を持っているとより有効です。
個人でベビーシッターをするにも、大手ベビーシッター会社に登録して紹介してもらうにも、資格の有無は大きなポイントになります。保育士資格があり認定ベビーシッターの資格があれば、信頼してもらえることでしょう。
【3】児童指導員任用資格
子どもを預かる職場としては保育園などの他に、児童発達支援センターや放課後等デイサービス、重症心身障がい児を対象とした児童発達支援事業など児童福祉施設があります。こういった施設で働く児童指導員になるには児童指導員任用資格が必要です。
保育士は0歳から6歳の未就学児までの保育となりますが、児童福祉施設では18歳までの子どもと生活をすることになります。思春期の難しい子ども達を相手にするわけですから、保育士資格だけでは難しい面があります。
そのため児童指導員任用資格があれば、より専門的な知識をもって子ども達をサポートしていくことができます。またこういった児童福祉施設に転職するためにも、持っておくと有利な資格でしょう。
【4】幼児リトミック指導員
リトミックとはスイスの音楽家が生み出した音楽指導法で、音楽を使って子どものリズム感や集中力、自主性、協調性を養っていくという教育手法です。近年は保育園などでも遊びにリトミックの手法を取り入れているところも増えています。
公的な資格ではありませんが、リトミックを指導する幼児リトミック指導員という資格もあります。保育士資格とともにこの資格があれば自分で音楽教室やリトミック教室を開くなどの選択肢も増えます。
また、保育園に転職する際にも幼児リトミック指導員の資格を持っていることでアピールポイントにもなるでしょう。
幼児リトミック指導員の資格はどうやって取るの?
この資格を取得するには国立音楽院のリトミック本科か指導科で勉強し、実習を重ねる必要があります。
【5】介護福祉士
0歳から6歳までの未就学児を保育する保育士と、高齢者を介護する介護福祉士は全く別の職種と思われがちですが、同じ福祉分野です。そのため、保育園を運営しているのが社会福祉法人の場合、特別養護老人ホームも運営していることがあります。
そのため、介護福祉士の資格があれば、保育士を辞めたいと思った時に老人ホームで介護の仕事をするという道も生まれるかもしれません。また保育士養成施設を卒業して保育士の資格を取得した方は、1年制の養成施設に通うだけで受験資格を得られます。
このように介護福祉士の資格があれば職を変える際にも有利になります。また、将来的には家族の介護も必要になるかもしれません。そんな時にも介護福祉士としての知識があれば、介護をするのに役立つことでしょう。
保育士試験とは?保育士になる手順とステップ
保育士資格を取得する一つの方法としては保育士試験に合格するという道があります。ただ、保育士試験を受けるにも受験資格がありますし、いつでも受験できるというわけではありません。
まずは保育士になるための手順とステップを見ていきましょう。
- 【1】保育士試験の受験資格をチェック
- 【2】保育士試験の日程をチェック
- 【3】試験日を目指して勉強
- 【4】筆記試験受験
- 【5】筆記試験9科目で不合格の科目を再受験
- 【6】筆記試験全9科目合格後、実技試験受験
- 【7】保育士資格取得
- 【8】保育士登録手続き
- 【9】保育士証取得
- 【10】保育士として勤務
保育士試験の合格率は20%前後と言われています。5人に1人程度の合格率であり、非常に低くなっています。実技試験の合格率は約80%ですから、いかに筆記試験をクリアできるかがポイントになります。
9科目もの筆記試験合格できるか不安だな。
筆記試験が9科目ありますが、合格した科目は3年間有効です。そのため一度に合格を目指すのではなく、科目を絞って受験し、長期計画で全9科目の合格を目指すのもいいでしょう。
保育士試験の受験資格
保育士試験は誰でも受験できるというわけではありません。以下の項目に1つも当てはまらない方は受験できないのです。
- 大学・短大を卒業
- 修業年限2年以上の専門学校を卒業
- 大学中退または在学中で2年以上在学し、62単位修得済み。ただし年度中に条件を満たさなければ合格しても無効
- 短大卒業見込み。ただし卒業できなければ合格しても無効
- 専門学校卒業見込み。ただし年度中の卒業ができなければ合格しても無効
- 1991年3月31日以前に高校を卒業
- 1991年4月1日以降に高校を卒業し、児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上の実務経験がある
- 1996年3月31日以前に保育科高校を卒業
- 中学校を卒業し、児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上の実務経験がある
以上のように細かな受験資格がありますが、大学・短大・専門学校を卒業した方は問題なく、高卒でも平成3年以前に卒業していれば問題なく受験できます。
それ以外でも保育園などで保育士補助として一定期間勤務していれば受験資格を得られます。
保育士試験の日程
保育士試験は年に2回行われます。傾向として筆記試験は4月中旬と10月中旬、実技試験は7月初旬と12月中旬に行われます。
筆記試験に関しては全9科目を2日にわたって行います。以下が筆記試験の一般的なスケジュールです。
1日目① | 保育の心理学10:30から60分 |
---|---|
1日目② | 保育原理12:00から60分 |
1日目③ | 児童家庭福祉14:00から60分 |
1日目④ | 社会福祉15:30から60分 |
2日目① | 教育原理10:00から30分 |
2日目② | 社会的養護11:00から30分 |
2日目③ | 子どもの保健12:00から60分 |
2日目④ | 子どもの食と栄養14:00から60分 |
2日目⑤ | 保育実習理論15:30から60分 |
保育士として働くには『保育士登録』が必須(手順)
保育士資格を取得しても、すぐに保育士として働けるわけではありません。その前に保育士登録が必須となります。保育士資格を取得してから保育士として保育園で働くまでの手順をまとめてみました。
- 登録事務処理センターから保育士登録の手引きを取り寄せる
- 1で同封されていた振込用紙で郵便局にて登録手数料4,200円を振り込む
- 1で同封されていた申請書に必要事項を記入し、必要書類とともに登録事務処理センターへ送付
- 申請先の都道府県で審査
- 審査が通ると保育士登録簿に登録
- 保育士証の発行、郵送
- 保育士として働くことが可能
保育士登録をしなくても保育士資格が失われることはありません。ただ保育士証がないと資格があっても保育士として働くことができないので、できるだけ早く登録を済ませましょう。
未経験から保育士へ転職する時の注意ポイント
現在は深刻な保育士不足ですから、未経験でも採用してくれる保育園はあります。ただ、未経験から保育士へ転職する時にはいくつか注意するポイントがあります。
- 給料や福利厚生などの雇用条件
- 保育士の勤務スタイル
- 保育園の内情、雰囲気、人間関係
保育士としての経験があれば園が変わってもすぐに対応できるのですが、未経験だと何もわからず戸惑ってしまうこともあります。
子供は思った以上に元気で、安全に見守りながら保育するのは並大抵のことではありません。それでいて他の保育士や保護者とのかかわりもあり、人間関係でたいへんなところもあるでしょう。
保育園の内情とかって実際に働いてみないとわからないことじゃない?
たしかに実際に働いてみなければわからない部分もありますが、転職時にわかるところだけでも確認しておくといいでしょう。
【補足】保育士資格と幼稚園教諭免許の違い
就学前の子供を預かる施設としては保育園の他に幼稚園もあります。保育園で働くのが保育士で、幼稚園で働くのが幼稚園教諭になります。同じような仕事で、どちらも国家資格ですが異なる資格です。
保育士は0歳から6歳までの子供を保育するのに対し、幼稚園教諭は3歳から6歳までと限られています。
そのため、乳児を保育できるのは保育士のみです。ただ両方の資格を取得していれば、最近増えている認定こども園で働くことも可能です。
まとめ
保育士になるには国家資格の保育士資格が必要です。保育士不足の昨今、保育士の資格がなくても保育士保護として働くことはできますが、仕事内容や給与面では不利な面もあるので、保育士資格は取得しておいたほうがいいでしょう。
保育士不足ですから、保育士資格を保有しているだけで転職は難しくありません。ただ、大切な子供を預かるのですから、さまざまな知識を持っていることで保護者からも信頼も得られることでしょう。園によっては給与も変わってくるかもしれません。
保育士として働くなら、まずは保育士資格。ただこの道で生きていくなら、それ以外にも保育に有効な資格もいろいろあるので、時間があればそちらの資格取得も検討してみるといいでしょう。それにより、より好条件で採用されるかもしれません。