《実録》保育士集団・一斉退職のNEWSとその理由をまとめてみた!
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保育士の仕事はとてもハードな上に、給料も安いといわれています。そのため、どこの地域でも保育士不足が大きな問題となっているのです。
そして、そういった保育士の待遇の悪さなどから、保育士が一斉に退職してしまうというニュースもしばしば聞かれます。
ここでは、実際に近年起こった保育士の集団・一斉退職のニュースをまとめています。その理由や背景も紹介しているので、実際の保育園でどのようなことが起こっているのかを知っておきましょう。
《実録》保育士の集団・一斉退職のNEWSと理由をまとめてみた!
保育士の仕事は非常にハードで人間関係のトラブルも多い職場です。そのため、不満に耐えかねて保育士が一斉に集団で退職したというNEWSも耳にします。ここでは実際に起こった保育士集団の一斉退職の事例とその理由をまとめています。
《実録1》世田谷保育士一斉退職
全国で3番目に待機児童が多いといわれる、東京都世田谷区で起こった保育士一斉退職のニュース。待機児童対策の手段として始まった企業型保育所での出来事です。世田谷保育士一斉退職の理由は、賃金の未払いだそうです。
保育士の仕事は非常にハードで、それに見合った給料が得られない、自宅に持ち帰りの仕事などもたくさんあるものです。そして低賃金であることはほとんどの保育士も承知の上でこの仕事を選んでいるのでしょう。
そして子供も好きで選んだこの仕事ですから、単純に給料が安いという問題ではなく未払いということが大きいです。これは、企業主導型保育所は認可外のため審査が緩く、そのしわよせがまさに保育士にきてしまったケースでしょう。
《実録2》東京・中央区の認可保育園で保育士大量退職
2019年の3月に保護者からのツイッターなどで判明したのが、東京・中央区の認可保育園での保育士大量退職のニュースです。これが起こったのは、ニチイ学館のグループ会社が運営するさわやか保育園勝どき6丁目園でのことです。
この保育園には18人の保育士がおり、そのうち13人が退職したとのことです。また、看護師や調理師も12人いたうち3人が退職し、合計で16人ものスタッフが退職という事態になりました。その中には園長も含まれているとのこと。
保育士の大量退職の理由としては、運営が変わることで給与ダウンになること、そして普段から人手不足で仕事内容が忙しすぎるということも関係していたようです。
運営が変わることの説明会で大量退職が判明し、保護者から不安の声が上がったことで分かったケースです。
《実録3》横浜市の認可保育所で保育士一斉退職
2018年の3月に横浜市の認可保育所、寺谷にこにこ保育園で起こった保育士一斉退職のニュース。これによると園長や主任を含む11人が一斉に退職したそうです。
そのため、寺谷にこにこ保育園は認可保育所であるのに、保育士不足のため規模を縮小して運営をすることになったとのこと。その際に、通っていた37人の園児が転園を余儀なくされました。
そして、翌年の2019年に寺谷にこにこ保育園は閉園となってしまったのです。その理由というのが、待機児童対策として新設された鶴見中央はなかご保育園への引き抜きという噂です。
引き抜きは否定しておりましたが、関係者の話ではやはり引き抜きはあったようです。もちろん、それも採用条件などが一つの理由にあるでしょうから、やはり保育士の給料や仕事環境に大きな原因があったことは否めないでしょう。
《実録4》認定こども園さくら保育園で保育士30人全員退職
大阪府八尾市で起こった保育士一斉退職のニュースは特に異例です。保育士が大量退職したのではなく、保育士30人全員が退職したのですから。
保育士一斉退職の理由は、たいていは給与や仕事のハードさ、もしくはパワハラなどがありますが、このニュースはそうではありません。発端となったのは、同保育園で働く保育士が園児にわいせつな行為をしたことでの逮捕です。
これだけなら、保育士が一斉退職になることはないでしょうが、問題はこの逮捕された保育士が、この園の園長・副園長の息子だったことにあります。
さらには、その園長・副園長が終始言い訳ばかりしていたこと、保育士が自分たちに伝えなかったなどと発言したことで、保育士全員が見限った形で退職したそうです。それにより園は休園、160人もの園児が転園となったのです。
《実録5》目黒区の保育園で保育士5人中4人が退職
2019年3月に起こったのが目黒区にある認可保育園、学英ナーサリー八雲保育園での保育士退職のニュース。勤務する5人の保育士のうち4人が一度に退職したそうです。
その理由は主に、ボーナス支給や夏休みの取得などの待遇面での運営会社との認識の違いにあるとのこと。このケースでは保育士の人材紹介会社により保育士を採用したことが原因の1つにもあるようです。
人材会社が保育園と保育士の間に入ったことで、条件面で、面接時に言った、言わないなどの食い違いのトラブルが起こったのです。
実はこの八雲保育園は、2016年と2018年にも保育士が辞めることが続いたそうです。やはり条件面が大きな問題となっているのと同時に、新しい保育園ができて保育士の取り合いになっているのも関係しているようです。
保育士一斉退職への対策改善は徐々に行われている
こういった保育士一斉退職は、非常に多くなってきています。最近でも園長のパワハラやセクハラなどにより保育士が一斉退職、運営会社が変わるというニュースもありました。
このように、保育園ではいろいろな理由でトラブルになることが多いです。保育士が一斉に退職することで、一番の被害者はやはり仲良くなった友だちと離れ離れになってしまう園児でしょう。
ですが、最近では保育士一斉退職という手段ではなく、話し合いによって職場環境の改善をする介護・保育ユニオンを利用する保育士も増えています。
これにより、大切な園児に負担をかけることなく職場環境改善に成功した例もあります。
まとめ
保育士の集団・一斉退職のニュースは、保育士の待遇の悪さを顕著に表したものです。これは施設だけの問題ではなく、国や地方自治体の問題でもあります。保育士が一斉退職することに対して、無責任という声も上がります。
ですが、だからといって何もせずに泣き寝入りしてしまうのが一番悪い方法です。こういった行動が保育士の待遇改善にもつながるのです。
ただ、選択肢としては、一斉退職以外にも団体で交渉するというシステムを利用する方法もあるので、そういった選択肢も検討してみましょう。