【状況別】保育士が退職を引き止められた時の対処法&4つの注意点!
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どこの保育園でも深刻な保育士不足になっており、保育士が辞められるとなかなか次の保育士が見つからないということもあります。
また新しく採用するには条件面も優遇せざるを得ないなど、経営面でも難しくなることもあるでしょう。そのため保育士から退職の意向を示されても、引き止めることがほとんどです。
ここでは退職を伝えたのに、保育園側から引き止められた時の対処法や注意点をまとめています。それを頭に入れてから退職を伝えたほうがいいでしょう。
【6つの状況別】保育士が退職を引き止められたときの対処法
保育士が退職を切り出しても引き止められることは多々あります。引き止められ方はいろいろあり以下のようなケースが多いので対処法を検討しましょう。
【状況1】”給料を上げるから残ってほしい”と引き止められる
保育士は仕事の内容からすれば給料は低いと言われます。実際に保育士が退職を考える理由として多いのが、給料が少ないことです。実際に今の給料では生活が厳しいと思って退職・転職を考える保育士は少なくないでしょう。
もしそれを正直に退職の理由として伝えると、給料を上げるから残ってほしいと引き止められる可能性があります。実際に給料アップになればいいですが、口約束のためうやむやにされる可能性もあります。
またわずかのアップで済まされたり、調整中ということでいつまでも改善されない可能性もあるのです。
給料アップで騙されたりすることもあるんだ…。
きちんとアップしてるから何も間違っていないだろう。
こういったことがあるので他に退職の理由があるなら給料のことは言わずに他の理由を伝えましょう。もしくは給料アップを提示されてもキッパリ断る気持ちも必要です。
【状況2】”あなたはこの保育園に必要な人材だ”と引き止められる
長年その保育園で勤務していれば園の事も十分把握しているでしょうし、園にとっても必要な人材になっている方もいるでしょう。そうでない方でもそうですが、退職の意向を伝えても保育園に必要な人材だ、と引き止められることもあります。
一生懸命保育士として働いてきた方なら、保育園からそういう言葉をかけられたら嘘でもうれしい気持ちになるはずです。それが自分勝手な理由で退職したいと思っていると、その決意が揺らいでしまうこともあるでしょう。
ですが、その言葉で揺らいでしまってはいつまでたってもその保育園を退職することはできません。
【状況3】”新しく入ってくる人が来るまで待ってほしい”と引き止められる
保育園側が保育士の退職を引き止める一番の理由が代わりの保育士が見つかりにくいからです。おそらく保育士自身も保育士が見つかりにくい状況であることはわかっているでしょう。
お世話になった保育園に迷惑を変えられないと思うと、それに受け入れてしまう人もいます。そうすると、結局以下のような流れになることも考えられます
- 代わりが決まるまで待ってほしい
- 条件面を優遇するなど対処しないためなかなか見つからない
- 年度末まで見つからなかったので、引き続き引き止められる
- 結局いつまでも辞められない
自分の退職が決まれば保育園は否が応でも代わりの保育士を探さないといけなくなります。ですので、年度末までは引き継ぎ等最大限の努力をしますので、と伝えて退職は決定事項にすることです。
【状況4】”一度話合おう”と引き止めてくる
退職の意向を伝えてもなかなか結論が出ないこともあり、保育園側からもう一度話し合おうと面談を持ちかけられることもあるでしょう。
決意が硬ければ話し合いには応じませんと突っぱねることも一つの方法です。ただ、お世話になった保育園ですから話し合いにはしっかりと応じたほうがいいでしょう。
話し合いがなかなか決着つかない場合はどうしたらいいかな?
話し合いに応じるとしてもいつまでも平行線となることが多いので、予定があるので〇時までの話し合いであれば大丈夫です、時間の制限を求めて臨むことも大切です。
【状況5】”もう少し続けてから考えてみてほしい”と引き止められる
退職の意向を伝えたとしても、伝え方によっては保育園側は深く考えたわけではないだろう、と思うかもしれません。特に仕事の面での不満が原因なら、もう少し続けてから考えてみてほしいと引き止められることもあります。
確かに、続けていくともう少し頑張ってみようと考えが変わることもあります。ですが、深く考え抜いた上での決意ならその旨を伝えましょう。
どのような理由で、いつから考えていたのかなど明確に伝えれば保育園側も悩んだ末の結論なのだろうと分かってくれるはずです。
【状況6】退職届を受理しない
退職させたくない保育園側からすれば、提出した退職届を受理しないといった手段に出るケースもあるかもしれません。
受け取っていないと言われる前に、退職届を内容証明郵便で送るといいでしょう。受け取った証拠になるので、退職しても問題ないでしょう。
退職届を出した翌日に辞めるのはダメですが、前もって提出していれば退職できます。
退職を伝える前に知っておきたい『4つの注意点』
退職を伝える際、円満退職のためには注意しないといけない点がいくつかあります。例えば以下のようなポイントには注意しましょう。
【注意点1】退職理由をきちんと決めておく
退職したい理由は給与面や人間関係、家庭の事情などいろいろあります。理由は一つだけではなく、総合的な理由で退職したいという気持ちになるものです。
ですが、いろいろな理由があって曖昧なまま退職を伝えるのは避けましょう。曖昧な気持ちで退職を申し出ると、保育園側の引き止めにうまく対処できず言いくるめられてしまうこともあります。
ですので、ハッキリと自分がどんな理由で退職したいのかをきちんと決めておくことが大切です。
【注意点2】伝えづらい理由なら病気・体調不良を理由に
退職の理由には保育園側に伝えづらい理由もあるでしょう。例えば給与や待遇面の問題や他の保育士との関係もあります。または主任や園長からのパワハラなどもあるかもしれません。
退職理由を伝えづらい時には、病気や体調不良を理由にするのも一つの方法です。保育士の仕事は肉体的にも精神的にもハードで、子供を預かるという責任のある仕事です。
保育園側からすれば体調不良のまま働かせるというわけにもいかないでしょう。それでもだめならしっかりと診断書などを書いてもらう方法もあります。
【注意点3】感謝の気持ちを示しつつ断るようにする
円満退職できれば自分はもちろん保育園側もわだかまりがなく次に進むことができます。そのためには、いかなる理由があったとはいえ、感謝の気持ちをしっかりと示すことが大切です。
引き止められた時にも感謝しつつ、はっきり断ることが望ましいでしょう。喧嘩別れになるような形で保育園を退職しては、次の仕事にも悪影響を及ぼしかねません。
実際に長年保育園で働いていれば、保育士としての経験はもちろん人間としても成長したはずです。その気持ちはしっかり持ち続けるようにしましょう。
【注意点4】退職”願”と退職”届”の違いに注意する
保育士が退職する場合、退職願や退職届を出すこともあるでしょう。どちらも退職する意向を伝えるものではありますが、大きな違いがあるので知っておきましょう。退職願とはまさしく退職をしたいことを願う意味があります。
退職したい気持ちがあるので相談したいというイメージです。ですので、保育園側からすれば引き止められる可能性があると判断されてしまいます。実際に退職願なら撤回も可能です。
ですが、退職届は基本的に保育園から退職の承諾を得た後に提出するもので撤回できません。原則としては拒否できないものなので、受理した時点で退職が認められるということになります。
まだ退職をするか迷っている場合はどうしたらいいかな?
まだ退職を迷っている段階、認められていない時点では退職願を、口頭で退職を認められた後なら退職届を提出するといいでしょう。
どうしても保育士を辞めさせてくれないときの対処法
保育園側は保育士に辞められることはできるだけ阻止したいものです。そのため、いくら退職の意向を示しても辞めさせてくれない場合もあります。そんな時には以下のような方法をとりましょう。
1.行政機関などの相談窓口に相談する
保育士が退職したい意思を示しているにもかかわらず、引き止めるのは基本的に違法になります。そんな時には労働に関するさまざまな相談に乗ってくれる行政などの相談窓口があります。
どうしたらいいのか相談すれば解決の糸口が見えてくるはずです。例えば以下のような相談窓口があるので、気軽に相談してみましょう。
総合労働相談所・社労士会労働紛争解決センター | 0570-064-794 |
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総合労働相談コーナー | 電話番号は地域による |
法テラス | 0570-078-374 |
2.どうしても退職させてくれないなら『退職代行』を利用する
たいていの場合は専門家に相談してみます、と保育園に伝えれば退職を受け入れてくれるはずです。それでも断固として退職を認めてくれない保育園もあるかもしれません。
また専門家にアドバイスをもらっても結局自分で交渉することになるでしょうから、それも嫌だという人もいるでしょう。そんな時には退職代行を利用するのも一つの方法です。
退職代行ってどういうことをしてくれるの?
退職代行なら自分に変わって弁護士などの専門家が退職のために園側と交渉してくれます。そのため、園と会わずに退職が決まるので安心です。
まとめ
このように保育園ではほとんどの施設で慢性的に保育士不足となっており、退職を申し出ても引き止められることが必至です。
ですので、退職の意向を示してもすんなりと受け入れてくれるとは思わないほうがいいでしょう。最初から引き止められることを想定して、どのような対処をすればいいのか対策を練ってから退職を伝えるのが望ましいでしょう。
まずは円満退職できる方法を考えて、それでも引き止められるなら強硬手段に出ることも可能です。