保育士の退職の切り出し方とは?伝え方と注意すべき『5つのポイント』
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保育士という職業は体力的にも精神的にもハードで、それでいて給料も低めという大変な仕事です。それに加えて人間関係も良くなければ退職したいと思う人もいるでしょう。
ただ退職する場合でも、しこりを残したまま退職するのは望ましくありません。ここでは保育士が円満退職するために心がけなければいけない点、注意しなければいけない点をまとめています。
保育園でも保育士不足が問題ですので、引き止めに合うことも考えられますからそれも含めて対策を紹介していますので参考にしてみてください。
保育士さんが退職する際に”伝えるべき人”
一般企業では退職を一番最初に伝えるのは直属の上司です。役職を飛び越してさらに上の上司に伝えると、直属の上司の立場がなくなるからです。そのため、円満退社のためには退職を切り出す相手は非常に重要です。
保育園では保育士の直属の上司は主任です。そのため一番先に伝えるべき人は主任となります。まずは主任に退職の意向を伝え、そこから園長に申し出ることになります。
たいていは主任の方が園長に伝えてくれるものですが、自分からも直接話をするつもりでいましょう。
仲の良い同僚に最初に伝えるのはダメかな?
つい仲の良い保育士に最初に退職の意向を伝えがちですが、主任や園長が本人より先に他の保育士伝いで聞かされたら不快な思いをしてしまうこともあります。外堀から埋めたいと思う気持ちもありますが、順序はしっかり守りましょう。
順序が守れないやつはありえないからな!
退職理由の切り出し方とベストなタイミング
退職理由の切り出し方とタイミングは非常に重要です。民法では退職の申し出は原則退職日の2週間前までに申し出るようになっていますが、現実的に2週間前だと保育園や他の保育士にも迷惑をかけることになるのでおすすめできません。
円満退社のためには、保育園や他の保育士に迷惑をかけないことが大切です。そのためには以下の切り出し方とタイミングがおすすめです。
- 年度末での退職
- 3ヶ月前には退職の意向を伝える
- 忙しくない就業時間外に
- 上司に時間を作ってもらい落ち着いて話をする
失敗しない!退職理由の”3つの伝え方”
退職理由はさまざまな伝え方があります。どれがベストかは本人または保育園によっても異なりますが、一般的には以下の3つの伝え方があります。
【伝え方1】本音を話してしまう(引き止められる可能性)
本来なら、自分がなぜ保育園を退職したいのかを明確にし、本音をしっかり上司に伝えることが望ましいです。自分の考え・本音を上司や園長に理解してもらえれば、円満に退職できるでしょうし気持ちも晴れやかになるでしょう。
ただ、その理由がもし保育園側に問題があるという場合、退職しないよう引き止められてしまう可能性があることは覚えておきましょう。例えば以下のように引き止められることもあります。
- 給与面で不満→給与面を考え直す
- 勤務時間が長い→勤務体制の見直しを検討する
- 人間関係が辛い→受け持ちのクラスや他の保育士との関係を考慮する
- 保護者の対応が苦手→保護者と接しない役職に
そのため理由によっては本音で話すことがマイナスになってしまうこともあるので注意しましょう。
【伝え方2】次の職場が決まっていると伝える
退職の意向を切り出す際、次の職場が決まっていることを伝えるのも一つの方法です。実際に次の職場を決めているなら正直に話してもいいですし、決まっていなくても決まっていると嘘を言ってもいいでしょう。
そうすることで無理に引き止められることも少ないでしょう。ただ主任や園長によっては、次の職場を決める前に退職の意向を伝えるのが筋、などと嫌味を言われてしまうこともあるかもしれません。
ただそれでも退職までの期間がしっかり空いていれば問題はないでしょう。
【伝え方3】引き止められたくない方は”自己都合”を理由に
どこの保育園でも慢性的な保育士不足なので、給与面や勤務時間など保育園側の理由で退職したいと伝えると引き止められる可能性が高いです。
断り続けるのも気が滅入ってしまうでしょう。引き止められないためには退職の理由を自己都合にすることです。
自己都合であれば保育園側ではサポートできませんから、引き止められにくくなります。例えば以下のような自己都合の理由があります。
- 祖父母の介護をしなければならない
- 引越しするので通勤できなくなる
- 他の仕事に就きたい
仮にこれが事実ではなくても、保育園側は納得せざるをえません。
転職してから嘘だってバレても大丈夫?
転職してから嘘だったとバレても、数か月間のうちに状況が変わったと言えばいいでしょうし、そこまで追求する人もいないでしょう。
退職を伝えるにあたって注意すべき『5つのポイント』
保育士が退職をするにあたり注意する点がいくつかあります。このポイントをしっかり覚えておかないと、しこりを残して退職することになってしまうかもしれません。
残る人に迷惑をかけないで円満退職するのが理想ですのでその点を注意しましょう。
【注意点1】退職を伝えるときのタイミング
退職を伝えるタイミングは基本はいつでもいいものではありますが、保育士の場合は早ければ早いほどいいと思っていたほうがいいでしょう。もちろん数年前とはいいませんが、退職を決意したらすぐにでも伝えることが望ましいです。
本来なら年度末に退職をするのが基本です。特にクラスを持っている保育士は保育園だけでなく園児や保護者にも不安な気持ちを与えるので望ましくありません。それでもやむを得ない理由があれば年度途中でも構わないでしょう。
理想は年度末の退職で、伝えるタイミングとしては3ヶ月以上前だと保育園にも他の保育士にも迷惑がかかりにくいです。
遅くてもどれぐらいまでに退職のことを伝えたらいいかな?
遅くとも1ヶ月前には退職の意向を伝えれば保育園側でも何とか対応できるでしょう。
【注意点2】必ず退職が決まってから同僚に話す
退職の話はつい仲の良い同僚保育士にも話したくなるものです。むしろ主任や園長に話す前に、同僚に話をする人もいるのではないでしょうか。とりあえず親しい同僚にだけは早めに伝えておこう、という気持ちもあるかもしれません。
ですが、同僚に話すのは必ず退職が決まってからにしましょう。まだ主任や園長に話す前だと、同僚から話が聞こえてしまい主任や園長が不快な思いをしてしまいます。
また、話はしたものの引き止められている段階だと、引き止められて残ることになれば、仕事がしづらくなります。
自分は変わらず一生懸命仕事をしようと思っていても、周囲に本当はやめたいんだな、と思われながら働くのは本望ではありません。また保育園への不満を漏らして退職の意向を示したなら、やはり風当たりも強くなるでしょう。
【注意点3】引継ぎ作業はきちんと行う
保育士が退職するにあたり、重要なのは引き継ぎ作業です。自分はもうこの保育園は退職するのだからその後のことは知らない、なんて気持ちは社会人としても人間としても最低です。
立つ鳥跡を濁さずということわざのように、迷惑をかけないよう引き継ぎ作業はしっかりしましょう。
事務的な仕事も当然ですが園児や保護者についての伝達も重要です。園児や保護者のことは頻繁に触れ合う保育士が一番よくわかります。
引継ぎ作業での注意点とかある?
この子はこういうところに注意したほうがいい、この保護者は…などというように細かなところまで伝えましょう。
なるべく丁寧に引き継ぎ作業をしてくれると印象がいいぞ。
【注意点4】子供や保護者に配慮する
保育士は子供にとっては園にいる時は母親代わりの特別な存在です。保育園だとまだ他の園児と仲良くなれない、人に懐かないことも多いですが、保育士がいることで安心して過ごせるのです。
その保育士が突然いなくなれば子供はとても寂しくなります。保護者も大切な子供を預けるのですから、保育士を信頼しています。特に長く接するほど自分の子供の事をよく理解してくれていると安心して預けるものです。
それが担任が変わったら不安で一杯でしょう。その子供や保護者に配慮してしっかり引き継ぐことも保育士の役割です。
【注意点5】辞める理由に嘘はつかない
退職の際には主任や園長に辞めたい理由を聞かれるはずです。ほとんどの保育士は引き止められるでしょうから、それを避けるために嘘の理由を伝えることも一つの方法です。ですが基本は嘘をつかずに本音で話をすることです。
もし給与や就業時間などに不満があるなら、それを園が改善してくれるなら退職しなくてもいいはずです。それ以外の理由でも、不快に思われるかもしれないと通り一遍の理由を伝えると、相手にも気持ちが伝わりません。
親身になって相談すればきっと理解を示してくれるはずです。
どうしても退職させてくれないなら『退職代行』を利用して
自分の気持ちを打ち明けて退職の意向を伝えても、保育園によってはどうしても退職させてくれないケースも稀にあります。話し合いの中ではお互いに嫌な気持ちになることもあるのではないでしょうか。
そのような状態になって最終的に退職しないで働き続けることになれば、ますます働きづらい環境になってしまうでしょう。もしどうしても退職させてくれないなら、最終手段として退職代行を利用するのも一つの方法です。
退職代行を利用すれば、保育園側と顔を合わせることなくスムーズに退職することができます。特にすぐにでも辞めたいと思ってる方は、即日退職も可能です。
まとめ
保育士に限ったことではないのですが、良い環境で働くことは大切なことです。不満を抱えたまま働き続ければ、そのしわ寄せが園児にいってしまうこともあるでしょう。
そのため、よく考えた末に出した結論であれば退職は決して悪いことではありません。ただ退職するにも保育園や他の保育士、また園児や保護者に少しでも迷惑や不安を与えないように円満退職するのが理想です。
そのためには、退職を切り出すタイミングや伝え方、退職までするべきことをしっかりクリアしていきましょう。