仕事を辞めるのはいつまで我慢すべき?1年以内は?とりあえず3年?
仕事を辞めたくなったとき、今すぐに辞めていいものか、もう少し我慢して働いてみようかと悩みます。
- 我慢したらのちのち気楽に働けるようになるんじゃないか
- すぐに退職したら無責任じゃないか逃げと思われないか
- 転職の不利にならないか
一般的には「とりあえず3年働いてみてから決めたら」と言われたりしますが、退職理由が人それぞれであるのと同様、勤務年数もばらばらです。1,2ヵ月で辞める人もいれば1年以内の人もいますし、3年、5年経ってから辞める人もいます。
結局は個人の判断で決めるべきことではありますが、「すぐに辞めてしまっても後悔はしない」というのが私の考えです。ただし転職の成功失敗や、転職の不利有利などの話は別問題です。
今回は、どれくらい我慢して辞めるべきかを中心テーマにして書いていきます。
「仕事はとりあえず3年我慢」のメリットを見てみよう
仕事はとりあえず3年続けた方がいいという一般論について、メリットを見ていきましょう。
1.経済的なメリット
就業期間が最低1年以上でなければ雇用保険は支給されません。3年働き続けるのと、すぐに辞めてしまうのでは経済面では大きく違ってきます。
3年も続けていれば少しずつでも貯金することもできますから、仕事を辞めてからじっくり転職活動に取り組むこともできるでしょう。資格をとったり専門学校に通ったりして未経験職種にチャレンジするなど、進路の幅も広がりやすいです。
2.転職活動のメリット
すぐに辞めてしまうと、転職の選考で必ずその理由を尋ねられます。うまく説明する力があれば問題ありませんが、そういった面倒は生じますし、職歴だけで不利に働く場合もあります。
3年も働いていると、多少なりとも仕事に対する自信もついているはずですし、経験から自己アピールすることも難しくありません。仕事の知識や技能も高まり、仕事探しにも幅が広がりやすいでしょう。
3.進路決定のメリット
仕事を1ヵ月だけして辞めるより、1年続けた方が仕事はできるようになっています。3年間続けると、それなりに仕事が身について、入社したばかりの頃に感じる「できないストレス」はなくなっているでしょう。
もっとも、どの立場であっても気楽になることはありません。部長であろうが課長であろうが「できないストレス」はあります。とはいえ、自分ができるようになることが増え、任せられることが増えると、おもしろさを感じる機会も増えてきます。
長く働くことでその仕事や会社、人間関係のことを深く知れ、辞めるべきか続けるべきかの判断も多角的な視野で行えるようになるかもしれません。
「仕事はとりあえず3年我慢」のデメリットを見てみよう
今度は「仕事はとりあえず3年続けた方がいい」のデメリットを見ていきましょう。
1.時間の損失というデメリット
もし3年間我慢して働き続け、その後、やっぱりこの仕事でない、この会社でないと思って転職したとします。
その場合、もしすぐに今の仕事を辞めていれば、3年間我慢して働いたその時間を、別な時間にもできたという見方ができます。新しい仕事で3年間働いていれば、今頃、そちらの仕事が身についているはずです。
そのため、転職する可能性が高い場合には、我慢する時間はもったいない結果になるかもしれません。
2.転職活動のデメリット
長く働き続けてから辞めた方が転職活動で不利にならないといいましたが、20代の若手なら、職歴よりもポテンシャル重視で選考してくれる企業もたくさんあるのも事実です。
大学卒業後、我慢して6年間働き続けて28歳になってから転職活動するAさんと、新卒1年目で辞めた23歳のBさん、企業はどちらを選ぶか。それは会社にも、求人内容にもよりけりです。
早くやめてしまった方が、選考時、経験や能力を厳しく見られないこともあります。長く働けば働くだけ、「これまで仕事でどのような取り組みをし、どんな成果をあげてきたか、あなたの強みはなにで、うちの会社でどのように貢献できるのか」をきちんとアピールできなければなりません。
3.ストレスのデメリット
「とりあえず3年間我慢して働き続ける」という言葉通りに働くことができればいいのですが、人間関係、仕事内容、あらゆるストレスによって我慢することができなくなり、心身ともに壊れてしまう可能性もあります。
かりに、3年我慢しようとして、その途中、うつ病になって退職、退職後に半年ほど療養することになったとします。転職の際、なぜ退職したのか、どうして退職後にブランクがあるのかの理由説明を求められます。
それはうまく説明できたとしても、仕事に対する自信も失ってしまいますし、うつ病の再発など新しい仕事にも悪影響が生じるかもしれません。
いつまでの期間が適当か?1年という我慢なら現実的?
個人の状況によってケースは異なりますが、3年の長さを我慢するというのはあまりぴんときません。
もしなんとか持ちこたえられるのであれば、1年を区切りとして転職を考えるのもいいかもしれません。
これなら経済面、転職活動の不利、時間の損失といった面でも、デメリットはいくらか抑えられるようにも思えます。
こんなケースなら我慢する方がいい?我慢しない方がいい?
今の職場で我慢して働きつづけるべきかと悩んでいる人は現在すでに我慢している状態のはずです。
いくつかの状況を挙げて、進路について考えてみたいと思います。
うつ病など精神疾患の人は我慢はいらない
うつ病など心の病を抱えている人は、我慢して働く必要はないでしょう。
薬を飲んで働き続けることも可能でしょうが、その仕事は合っているのか、この先、どうやって生きていくのが自分にとって生きやすいのか、など考える時間があってもいいはずです。
辞めることで逃げと思われないか、無責任ではないかと心配しなくても大丈夫です。何より、健康が一番です。無理して働いていても自分のためになりませんし、会社は健康回復の保障まではしてはくれません。
我慢に疲れた、もう限界で爆発しそうなら
もし今「もう限界だ」と感じるほどのストレスを抱える場合には、我慢はいりません。今すぐにでも辞めてしまいましょう。
イライラするような我慢を抱えている人も注意した方がいいでしょう。辞める前に同僚や上司ともめるなど余計なトラブルを起こしてしまうのもよくありません。
新卒なら辛くても我慢が必要?
先述の通り、早く辞めてもポテンシャル重視の企業なら転職活動にも影響しにくくなります。
大学卒業者が働きだして3年以内に辞めた割合は次のような値です(参照:厚生労働省「新規大卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者)」)。
- 1年目で辞めた:11.9%
- 2年目で辞めた:10.4%
- 3年目で辞めた:9.5%
大学を卒業して三年以内に辞めた新卒者は10人に3人ほどの値になります。社会全体でみると、かなりの数で入社後すぐに辞めていることになります。
人間関係のストレスだから我慢できないかも
他人を変えることはできませんから、人間関係で悩んだ場合、我慢を強いられることになります。人間関係の調整が上手な人でも、この人だけは無理という相手ができて我慢ができなくてもおかしくありません。
どうしても苦痛に耐えらえず上司に相談したら、年度途中でも異動させてもらえた、といった話も聞いたことがあります。
会社や職種によっても異なると思いますが、相談や自分の働きかけでも変わらないと判断した場合、我慢せずに転職するのがよさそうです。
仕事がつまらない、仕事が合わない、向かない場合は我慢すべき?
仕事がつまらない。仕事が合わない。だから今すぐにでも辞めたい。そんな場合には情報収集が大事です。
世の中にはどれだけ長く続けてもおもしろさのない仕事、あるいはおもしろさを見出すのが難しい仕事もあります。また、どれだけ長く働いても、自分にはどうしてもできない仕事というのもあります。
そういう状況であれば、我慢する必要はありません。自分がおもしろいと思える仕事、自分に合った仕事を見つける方が有意義です。
問題はその判断をどうすればいいのか。そのために、自己分析したり上司に相談したりして、自分の能力、その会社その仕事の情報を集めましょう。今の感覚や気分だけで判断するのではなく、客観的に判断するには情報収集が必要です。
なぜ「我慢」と感じるのか。すぐに辞める場合にも将来のビジョンと情報収集が大事
今働いているその仕事の動機が明確であり、例えば「自分がしたいと思い、選んだ仕事」であれば、今の状況を我慢とは少し違った風に捉えることができるかもしれません。
もし転職するにしても、将来のビジョン、働く目標や動機をしっかり作っておかなければ、次の職場でも「我慢」を感じる場面に出くわしてしまうでしょう。
そして将来のビジョンや動機をはっきりさせたら、次にはそれを実現できる職場を見つけないといけません。転職活動の流れは次のようになります。
- 転職後のビジョンを明確に作る
- 自己分析して自分の能力、特性、強みを知る
- 自分にマッチした求人を見つける
- 選考で通過する
簡単に言うけど…と思われそうですが、まずは次の2つのツールを使ってみてください。
- ビジョンづくりと自己分析⇒リクナビNEXTのグッドポイント診断を使う
- 転職エージェントに相談する⇒まずはリクナビエージェントだけでいい
たったこれだけです。これだけでこれまでの仕事選びとはまったく違ったものになります。
転職エージェントを使えば、あなたの強みや特性を分析してくれ、そこからマッチした求人を紹介してくれます。自分で探すよりも圧倒的にマッチング率も高いです。
まとめ
仕事を我慢する期間とはいうのはありません。大切なのは「我慢」と捉えずにする仕事を見つけることです。今の仕事を続けていくにしても、働く動機や目標を改めて見直しておきましょう。