仕事の悩みが大したことないのに引きずる…悩みがちっぽけに思える方法
仕事の悩みで落ち込んだりイライラしたりして心の切り替えが上手にできない時にはどうすればいいのか。
- 些細な失敗なのに引きずってしまう
- 上司の仕事が自分には合わない
- 一人の顧客や一人の同僚だけがどうしてもストレスに感じる
- 特定の業務、特定の雇用条件だけがずっと不満に感じてしまう
自分でも大したことない悩みだと感じているはずなのに、どうしてか頭から離れず、プライベートまでリラックスできないことがあります。仕事中も余計なことばかり考えてしまい、集中できずパフォーマンスが低下してしまいます。
これは自分の性格だからどうにもできないのかも…と思う人もいますが、大丈夫です。意識や行動を変えることは誰にでもできます。
「自分はこんな人間だから仕方がない」という人がいますが、多くの場合、その言葉は徹底的に変化を試みた結果ではないように思えます。つまり、自分を変える可能性はいくらでもあるということです。
もちろん、この記事でご紹介する「悩みがちっぽけに思える方法」はセミナーに参加するといった大胆さが必要なものではありません。
誰もが日常で行える悩みの処理法のみに限定して書いていきたいと思います。
1.まったく悩まなくなることを期待しない
悩んでも仕方ないことをいつまでも引きずらないようにするのは大切ですが、あまり自分に期待をかけすぎて悩みの処理を実践するのもよくありません。
いろんな悩みの処理法を試したけど、どれもうまくいかなかった…と自信を失えば、自分を変えようと意識することをやめてしまいます。これはあまり良いことではありません。
まず、スイッチのオン、オフのように瞬時に気持ちを切り替えられるようになるのは難しいと思っておきましょう。
ある程度の時間的な長さで悩んだり落ち込んだりしても自然なことですし、悩みを引きずるのが「1日中」だったらおかしい、長すぎるといった相対的な尺度も存在しません。
ですから、その時間を個人の状況に応じて少しずつ短くするように改善するのがいいでしょう。
2.仕事で悩んだ時、まずは身体のメンテナンスから始める
仕事でくよくよ悩んでいる自分に気がつき、「このままではだめだ、切り替えなくちゃいけない」と思った時、最初にやるべきことは心のケアではなく、肉体のメンテナンスです。
悩んでいる時には頭ばかりを使って、身体の健康をほったらかしにしてしまいがちです。
私は、仕事の悩みから精神疾患になった経験があります。
この時に何よりも大変だったのが落ち込んだ気分や無気力などの精神面ではなく、食欲がない、眠れない、身体の調子がおかしいという肉体面でした。
おそらく、悩みやすい人は肉体の反応もほぼ同時に生じるものだと思いますが、体調が悪くなっても、つい考え事ばかりして肉体の管理は怠ってしまいます。
私の場合にはその結果、気づけば思うように体が動かず、体力の消耗も激しくなり、職場で何度も、倒れるんじゃないかという瞬間がありました。
体の姿勢から整える
仕事で失敗したり人間関係で悩んだりしている時、文字通り、脳みそだけで生きているような状態となってしまいます。
このような偏った状態なのだと自分で自分に気づかせるためにも、姿勢と呼吸に意識を向けて見ましょう。
落ち込んだりストレスが溜まっていたりすると、猫背や前のめり姿勢になりやすいです。肩など体に力が入って筋肉がこわばってしまいます。
背筋を伸ばすことで「いつもとは違う状態なのだ」と自分に自覚させましょう。そして体の力を抜きましょう。
呼吸の乱れと整える
姿勢とともに呼吸も乱れがちです。精神が乱れると、浅い呼吸をしていることが多いです。
姿勢を整えたら深呼吸しましょう。このとき、吸うよりも吐く方が大事です。長く吸うのではなく、長く吐き出すようにしましょう。
姿勢と呼吸のあとは身体のチェック
当然ですが、姿勢と呼吸だけでは完全に意識の切り替えができるものではありません。
もちろん一時的にでもリラックスできますので、仕事でトラブルなどがあったその瞬間、パニックにならないように姿勢と呼吸を整えて冷静さを保つのにはとても役立つ手段です。完全に平然とはしていられなくとも、いつもよりは心に余裕ができるはずです。
とはいえ、姿勢を正し、呼吸を整えた直後は穏やかな気分でいられますが、気づけばまた余計なことを考えてしまうものです。
1日中悩みを引きずってしまうのをよしとしたとしても、その間、身体のチェックだけはこまめに行った方がいいでしょう。
- コーヒーやアルコールの飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎを控える
- 胃腸薬を飲む
- 食事内容に配慮する
- ストレッチや軽い運動をして体のこわばりをほぐす
- いつもより早めに寝る
少しでも食欲不振を感じたり、体調に小さな異変を見つけたりしたら、健康改善を意識しましょう。
3.仕事で悩んだ時、悩みがちっぽけに思える方法
肉体のケアとともにメンタルのケアも行うことで、悩みがちっぽけに思えたり、上手に頭を切り替えたりすることができるようになります。
何度もくどいようですが、どのような方法を実践しても、別人に生まれ変わったようになるのは難しいと思っておき、あまり自分に期待しすぎないのもポイントです。
しかし、これを踏まえて意識や行動を改善すれば、悩みとの付き合い方もより良くなっていくはずです。
以下では「行動」と「意識」の2つに分類して説明していきます。
【行動】感情の振幅をおさえるコトバを持っておく
少し恥ずかしいのですが、私は感情の混乱、つまりイライラや焦り、不安や動揺や落ち込みがあった時、その場で「精神のコントロール」という言葉を心のなかで何度もつぶやきます。
この言葉は精神疾患から快復しだした頃、今後生活を送るうえで自分にとって大切なのはメンタルのコントロールだと考えていたときに浮かんだ言葉です。
この言葉を毎日眺めるカレンダーに書き、快復期には、毎日朝起きてからこの言葉を自分に向かって呟いていました。
そのうちそんな習慣も薄れていきましたが、何か感情の振幅が激しくなる時には決まって「精神のコントロール」という言葉を思い出し、頭のなかで何度も反復させます。すると、不思議と気持ちが落ち着いてくれます。
これは腹の立つことや辛いことがあって精神が乱れた時だけでなく、嬉しいことがあってもそうしています。テンションが高くなる状況というのも私の精神にとってはけっしてプラスだけとは言えない気がするからです。
こういう言葉を自分で持っておくと、いざという時に感情任せにならずに済むので有効です。冷静になれるので、悩みが大事件のような気分にもなりにくいです。
【行動】誰かと同化する
身近な人でも、アスリートや著名人でもいいのですが、悩みを上手に処理できる人と同化するのもいいかもしれません。
同化といえば、子どもの頃、ヒーローになりきっていると自分が強くなった気になったものですが、ポジティブな人、ストレスに強い人の行動や考え方を真似します。
そうすることで実際の行動に変化が表れ、人間関係の悩みでも業務上の悩みでも、普段とは違った結果が生まれ、立ち直りも早くなるかもしれません。
【行動】問題に近い人に相談し、解決不可であれば問題から遠い人に相談する
悩みの問題を相談するのも有効です。
まずは問題に近い人に相談します。上司や同僚などに話を聞いてもらうのがいいでしょう。例えば、同じようなミスばかりを繰り返して悩んでいるなら、どうしたらいいかと助言を求めるように相談しましょう。どんな悩みでも構いません。自分の苦しみや弱さなどはできる限り、正直にはっきりと伝えましょう。
もし身近な人に相談できない場合、あるいは相談しても解決につながらない場合には、問題から遠い人間に相談します。
気持ちをラクにさせるのが目的であれば、家族や友人などでも構いませんが、問題を解決するのが目的であれば、第三者を頼りましょう。
【意識】すべてに期待しすぎない
すべてに期待しすぎない、と意識しておくことも大事ではないかと思います。
すべて、というのは自分、他人、あらゆる結果などについてです。過度に期待をしているとそうならなかったときに激しい落胆を感じてしまいます。
例えば、自分ががんばった仕事を会社で評価されなかった場合などがそうです。その人は自身が高い評価を受けるだろうと自分に期待をしていますし、ちゃんと評価してくれるだろうと上司や同僚に期待を抱いています。
そうならなかった時、不満やストレスを覚えます。自分がこだわっていることだから、いつまでもその悩みを引きずってしまうことになります。
人間関係で悩んでいる時もそうです。最初、他人が変わってくれることを期待します。しかし、他人が変わらないと気づき、次に自分を変えようとします。しかし、自分にしても変えられないと気づき、そのため、悩み続けることになります。
その場合、人間関係への期待をしないという態度で接するしかありません。それができなければ、配属を異動してもらったり、転職したりすることしか方法はありません。
このように「何事においても、期待しすぎない」という意識でいることも、悩みを引きずらない方法と言えそうです。
【意識】「悩んでいたら損をする」と考える
仕事で悩んで心身が不安定になると、損ばかりしていることに気づきます。
例えば苦手な同僚や顧客がいて、その人物のせいで悩んでいたとします。
そんな場合、たいてい相手は悩んでいません。その人物はストレスを周囲に与えるような人間なのですから、内省する能力が欠如しており、そのため、金銭のような直接的なダメージでもない限り、こちらのように悩むことができない人です。
人間関係は、ひとりきりでは成り立ちません。それなのに人間関係の悩みの場合、ふつう、悩んでいるのが一方だけという場合が多いです。相手は気楽なもので、損としかいいようがありません。
また、仕事で失敗して落ち込んでいる場合には、そもそも会社とは何であるかを再認識しましょう。
会社は営利を目的とする組織です。会社からすると、あなたが悩んでも生産性が高くなるわけではないので、悩む時間があれば会社に貢献してほしいと思っているはずです。
また、損失を出したことで注意されたりリストラされたりする可能性はあっても、裁判沙汰にはならないものです。その反対に、どれだけがんばって働いて利益を上げても、従業員には利益が大きく還元されることもありません。
会社というものをいろいろな角度から眺めた場合、悩むのが損であると思えてきます。
目標設定を明確にし、悩みよりも充実の大きな職場を選ぶ
悩みの処理法とともに、目標設定についても改めて見つめ直して方がいいです。
なぜその仕事をしているのか、これからどうやって生きたいのか。目標設定を持っておくと、大きな問題が生じた時にもブレにくくなります。反対に、なんとなくで働いていれば辛いことがあった時、どうしてこんなに苦労しなくてはいけないのかとしんどさばかりになります。
そうなると辛いばかりか、成長や充実の機会までも逃してしまうことになります。これをきっかけに人生の過ごし方を考え、場合によっては転職するのも一つの手です。
まとめ
今回は仕事の悩みが大したこともないのに引きずってしまう時の悩み処理法をご紹介しました。
悩みを抱いた時、メンタルばかりか肉体面でのケアも忘れずに行いましょう。ここでお伝えしたのは日常で行える方法ですが、何もやらないよりかは有効であります。自分なりに悩みとの向き合い方を考えるのも大切ですし、習慣化し、いつでもその行動がとれるように心がけておきましょう。