職場で孤立して辞めたいなら転職という選択も~人間関係の対処法~
職場で孤立している人にとって、毎日の出勤は楽しいものではなく、きっと窮屈な気持ちで働いているはずです。
- 上司から嫌われている気がする
- 年齢の近い同僚が少ない
- 新人だけど、このままずっと人間関係に慣れそうにない
- 仕事ができないせいで相手にされない
孤立する原因は様々ですが、どのような事情であれ、あまりに働きづらい環境であれば今の仕事を辞めてしまうのも方法の一つです。
この記事では、職場で孤立する原因や対処法、辞めたいと感じている場合どのような状況でなら転職すべきかなどについて解説します。
職場で孤立して苦しい…人間関係の悩みで退職は珍しくない
(出典:厚生労働省「離職理由」)
職場で孤立して苦しいから仕事を辞めたい。でも、それって退職理由としてはおかしい?ただの逃げ?
そんな風に退職すべきか悩んでしまいがちですが、人間関係が原因で転職する人も少なくはありません。これから厚生労働省の調査による離職理由の統計を見てみましょう。
以下は男女総数による離職理由の割合で、3つまでの複数回答ができる調査です。
- 労働条件(賃金以外)がよくなかったから(27.3%)
- 満足のいく仕事内容でなかったから(26.7%)
- 賃金が低かったから(25.1%)
- 会社の将来に不安を感じたから(24.2%)
- 人間関係がうまくいかなかったから(17.7%)
このほか様々な理由がありますが、仕事内容や雇用条件などにつづいて「人間関係」も低い値ではありません。
そして、「労働条件」のような理由で不満を感じている場合でも、突き詰めて考えていけば人間関係の悩みが根本にあるというケースも多いでしょう。
どのような職場でも、多少なりとも何かしらの不満はあるものです。完全に会社に満足している人など、おそらく一人もいません。
そんななか、辞めようか迷った時、働き続けてみようと思えるのは給与がいいとか仕事がラクだとかではなく、人間関係でうまくいっており、同僚たちと一緒にがんばるのが楽しいからという理由だったりします。
つまり、退職を引き留める最後のストッパーになりうる「人間関係」がうまくいかない時、不満を割り切って働き続けるのはなかなか難しいかもしれません。
職場で孤立するのが原因で辞めてもおかしくはないとまずは思っておきましょう。
孤立しやすい性格・特徴は?孤独が平気な人、コミュニケーションが苦手な人、優秀な人など
次に、孤立しやすい人の性格や特徴を見てみましょう。
自分がどんな人間かを客観的に把握しておくことは、職場に適応するのに役立つことがあるかもしれません。ただ、孤立しているからといって、自分には何か欠けているところがあるのだと責める必要はありません。
これまでの人生を振り返って、どの人間関係でもうまく馴染めなかった人もいれば、今だけが目立ってぎくしゃくしている人もいるでしょう。
いずれにせよ、そもそも人間関係は難しいものですから、だから自分だけに何か問題があるんじゃないかと思う必要はありません。
1.孤独が平気、むしろ楽に感じるから孤立したいとさえ思う一匹狼タイプ
一人でいるのが平気で、誰かといるよりもラクだというタイプの人は当然ながら職場で孤立しやすいです。なかには、孤立したいとさえ思っている人もいるでしょう。
このタイプの性格自体は決して悪いことではありません。孤独を楽しめる人は自分の頭で物事を考える時間が長いため、考察力や分析力に長けており、仕事ができる人の特徴としてもよく挙げられています。
ただ、やはり一般的な職種や職場環境においては、同僚らとコミュニケーションをとりつつ仕事をしていくものです。
そのため、相手に気を遣わせていることもあれば、ぎくしゃくとした雰囲気になってしまうこともあるでしょう。仲間に頼ろうとはせず無理に仕事を抱えてしまって苦労することもあります。
できるならば「周囲の人間が嫌いでひとりでいるのではない。一匹狼キャラなだけ」と知ってもらい、そのうえで孤立できれば理想的といえます。
その手段として、困ったことや仕事で気になることがある場合など、積極的に誰かに相談するのがいいです。頼ってもらって嫌だと思う人間は少ないですし、自然と人間関係の結びつきが強くなります。また、そうやってプライベートと仕事ははっきり区分した一匹狼だという印象も与えられます。
2.コミュニケーションが苦手、人見知り、真面目なタイプ
職場の人間と仲良くなりたいけどコミュニケーションが苦手、人見知りだというタイプの人も孤立しやすいです。
この場合にも、「周囲と関わりたくないから、ひとりでいるわけじゃない」と表現するのが大切です。つまり、人見知りやシャイなキャラと印象づけておけば、そういう人だと思って接してくれます。
もちろん、そのことが仕事に悪影響を及ぼすのであれば、こちらの行動を改善するように努める必要があります。仕事のこの場面では自分の性格うんぬんではなく、仕事の取り組みを優先していつもと違った自分で行動しなければならない、といったことです。
その仕事、その職場で必要な行動や性格とは何かを一度、見つめ直すのもいいでしょう。
3.仕事が優秀で浮いてしまうタイプ
仕事が優秀で、なんとなく周囲が自分と距離をおいていると感じている人もいるでしょう。
このタイプの人の場合、仕事を遂行している過程で周囲が離れてしまった可能性が高いです。自分でも気づかぬうちに、仕事のできない人に冷たい態度をとっていたり、そんな雰囲気を出してしまっていたり。また、自分はここにいる連中とは違うのだという感じを醸し出しているのかもしれません。
この場合、人間関係が原因というより、その会社や仕事自体に満足できていないのかもしれません。そういう人はより自分を活かせる職場を見つけて働くのも一つの方法です。
職場で孤立しやすい人の対処法
孤立しやすい性格の持ち主の人は、意識的に「他人に頼る」ということを心がけるといいでしょう。相手がよっぽど性格が悪く意地悪なケースを除いて、ふつうは頼られた方は真剣に接してくれます。
業務についてほんのちょっと気になったことを同僚に確認してみるといった行動だけでもコミュニケーションになります(もちろん時と場合を選んで)。
仕事ができる人の場合も、そうやって周囲に頼ることで、あなたの印象が全然変わるはずです。
職場で孤立する原因がこんな場合には?新人、リーダー、女性、仕事ができない、いじめやパワハラなど
ここでは孤立してしまう原因ごとに、その対策を見ていきたいと思います。
1.新人、中途採用、同期が少なくて孤立している
どんな環境でも最初はなかなか馴染めないものですが、新入社員で、とくに途中入社の場合には同期もおらず、孤立してしまうケースがあります。
ありがちなのは、同僚たちが新人を補充したその意図をよく分かっていない状況です。
つまり、上の者が新人を補充したけど理由はよく知らない、そして現在、新人がいてもいなくてもみんなは仕事を問題なく実行できるといった状況です。
そうであれば新人が入ってきた時、その人たちは能動的に関わろうとしないものです。加えて、日本人は初対面で距離を置きたがり、少しずつ時間をかけて相手に近づく傾向もあります。
対応策としては部長や課長、リーダー格の社員とまずは親しくするのがいいでしょう。そしてここでもやはり、新人らしく周囲を頼りましょう。
そして心から尊敬できる人を見つけることです。仕事がばりばりできる先輩など、魅力的な同僚や上司を探し、飲み会など話す機会がある時にその気持ちを素直に伝えましょう。本気でリスペクトできる相手になら、無理して仲良くしようという感じもなく、自然、そんな人は相談役になってくれたりします。
肝心なのは、人間関係の構築に時間がかかると思っておき、焦らないことです。
2.リーダーや上司、管理職という立場で孤立している
その仕事、その職場の雰囲気、そこで求められているリーダーの役割によって、時として孤立している方が職場全体に良い風に働くこともあります。
そういう状況でなく単に孤立しているケースでも、あくまでもリーダーや上司としての立場でみなと接することが何よりも大事ではないかと思います。
職場のみんなと仲良くやりたいという気持ちが強すぎて、自分だけが仲間外れにされていると感じてしまう人もいますが、そんな場合には、自分は周囲から、ある役職の人間と見なされているのだと再認識しておきましょう。
もし職場の雰囲気が悪い孤立感があるのであれば、一度、業務のどこかに問題がないかチェックするのもいいかもしれません。無自覚のうち、ほかの社員に不満を抱かせるような状態を作ってしまっている可能性もあります。
そういう時、面談などを設け、思い切って問題点がないかを聞き出してみると、それだけでも人間関係が違ったものになるはずです。
3.40代、50代など年齢が理由で寂しく孤立している
若手の社員が多く、40代,50代などのベテラン社員の割合が少ない職場であれば、年配の方は若い子のノリについていけないと感じることもあるでしょう。
こういう孤立感は気にしても仕方がありませんし、気にしなくても問題ないでしょう。年齢が違うだけで嫌われてしまうことは決してありませんし、頼りになる存在と思われていることも多いです。
なので無理して若手の調子に合わせる必要もありませんし、若手の方からしても、ほどほどの距離感でコミュニケーションしてもらえるのがちょうどいいと感じているはずです。
確かに、こちらからすれば寂しさのようなものを感じる瞬間もありますが、あくまで仕事をしに来ているのだと割り切ってしまうのがベストな気がします。
4.紅一点、女性がひとりきりで孤立している
自分以外がすべて男性社員で、自分だけが女性の場合。
テレビニュースで、建設現場で働く女性現場監督の悩みが紹介されていましたが、業務的な差別や女性に対する偏見を感じるというのではなく、なんとなく女ひとりだから居心地が悪いという場合には、職場を変えるのも一つの選択です。もちろん、女性ばかりの職場に男ひとりの場合も同様です。
そこで働く目的が明確で、その職場で働き続けるのが最善だという時には、紅一点でもやりたいことがあるから働いているのだと割り切ってみるのもいいでしょう。
もちろんパワハラや性差別的な扱いを受けて苦痛がある場合には、余計な我慢はせずに適切な処置を行う必要があります。
健全な職場で孤立感を覚えているのであれば、しばらくの期間働き続けてみてから転職を考えるのもいいかもしれません。
5.少人数の職場で孤立している
職場が3人や5人など社員数が少ないのに孤立している場合、かなり窮屈な感じがしてしまいます。
ここでキーになるのは同僚の人格です。少ない人数で集団が構成されていると、個人の性質が周囲に直接的な影響を与えます。一度、人間関係がぎくしゃくしてしまえば、なかなか修復するのも難しいです。
この悩みをお持ちの人は転職はより現実的な選択だろうと思います。
6.仕事ができない、ミスしたせいで孤立している
自分の能力不足、大きなミスをしたせいで孤立している場合、まずは気持ちの切り替えから始めましょう。
自分を責める気持ちが強いあまり、同僚たちが自分が悪く思っているのだ、陰でこそこそ文句をいっているのだと思い込むことがあります。
仮に、実際に自分の評価が悪かったとしても、大事なのは、いかに自分の仕事力を向上させるか、という一点です。
孤立しているという悩みよりも、仕事の成長が大きな課題であると意識を変え、そのためにはどうすればいいのかを考えましょう。自分の能力ではこの職場で働き続けるのは難しいと判断した場合には、自分に合った職場を探すのもいいでしょう。
7.いじめ・パワハラで孤立している
いじめ、パワハラで孤立している場合、我慢して働き続けることは不要です。
社会的に見ればあなたが思っている以上に転職するのはたやすいです。自分の生活が充実できることを第一に考えて人生の進路をとりましょう。
働きながら転職活動することも可能ですから、思い切って仕事を辞めるのがよさそうです。
8.お局などに嫌われている…なぜか分からない原因で孤立している
なぜだか分からないけど、同僚や上司に嫌われてしまい、孤立している場合。
人間は不合理な面を持っていますから、たいした原因がないのに嫌われる対象になってしまうこともあります。また、こちらの無自覚に相手を不愉快にする言動をとっていた可能性もあります。
どちらにせよ、人間関係をこれ以上改善できないと感じた場合には、新たな職場で一からやり直すのもいいでしょう。
辞めたいほど孤立している場合、転職すべきかの目安はこれ
辞めたいほど孤立しているけれど、どうすべきか悩んでいる人はこれから説明する状況かどうかで転職の判断を考えてみてください。
職場の孤立が仕事自体に悪影響を及ぼしている場合は辞めるべき
職場の孤立が単に孤独感を抱くだけであればまだしても、孤立しているせいで仕事にまで問題が生じてしまうのであれば転職すべきです。
例えば、仕事に人間関係を持ち込むような愚かな上司や同僚がいます。業務で困っているから相談しているのに、冷たく対応されるような状況であれば、すぐ辞めるべきでしょう。気づけば仕事よりも人間関係を調整しに出社しているような状態になりかねません。
また、孤立しているせいで思うように仕事のパフォーマンスが発揮できないという人も、舞台が変われば今とは全然違う自分になれるはず。
耐えられないほどのストレスを抱えている。うつ病などは即辞めるべき
孤立によってストレスを大きく抱えてこんでしまう場合にも辞めた方がいいかもしれません。
ストレスをうまく処理できる人でなければ、孤立の苦痛が体の不調や精神疾患を招いてしまうことだってあります。
定期的に自分の体やメンタルを点検しておきましょう。うつ病でも、気づけば重症になっていた、というケースも多く、そこからの快復は大変です。
つまらない職場であなたの健康を損うのは腹立たしいことでさえあります。心身の健康状態で退職すべきか判断するのも一つの目安です。
人間関係の改善を対策したけどうまくいかない
一度、自分のできる限りで孤立しないように試みてみるのもいいでしょう。
覚悟のいる行動ですが、孤立によって潰れそうと感じているなら、最後の改善策に出てみましょう。それで何も変化がなければ、こちらの気持ちとしても潔く辞めることができるでしょう。
相談してみる
職場で孤立して精神的にかなり追い込まれている時など、全国職業相談センターなどで話を聞いてもらうのもいいです。人間関係のトラブルについても相談に乗ってくれます。
そのほか今後の進路について相談したい場合には、転職エージェントを使うのがいいです。転職活動のプロであるキャリアアドバイザーというサポートスタッフがあなたの話をもとに、転職すべきかどうかの的確な助言をしてくれます。
職場の孤立を解消するために転職するならこの方法を使うべき
転職の目的は今の悩みを解消するためではありますが、それだけでなく、これからの生活をより良いものとし、充実した毎日を過ごせるような仕事・職場を見つけることでもあります。
この点を強く意識しておくことはとても重要です。不満な今を解消するだけの転職活動では、転職後、また新たな種類の不満を感じ、「この会社も辞めようかな」となってしまいます。
徹底した情報収取を
そうならないためにしてほしいのが徹底した情報収集です。仕事探しは最初から最後まで、情報の扱い方にかかってきます。
例えば求人探し。求人探しで必要な情報は次のようものです。
- 自己分析、ビジョンなど自身にかんする情報
- 求人を探す方法にかんする情報
- 企業にかんする情報
まず自己分析や将来のビジョンについて知っておかなければ、自分にマッチする求人を探しようがありません。
自分の力に合った職場、自分の強みや特性を生かせる仕事、そしてこの先どんな風に働きたいのか、などなど。
次に、自分の希望する求人を見つけるにはどんなツールを使えばいいか?無料求人誌なのか、ハローワークなのか、転職サイトなのか、などなど。
よさげな求人を見つけたら、その企業についての情報をできるだけ詳細に知りましょう。職場の雰囲気、企業の特色、社風、採用後にはどのような業務につくことになるのか。
転職活動の具体的な進め方
具体的に転職活動を進めていく流れを示すと次のようなものになります。
- 自己分析をしてみる⇒リクナビNEXTのグッドポイント診断を使う
- 転職エージェントに相談する⇒まずはリクナビエージェントだけでいい
たったこれだけです。これだけでこれまでの転職とはまったく違ったものになります。
転職エージェントを使えば、あなたの特性や強みを分析してくれ、そこからマッチした求人を紹介してくれます。自分で探すよりも圧倒的にマッチング率も高いです。
まとめ
今回は職場で孤立する人の性格や特徴、孤立する原因や対処法について書きました。
孤立を解消するには自分に合った仕事や職場を見つけることが大切です。人間関係を改善することは場合によってはとても難しいので、これをひとつの学びとし、思い切って転職するのもありでしょう。
ただ、今の悩みを回避するだけの転職にはせず、より良い人生を作っていくための転職を心がけましょう。