仕事の無気力に気づいた直後うつになっていた…ネットするより病院へ
仕事でやる気が出ず、無気力状態になると、何をどうしようがその状態から抜け出せない気になってしまいます。
- 仕事に行きたくない
- 休みの日までだるい
- 何もする気が起こらない
- どんなことも無関心でおもしろくない
こうなった時、今の状況がどれほど深刻か心配になります。事実、仕事で集中できずにミスが増えたり、同僚とのほんの些細なコミュニケーションでさえも億劫に感じたりして、ストレスを抱えている人もいるでしょう。
私は無気力だと自覚したのち、うつ病になった経験があります。その職場は辞めることになりました。
その時の経験を中心に、仕事の無気力についての考えを述べたいと思います。
仕事の無気力の原因は?無気力症候群について
無気力症候群
なにをする気力がないこと。意欲のないこと。意欲が低下したり、自発性が低下したり、感情の起伏が小さくなったり、周囲に無関心になったりするような無気力な症状を呈することを「無気力症」「無気力症候群」「アパシー・シンドローム」といいます。これらの反応は、強いストレスから心を守るための逃避行動だとも言われています。
この言葉は、厳しい受験を乗り越えてきた大学生に多く見られる「五月病」の症状として広く知られるようになりました。最近では学生だけではなく社会人でもこの症状を呈するひとたちがいることが報告されています。
厚生労働省の「無気力症候群」をもとにいえば、無気力は総じてストレスが原因だと言えそうです。
やる気がなくなる前、何かストレスがありませんでしたか?と尋ねられたら、ああ確かにと心当たりがある人がほとんどではないでしょうか。
原因が何か分からない場合でも、ストレスを生じさせていそうなものはないかと探ぐれば何かしら気づきがあるはずです。ストレスがまったくないのがストレスとなり、生きる気力がなくなるといったこともあるかもしれません。
ストレスを抱えやすい性格だと注意が必要
ストレスの一つの表現が無気力だと捉えるなら、ストレスを抱えやすい特徴を持った人は無気力になりやすいかもしれません。
以下はストレスを感じやすいとされるタイプです。
- 完璧主義者
- 競争心が強い
- 几帳面
- 周囲や他人に対して過度に気遣う
- 自己肯定感が乏しい
- 他人を頼ったり協力を求めたりするのが苦手
- 思い通りにいかないことがあるとすぐイライラ
確かに完璧主義な人が仕事で失敗した時、そのストレスは他人よりも大きなものに感じるでしょう。自己肯定感が乏しく自分に自信がない人も、過剰に自己を責めすぎると仕事に対する姿勢が消極的になり、やがてはやる気をなくしてしまいそうです。
どのタイプでも、その特徴自体が悪いというよりは、その特徴をうまく扱うことができない時にマイナスに働いてしまう可能性が高い、と言えるものかもしれません。
仕事でやる気の浮き沈みをなくすために、一度、自己の特性を見直してみましょう。自分の特徴をどう扱えばいいのかを考え、意識して行動するとストレスともうまく付き合えるようになるでしょう。
無気力は突然に…新人の頃、仕事の些細な失敗が原因だった
私の場合、誰の目にも分かりやすく無気力状態へと移行しました。
当時、私は入社して数か月の新人でした。業界や職種についての詳細な説明は控えますが、中途採用での入社でした。職場の雰囲気は、新人であっても積極的に発言し行動できるような、のびのびとした環境です。
働き出した頃、未経験職種ではないものの仕事を覚えることに必死でしたし、ミスや失敗もたくさんしました。心身ともに疲労はかなり溜まっていましたが、しかし、決してつらくはありませんでした。
どちらかといえば前向きに仕事にはりきっており、一生懸命に働いて充実した日々とでも呼べそうな毎日でした。
ところが、ある日、私は仕事で失敗をしてしまい、その日を境に仕事に対するやる気が低下してしまいました。
それは些細な失敗と呼べそうなものでしたが、自分にとってこれまでの勢いをびたっと止めてしまう性質のものでした。自信やがんばり、期待といったポジティブなものを否定するような出来事だと感じてしまい、無気力になりました。
仕事中は疲れやすい、集中力もない、無関心になる
最初の頃は、仕事中、「なんだか、だるいな」と軽く感じる程度でした。
その時にはもう、先の失敗については引きずってはいませんでした。なんというか、無気力を生じさせたその失敗は、無気力スイッチのようなものであり、風邪のウィルスのようにずっと付きまとうストレスではありませんでした。
そのうち、自分でも明らかに集中力を欠いていると自覚するようになりました。そうなるとミスをよくやるようになります。
しかし、「仕事、どうでもいい」という状態です。最低限の業務を淡々とこなしておけばいいという気持ちにもなりました。
気づけば朝、仕事に行きたくないと思うようになり、それからは毎日が苦痛に感じるようになりました。
無気力の改善や対策はできなかったのか?
やる気が出ないと思った時、これはまずいと思い、改善策はないかと自分なりに調べてみました。
- 睡眠を十分にとる
- 運動をする
- 休息をとる
こういった健康改善、ないしは「ストレスを感じやすい人の特徴」を見直すような意識改善の方法を知りましたが、正直、役に立ちませんでした。
おそらく、これはまずいと思った時には無気力の度合いがかなり進行していたからかもしれません。
まだ無気力が浅い時や状態によっては、ほんの少しのリフレッシュや気持ちの切り替えだけでも、通常運転に戻れるかもしれません。
場合によっては数日経てばそれだけで解決できるかもしれません。
ただ、放置しておくと私のように厄介なことになることもあるので気をつけなければいけません。
帰宅後のプライベートも休日も楽しくない、何もしたくない
無気力を感じだすうち、仕事が終わってからのちょっとした気晴らしも楽しく思われず、休日も何もやる気が出ないという状態になりました。
私は当時、帰宅後、晩酌しながらドラマを見たり読書したりしてから寝るのが習慣だったのですが、ドラマも読書も全然集中できずにいました。頭で仕事のことがよぎるということもありましたし、とにかく、内容が入ってきません。
お笑い番組を見ても笑えず、いや、一応は笑っているのですが誰のためにか、愛想笑いのように笑い、心の動きがとても鈍いような感覚がありました。
休日もじっとしており、何か楽しいことをやろうとか、リフレッシュしようとかも思えません。おそらく、その段階ではすでにうつ病になっていたのかもしれません。
憂鬱、食欲不振、不眠などが
精神的には気持ちがふさぎこみ、やる気もないので、ミスで注意されたりすると、過敏に落ち込んだり腹を立てたりするようになりました。
体の方でも不調になり、食欲不振で一日一食、それも軽いものしか食べられず、不眠にもなりました。そんななかで、それなりに忙しく働くわけですから、このまま倒れないかなと何度も思いました。
朝、会社の外観が目に入るだけでも憂鬱に。やがて倒れそうになり、上司に告げてそこでようやく病院に行くことになりました。
気づけば、うつ病になっていた
心療内科に行くと、うつ病だと診断されました。
今思えば、病院に行く時期があまりにも遅すぎると思います。いきなり一週間の休暇をもらうことになり、会社にも迷惑をかけることになりましたし、何よりももっと早くに対応しておけば、心身ともにこれほどぼろぼろになることもなかったかもしれません。
自己診断はせずなるべく早くに心療内科に行った方がいい
もしかしたらすでにうつ病なのかと気になって、ネットで自己診断するのはおすすめできません。違和感があって気になるのなら、一度、心療クリニックで見てもらうのがいいです。
なるべく早くから行動に移すようにしましょう。
私の場合、うつ病になってから病院にいくことになりました。何もかもやる気が出ない状態なので、心療クリニックに電話をかけて予約するだけでもかなり苦労しました。
もし面倒だからとそのまま病院に行かなければ、病気は悪化し、どうなってしまうか分かりません。
もし明らかに心身に何かしらの異常を感じるのであれば、面倒かもしれませんが病院に行った方がいいでしょう。
カウンセリングで相談してみるのも
うつ病などでなく、しかし無気力がひどい気がすると思ったら、カウンセリングを受けるのも一つの方法です。
私もそうでしたが、先生に仕事の悩みを聞いてもらうだけでも、心が少し軽くなりました。また、無気力そしてうつ病に至るまでの経緯を誰かに説明することで、客観的に自分がどういう状態なのかを知ることもできます。
無気力で仕事を辞めたい…退職や転職も考えるべきか?
例えば、ブラック企業や社内いじめなど、そこにいるだけで無気力となり、辞めたいと思う場合にはただちに辞めるべきでしょう。
ただ、そうでない場合、無気力は一時的な状態かもしれないから、その時の気分だけで退職を考えるのは迂闊なのか?
これは個人がなぜ無気力になって辞めたいと考えているのかによるでしょう。
毎日の単調な作業がストレスとなり、やる気をなくしているのであれば、そのストレスを直接的に解決するのは難しいでしょう。単調でつまらない仕事だけど、給料や人間関係に恵まれているからがんばろうなどと、意識的な解決しかできません。
そのため、無気力の原因、つまりストレスの正体をまずははっきりさせましょう。そしてそれが転職という方法でないと解決できないかをまずは考えてみるのもいいかもしれません。
もし転職するなら徹底的にやり方にこだわりましょう。今のような状況にならない職場に移るだけが目的でなく、転職とはよりより生活を築くためのステップアップだと認識し、将来のビジョンを明確にしたうえで取り組むと転職の成功につながります。
無気力が原因で転職したい人がまずしておくべきこと
無気力になり、それを解決するために転職という方法を使う人は、今すぐ転職せずとも、今すぐ転職の準備だけしておいてください。
「やる気がない」が悪化すれば、とりあえず今の職場を退職してしまい、やる気が出ずに転職活動を始めず、長々と無職を続けてしまうおそれがあります。
また、今の会社はブラックだから転職しようと思っても、無気力だと転職活動する気が起こらず、結局、今の職場でずるずる働き続け、5年後、10年後、後悔してしまう可能性もあります。
取り返しのつかない状況になる前に、まずは今すぐにでも転職の準備だけでもしておきましょう。
具体的な方法を示すと次のようなものになります。
- 転職エージェントに登録しておく⇒リクナビエージェントだけでいい
たったこれだけです。これだけで準備しておけばいいです。
登録してもすぐに転職活動を始める必要はありません。また、転職エージェントに今の現状を話し、転職すべきかどうかを相談するだけでも利用できます。
私は何度か転職を繰り返しましたが、転職エージェントを使った時、それまでの転職活動とはまったく違ったものになりました。
まとめ
無気力の予防のために普段から運動や休息を十分にとってリフレッシュをすること、ストレスを受けやすい特性を持っている人はその改善に努めることなど、日々できることはやっておき、状況に応じては心療クリニックを頼りましょう。