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ストレスたまって疲れる…新しい職場に馴染めない【転職体験ブログ第1章第1話】

春といえば出発の季節。明るく希望に満ちあふれたイメージ。

しかし社会人にとってはそうでもなかったりしますよね。入社、転勤、人事異動。新しい職場、新しい業務、新しい人間関係…

その時期、環境が一変することでストレスがたまり、心身が不調になってしまう人が多いみたいです。僕もその一人。

ド底辺の始まりにあたるのが29歳の春。その季節、僕は配属先が移動になりました。それをきっかけに少しずつ心と体が不安定になり、やがて完全に潰れてしまいました。

配属先が異動になるだけでストレス

塾講師の正社員となり2年目に入った頃の話。

本格的に塾長の仕事を覚えることになり、その教育係の上司が運営する校舎へ移動することになりました。形式上は僕が塾長のポジションにつき、上司にサポートしてもらうというような感じです。

2年目で塾長になる準備って早くないんですか?
企業塾では新入社員が数年経って塾長を務めるという流れは一般的な話だと思います。
へえ、そうなんですね。
なので仕事ができるからというわけではありません。
そうですかあ。

以前の校舎では僕が中学時代に世話になった先生が塾長でした。気軽に接する間柄でしたし、塾は慣れ親しんだ地域にありました。

一方、新しい配属先は見知らぬ地域。その上司もたまの会議くらいでしか顔を合わせたことがありません。不安でいっぱいでした。

塾という職場では上司のほか、生徒、アルバイト講師らと人間関係を築かなくてはなりません。

上司は50歳手前の男性です。アルバイト講師らは大学生が中心。生徒は小学生から高校生まで。実に幅広い年齢層の人間たちとそれほど得意でないコミュニケーションをとらなくてはなりません
うーん、塾という場は最初からそういうところだと分かっていたでしょう。明らかに君に不向きなのに。
仕事選びって、偶然の要素が大きくないですか?選んでいるようで、何も選んでないっていうか。
まあ、確かに。君の場合、長いことフリーターだし、向き不向きなんて二の次で、とにかく仕事につくことが大事でしたもんね。

生徒とぎくしゃくで職場へ行きたくない

「ええー、〇〇先生って他に移動したの?嫌だーあの先生がいい」

これは塾講師あるあるですが、授業の担当が僕に変わったことで、前の先生を惜しむ声が耳に入ったりします。
ははっ、君のひきつった顔が目に浮かびますよ。
おまけに前の先生の方が授業がうまかったりすると、生徒たちが他の講師へ愚痴をこぼしたりするのでたまったものではありません。

ある学年の最初の授業。

ふざける子どもに厳しく注意したのが原因となって、その日からそのクラスでは最悪の雰囲気。

前の塾長がゆるい雰囲気で校を作っていたため、僕の方針は子どもから拒絶反応。話をちゃんと聞いてくれなくなりました。

露骨に嫌そうな顔をして僕の背後の黒板を睨みつける子どもの目つきが僕の胃をきりきりさせました。

僕の塾では定期テスト後にアンケートが行われます。四月の時点で早くも、複数のクラスでアンケートがぼろぼろになりそうだと予想がつきました。結果はまさにその通りでした。

嫌がらせ…アルバイト講師とうまくいかない

僕が配属される前からその塾の経営は悪化していました。生徒が退塾し、近所の人気塾へ行ってしまうなんてことが度々重なっていたのです。

原因は複合的なものですが、その一つとしてアルバイト講師の質が問題視されていました。

僕よりも優秀なアルバイトもたくさんいましたが、学生気分でいいかげんに働いて親や生徒からクレームの嵐、退塾が続く、なんて状況を作る厄介なスタッフが何人かいました。

そういう話を聞いていた僕は塾の雰囲気を変えてやるといった態度で臨みました。

珍しく強気だったんですね。
はい。塾長という責任もありましたし、最初ははりきっていたんで。しかし僕のことです、やっぱりうまくいきませんでした。

そのアルバイトらは僕の取り組みが気に食わないようでした。僕にしても人の動かし方がへたくそなせいで早くも険悪ムードになってしまいました。

しばらくするとそのアルバイトらがどうやら陰で僕の悪口を子どもに吹き込むようなまねをしているのを知りました。結果、すでにぎくしゃくした生徒との関係はさらに悪化しました。

なかなか陰湿ですね。
絶望的に何もかも空回りでしたよ。

仕事も非協力的。塾長なんて務まりそうにないと先が思いやられました。

上司と二人きりの職場環境が気になる

アルバイト講師や生徒との人間関係もそうですが、職場環境もそうでした。

昼間など職場には僕と上司の二人きりという状況がほとんど。そういうのが心の疲労とつながったりします。

絶えず見られている感もありますし、仕事で分からないことがあった時、その上司ではない誰かに助けてもらうこともできません。何かあればその人を頼るしかないので、迷惑かけてばっかりだよな、なんて感じもします。

そのほか、職場に慣れてきて上司に対する不満や悩みが出てきても、二人きりだとそれを相談する相手がいません。生徒に相談するわけにもいきませんし、アルバイト講師にしても彼らは上司との付き合いの方が長いので、そういう話題を口にしづらい状況でした。

ただし僕の場合、上司に対する不満はほとんど僕のやつあたりみたいなものでした。その方は面倒見がよくとても親切でした。

問題があるのは僕の方です。これはまだ少し先の話ですが、僕のメンタルが不安定になってきたせいで、日を追うごとに上司のちょっとした嫌な部分が気になりだし、そのうち邪魔者のように見えてきました

そうなると出勤するのがとてもつらい。嫌いな人間と二人きりで過ごすのは苦痛でしかないと感じるようになりました。

どのような職場環境かってのは本当に大切ですよね。

相談する相手がいない

新しい環境では人間関係の構築中ですが、そういう時期だからこそ些細な話でも聞いてもらえる相手がいたら助かります。

相談相手がいる、いないではストレスのあり方もずいぶん変わってきますよね。例えば、こんな統計があります。ストレスを相談できる人の有無の割合です。

厚生労働省「平成 29 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」というものを見るとストレスを相談できる相手がいると答えた人が約90%以上らしいです。この調査の対象者は労働者です。

ちなみに相談相手のいる人のなかで実際に相談した割合というのもあります。20代を見ると約87%の人が相談していました。
僕には驚きです。僕には相談相手がいないんです。
確かに相談相手がいないという話もよく聞きますよね。

職場環境的にも話せる人がいなかったのですが、普段から身近な人間にも仕事の話をほとんどしません。

ひろし、君には友達がいますか?
まあ、一応。
へえ。じゃあ友達には相談しなかったの?
友人にはよく仕事の失敗談なんかを喋ることはありました。でも、真剣な悩み相談といった形では話しませんでした。というのも「それくらいで悩みって。メンタル弱すぎ」って思われないかなという気持ちがあったからです。

社会人らしい社会人を始めたのが28歳。周囲の友達らはもう社会人6年目などになっています。そういう相手に対して、初々しい新卒みたいな悩みを口にするのがどうしても憚られたというわけです。

でも、どんな人間であれ、悩みは抱くものです。気にせず、誰かに話すべきだったんじゃないですか。
今ではそう思えます。自分だけで悩んでいると、ネガティブな方へネガティブな方へとずるずるはまっていきますから。

誰に相談する?その相手は?

ひろしは誰に相談するのが最も良いと考えていますか?
そうですね…僕はできれば職場の人間ですかね。
どうして?
職場の人間だと直に情報を共有しているからです。こちらの苦痛や悩みも伝わりやすい。場合によって直接的に問題解決の支えにもなってくれると思います。
そうですね。じゃあ相談相手がどのような人間か多いか。これもまた調査結果を見てみましょう。

相談相手(出典:厚生労働省「平成 29 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」)

「上司・同僚」よりも「家族や友人」の方が上回っていますね
まあ家族らに話すだけでも気分は変わりますが、愚痴どまりになってしまうことが多いですし、職場の人間に相談したいものですよね。

相談によるストレス対策は効果なし?

相談後のストレス解消グラフ(出典:厚生労働省「平成 28 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」)

「相談した」と「ストレスを解消できた」とは違います。これはストレスを実際に相談した労働者のストレス解消状況の割合。

例えば20~29歳の値を見ると

  • 相談後ストレスを解消されたのは約38%
  • 解消されなかったが気が楽になったのは約56%
  • 解消もされず気が楽にならなかったのは約5%

これは要するに相談しても多くの場合がストレス解消できずにいるということではないでしょうか。

ストレス溜めて当たり前の社会ということですよね。ストレス耐性の限りなくゼロに近い僕には途方に暮れる結果です。ほんと、生きづらい。
そもそもストレスの多くが簡単に解決できる種類のものじゃないですから。
そんな場合に僕みたく「その職場から去るしかない」という決断に出るのかもしれませんね。

仕事のストレスは人間関係?仕事内容?その原因

強いストレスの有無・事柄(出典:厚生労働省「平成 29 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」

20代の場合、強いストレスを感じる事柄があると答えたのが約60%の人です。その事柄は以下のような順で多いようです。

  1. 仕事の質や量
  2. 仕事の失敗や責任の発生等
  3. 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)
「仕事の量」というのは残業ばりばりの過労などの話だと思いますが「仕事の質」とは「仕事内容」という感じでしょうか。
そうですね。「失敗」などは一過性の強いストレスと言えそうです。これは時間が解決してくれることが多い。
ストレスの解決という点では「対人関係」は長期的な目で見れば比較的改善されやすいかもしれませんね。
配置変えなど考慮してくれることもありますし。
「仕事の質や量」が最も改善困難な気がします。
与えられた職務内容についてどうのこうの言い出しにくいし、そもそも改善不可能な環境もあり得るから。対人関係もそうですが。

もう限界…業務のミスマッチ感でも

塾長の勉強ということで業務幅が広がりました。新しい仕事を覚えるのも、やっぱり大変です。

新しい環境での仕事って本当に酷ですよね。人間関係も微妙なうえに、ホッチキスがどこにあるのかさえ分からないストレス。そのうえで新しい仕事を身につけていかなくてはなりません。

最初の業務としては保護者への挨拶がありました。これまでは授業や事務作業が中心で、保護者と関わることは多くありませんでした。塾長になると保護者対応が重要な任務になってきます。

塾長として求められるのはサービス業的能力、接客や営業の能力でした。

「始めまして。今月から配属となりました●●と申します。社会科を担当しております」

こんな電話を60軒以上かけなくてはなりませんでした。お便りやメールだったらいけないのかなと内心億劫だったのですが、上司に営業として電話するように指示されました。

配属当初は、昼間に保護者に何軒か電話し、夜の授業の間にも何軒か、を毎日繰り返していました。子機を握るだけでも少し憂鬱になり、話している間、汗がとめどなく流れてきたのを覚えています。

甘いと言われればそれまでですが、僕はこういう苦手な業務があれば、ずっとそればかり気になって仕方がなくなります。この先、こういう営業的な仕事がさらに増えると想像しただけでも憂鬱でした。
まあ、君の場合は辞めてよかったとぼくは思いますよ。
僕もそう思います。それに、今でなら自分に合った仕事が見つかるということも分かりましたし。

まとめ

「みんな、しんどいんだからがんばれよ」と言いますが、ストレス耐性は個人によってばらばらです。

新しい環境になり、あらゆる角度からストレスを抱え込み、僕は雪だるま式に苦痛を溜めこんでいきました。

それでも「がんばらないといけない」という気持ちで当初はどうにか踏ん張っていたんですが、自分でも気づかぬうちに精神の調子がおかしくなりだしました。

次はそういった話です。

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