心療クリニックで思わぬ診断結果が【転職体験ブログ第2章第1話】
眠れない。食べられない。ぼんやりする。体を動かしたときに違和感がある。
そういった症状が出て倒れそうになった僕は、辞めたいと上司に伝えました。
すると、この先どうするかはひとまず置いといて病院に行くように指示されました。
僕は心療クリニックへ。そこで意外な事実が待ち受けていました。
今回からは休職期間のお話です。
病院へ予約の電話を入れる気力すら出ない
全ての業務をほっぽりだして休暇をもらいました。その時は休職ではなく、短い休みをもらっただけです。
相変わらず朝方にならないと眠りにつけませんでしたが、いつもよりもはきちんと睡眠がとれました。
独り暮らしをしていたんですが、ふと部屋を眺めると、ひどく散らかっているのに気がつきました。床に衣類が投げ捨てられ、ゴミも捨てずに溜まったまま、テーブルにはビール缶や吸い殻であふれかえっていました。
「掃除しないとな」
そう思うんですが気力が湧きません。その日、僕は夜までひたすらゴロゴロしていました。
休みをもらったのは土曜日と月曜日でした。日曜はいつもの休日なので、その三日のうちに病院に行くように言われていました。
その次の日の夕方、上司から電話がありました。
「どうだった?」
「何がですか?」
「病院だよ。結果は?」
「すみません。まだ行ってないです」
「じゃあ明日か」
「そのつもりです」
「つもりって、予約してないのか?」
「まだです」
すぐに電話して予約を取るように言われました。
一カ月待ち?心療クリニックの予約がとれない
スマホで近所の心療クリニックを調べました。
生まれてこの方、心療内科にお世話になったことはありませんでした。
評判のクリニックを見つけたので電話をかけてみました。
「はい、〇〇ココロのクリニックです」
「すみません。診察の予約をしたいんですが」
「初診の方ですか?」
「そうです」
「すみません、初診の方だと一カ月先まで予約が埋まっております。よろしいですか?」
すると「すみません、初診の方は一カ月ほどお待ちにならないと予約がとれません」と先ほどとよく似たフレーズが聞こえてきます。
三件目も同じ、四件目は三週間待ち。五件目は一カ月以上先でした。
飛び込みの診察はどうだろうかと思って調べてみるとどこも予約が必要だとなっています。
僕の住まう地域には十件ほどかけました。しかしどこも三日の休暇中では予約がとれません。どうしようと焦ってきました。
休暇中に調子が快復しそうにもありません。もし一週間後に予約だとして、それまで通常通りに勤務するように言われたら、正直行く自信がありません。
だからといってそれまでずっと休めば中途半端に迷惑をかけてしまいます。
慌てだした僕は範囲を広げて電話をかけまくりました。何軒目だったでしょうか、都内のメンタルクリニックなら月曜日に診察してもらえると判明。ほっと一安心です。
しかしその病院まで電車で一時間以上かかります。おまけに都内で人混みも多いです。ここでも面倒くさく感じ、当日ちゃんと病院に行けるか心配でした。
心療クリニックの風景
都内のビルに入る病院だからか、サラリーマン風の男性や20代の男女がちらほら。
待合室にいる彼らはみな元気がなく、ぐったり疲れている様子です。院内はラベンダーの香りで包まれ、ヒーリングミュージックが静かに流れていました。
受付を済ませてソファに座って待っていると、一人の男性スタッフがやって来ました。
「こちらにご記入お願いします。終わったら声かけてください」
しばらく待っていると白衣を着た男性がやって来て、僕をある部屋に通しました。
デスクを挟んで向かい合って座りました。後で分かったのですが、その人は医師ではなく相談員らしいです。
その相談員が患者のデータをまとめ、それに基づいて医師が診察するという流れでした。
相談員の男性は僕の書いたアンケートを読みながらいろいろ質問してきました。
「友達は多い方ですか?少ない方ですか?」
「少ないですね」
そう答えると、パソコンにその情報を打ち込みます。
「仕事中、落ち着かないことはありますか?」
「まあ、なくはないです」
「何か強いこだわりを持っていたりしますか?」
「場合によっては」
そういう話題を深く掘り下げて話しました。はっきりした時間を記憶してはいませんが、15分から20分くらい自分のことを語りました。
診断結果
その後、ずいぶん待たされた後、診察室に通されました。そこに入って始めて、先ほどの男性は先生でないと分かりました。
その医師にも、症状を尋ねられました。僕はああだこうだと答えました。身も心もボロボロになった要因を二人で見つけるように話し合いました。先生は余計な口を挟まず、僕の仕事の悩みに耳を傾けてくれました。
10分から15分くらいでしょうか。いろんな質問をされたのち、先生からこう診断されました。
「双極性障害かもしれませんね。いわゆる躁うつ病ではないかと」
「うつではないんですか?」
「ええ、うつ病とはまた別の病気です」
ただし、絶対にそうだとまでは断定されませんでした。精神疾患は「検査してインフルエンザでした」というように簡単には診断できないみたいです。
双極性障害らしい
双極性障害は何でも、うつの状態とハイの状態を繰り返すらしいです。
うつ状態には覚えはありました。食欲がないし、眠れない。反応が鈍くなる。何をしても楽しくない。気分が晴れない。要するに、テンション落ちっぱなし。
しかし躁の状態には自覚はありませんでした。
(出典:厚生労働省「双極性障害(躁うつ病)」)
それでも医師にハイの症状を説明された時、思い当たるふしがいくつかありました。5月を過ぎたあたりから鬱の症状が出ていたのですが、4月の頃には確かにハイだった気がします。
帰宅しても仕事のことばかり考え続け、しかもそれほど苦痛でなく、むしろ楽しむように思考していました。
もっともうつ状態に入ってからも思考は止まらなかったのですが、その期間はいやな考えばかりが浮かんで消えてくれないという感じでした。
塾長という立場となり、はりきっていたこともあり、自分ならこの低迷した塾を変えられると自信満々でした。
そのため、問題あるアルバイト講師などをどうにかしてやると攻撃的なほど改善すべき点を指摘し、そのために関係がぎくしゃくしてしまいました。
何でもその時期、いったん話だしたらものすごい勢いでぺちゃくちゃ喋り、しかも脈絡がなかったそうです。次から次へと頭に浮かぶいろんな考えをそのまま声に出しているという感じ。
そういえば人と話していると相手の話すスピードが遅いように思った気がします。
その説明をされた後でした。医師は次のように言いました。
「これからもっと綿密に病気を見極めていきましょう。来週以降に別の検査をしてみましょう」
「何の検査ですか?」
医師はどこか躊躇ったような表情になりました。
「心の病気は類似した症状が多いので、時間をかけて見極めていかなければいけません。一応、発達障害の検査をしてみようと思います」
「その可能性があるんですか?」
「可能性がないことはないですが、念のために検査するだけなので。先ほど言いましたようにどのような病気なのかをしっかり見極めるために」
どことなく言い訳がましい話しぶりでしたが、とにかく発達障害かもしれないという事実が判明したわけでした。
まとめ
もともとメンタルが弱すぎるタイプですが、まさか心の病気になるとは思いもしませんでした。
今は元気を取り戻せていますが、当時は本当につらかったです。この苦痛が一生続くのではないかとさえ感じられます。
同じような経験をされている方もいらっしゃるはずですが、曇り空がぱっと開けて明るくなる時が必ず訪れます。
ただ、つらい現状を放置しておくと悪い方へ進んでいってしまうこともあります。気力がいるので大変ですが、どうにか重い腰をあげてラクな方へと進みましょう。
苦痛が大きくてやばいという方は迷わず逃げてください!それは逃げではないですから。あなたの幸福を一番に考えてください。