【STEP1】転職する?退職すべき?迷っている方へ《転職成功ガイド》
- 転職しようか悩んでいる…
- 今の仕事、辞めたい…
「転職」というコトバが頭にちらついた時、すでに転職活動は始まっています。転職活動の出発点は、転職するかどうかを考えるところです。
転職したい理由は人それぞれ違いますが、最初のステップとして自己や仕事を見つめ直す作業を徹底して行っておきましょう。
客観的な自己分析はこれから始まる転職活動全体を通してとても重要になってくるポイントです。
ステップ1では自己分析の思考材料となる話題を扱いますので、転職すべきかどうか、どのように転職を進めるかを考えるための参考にしていただけたら嬉しいです。
転職活動を始める前にやっておこう!まずは「転職したい理由」「退職理由」から
転職しようか考えるきっかけとなった原因は何でしょうか?
- 過労やストレスで潰れてしまいそうだから
- 人間関係がうまくいかないから
- 仕事がつまらないから
- 給与が安いから
退職したくなる理由が一つの場合もあれば、様々な要素がからみあっている場合もあるでしょう。
いずれにせよ、何かしらの不満を抱いているから辞めたくなるはず。転職とはその不満を改善し、より良い未来を作っていくものです。
そんな風にいえば「何をそんな当たり前な話を…」と思うかもしれませんが、案外、本当の意味で、転職できている人は少数です。
「不満の今」から抜け出して「より良い未来」を作るのが転職
転職とは現在の不満を改善し、より良い未来を作っていくものだと言いました。そのことについてよく考えるために、次のような想像をしてみてください。
- 今とは違う職場で働く自分
おそらく、悪いイメージを抱く人はいないはずです。
現状の不満を解消した自分を思い描くと解放的な気持ちになりますし、こういう期待があるからこそ転職を考えていると思います。
ところが次のようなイメージも案外、鮮明に浮かぶのではないでしょうか。
- 辞めた職場と似たり寄ったりな苦労をしている自分
こういう転職をしてしまう方は珍しくありません。
いざ転職活動を始めてみたが、思うように採用されないと焦りだす。働きながらの求人探し、履歴書作成、面接でくたびれ、ついには「とりあえず何でもいいから次の仕事を見つけて、今の職場から去れたらいいや」と勢いで転職。
転職の実情を見ると「不満な今」を解消することで転職活動が終ってしまうケースがほとんど。
せっかく「より良い未来」を作るチャンスなのにこれではもったいないですし、最悪、ひたすら転職を繰り返してしまうことになりかねません。
こういったブレた転職にならないために必要なのがまず「転職したい理由」を分析すること。そして、それを軸に進路を定めて転職活動を進めていくことです。
まずはこの点をしっかり頭に留めておきましょう。
転職しない方がいいケース・転職した方がいいケース
転職を考えている方のなかには、転職しない方がいい、または、転職しなくてもいいといったケースもあります。
この辺の見極めを自分だけで行うのは難しいです。転職すべきか知りたい場合、キャリアアドバイザーに相談するのが手っ取り早いと言えます。詳しくはあとで説明しますが、転職のプロによる客観性の高い意見がもらえるからです。
とはいえ、自分だけでじっくり考えて判断してみることも大切です。自分なりの意見をまとめたうえで相談すると、より実りあるアドバイスがもらえます。
転職すべきかどうかの自己診断の方法
転職すべきかどうかを考えてみる時、次のような方法があります。あくまで一例ですので、様々な視点から分析してみるのがいいでしょう。大事なのは、転職動機を深めていくということです。
まず、直感的にでもいいので「転職したい理由」を思い浮かべてみましょう。
例えばAさんの場合、「なんとなく、しんどいから」という理由が浮かびました。次にこの原因をより具体的な形にしていきます。
- 「なんとなしくしんどいから」⇒「残業が多いから」
次に、転職しなければ不満を改善できないかシミュレーションしてみます。
- 残業が多いから(-)⇒業務効率の改善⇒許容範囲内の残業量になる(+)
- 残業が多いから(-)⇒改善不可能⇒残業の少ない職場へ転職(+)
「転職しない」「転職をやめる」のも選択肢
1のように、自分の行動や他者への働きかけ、意識の持ち方を変えることで、不満だったものが改善されるようなケースもあります。悩みがあれば黙って辞める前に上司や同僚に相談してみたら、とよく言いますがこういうこともあるからでしょう。
1の結果になり得る転職理由であれば慎重に転職するか決めた方がいいかもしれません。
それに対して2のように転職しない限り、何をどうしてもプラスには転じないと判断できた場合には転職活動を進めるべきだと思います。
ただし、自己診断のベースにあるものは自分の考え方やものの見方、感情や気分、自分が持っている知識や経験です。その個人は仕事を辞めたいと思っている人間でもあります。
「実際には今の職場でも改善できる不満なのに、そのことに気づいていないから改善不可能と見なす」「そもそも自分の不満は客観的に見ると不満とは言えない」などといったこともあります。
そのため、転職活動を始めるにあたって第三者に相談して意見をもらうことはとても重要なのです。
転職する悩んだ時の相談相手は誰がいい?
先に触れたように、相談するなら転職エージェントサイトのキャリアアドバイザーをおすすめします。
職場の上司であれば、辞めない方へと話を持っていくこともありますし、親や家族や恋人であれば個人的な感情から意見してくることもあります。
でも、求人を紹介してくれるキャリアアドバイザーという立場だったら、上司とは反対に積極的に転職させようとするのではないか?という疑問が生まれます。
確かにキャリアアドバイザーはその個人にマッチした求人紹介、企業への年収交渉、履歴書作成や面接対策のサポートなどが主な業務です。
しかし、厳密にいえば求職者と企業をつなげるのがキャリアアドバイザーの仕事です。
つまり、求職者へのサービス提供と同時に、求人を委託された企業側へのサービス提供でもありますから、誰彼構わずエントリーさせるわけではないのです。
そういった事情もあり、無理な転職を勧めることはありません。
相談した求職者によっては「転職すべきかじっくり考えた方がいいと思いますよ」と親身になって意見してくれます。転職のプロでもありますし、相談相手としてはうってつけなのです。
勢いで辞めてしまうことはいけないことなのか?
とにかく今の職場が嫌い、今すぐでも辞めたい、だから辞めるってのはいけないのことなの?
仮に、そういう気持ちにさせるのが漠然とした不満であり、実はその個人に原因があって会社や同僚のせいではないとします。
それでも、勢いで転職するのもおかしくはないと言えそうです。
確かに、そんな理由で辞めてしまえば、ほかの職場でも同じような不満を抱いて辞めてしまうなんてことも起こり得ます。
しかし突き詰めていけば「本人がそう望んで行動に移した結果であれば、その良し悪しがどうであれ、深い心理での後悔は生まれにくい」と思うからです。
「ああ、他人の助言を聞いとけばよかった」と思うことはありますが、それは結局、浅い層での悔いです。自らの意思を果たせなかった結果のほうが、その良し悪しにかかわらず後悔しやすい気がします。
とはいえ、後悔はせずとも苦労するかもしません。それも理解したうえでなら、衝動的な転職も悪くはなさそうです。
長く働く必要はない?転職に不利?
上司に退職の相談をした際「勤務年数が短いと転職が不利になる。よそで雇ってもらえない。もう少し続けてみたら」と言われたという話をちらほら聞きます。
退職のタイミングをどうすればいいか考えてみましょう。
2年?3年?何年目で辞めるべき?
統計的に言えば、20代に関してはそれほど長く勤務せずに退職する人が多いです。
次の数値は大学卒業者が働きだして3年以内に辞めた割合です(参照:厚生労働省「新規大卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者)」)。
- 1年目で辞めた:11.9%
- 2年目で辞めた:10.4%
- 3年目で辞めた:9.5%
つまり、大学を卒業して三年以内に辞めた新卒者は10人に3人ほどの値になります。
すぐ辞めるメリット・デメリット
すぐに辞めてしまうことで、どのような損得があるのかいくつか並べて比較してみます。
- 新しい職場で早くから経験を積む方が有益
- 苦痛をすぐに回避できる
- 第二新卒などの立場でエントリーできる
- 転職活動で不利になる
- 長期的な目でみれば今の不満が改善できたかもしれない
- 転職すべきかの判断材料が少ない
ブラック企業などなら、辞める時期など考えずにすぐに辞めるべきでしょうが、そういったケースとは別の動機で辞めたい時には辞めるタイミングが気になります。
あまりに早く辞めてしまうと転職活動の際、それだけでも悪い印象を与えることもあるでしょう。退職理由も上手に説明しなければなりません。
キャリアが短ければ当然、自己アピールになる「仕事の取り組んだこと、その成果やノウハウ」がないので不利になる可能性もあります。それに本当に転職すべきかという判断も難しそうではあります。
しかし、次の職場が初めての職場だというくらいの気持ちで転職しバリバリ働くことができるのなら、結果的に早めに辞めてしまってよかったとなりそうです。
また、第二新卒という扱いでエントリーできるような状況なら、経験よりもポテンシャル重視で採用してくれる企業も少なくないはずです。
半年など短い期間ですぐ辞めても問題なし!転職活動は見せ方が全て
辞めるタイミングについてですが、転職活動への影響という面では「辞める時期がどうあれ、応募企業への見せ方が上手にできれば採用される」といっていいかもしれません。
例えば現在の職場を2,3カ月や半年ほどで辞めてしまっても、極端な言い方をすれば、転職活動に支障ありません。
履歴書も面接も伝え方、見せ方さえ上手くできれば、どのような職歴でも前向きなアピールに変えることができます。
辞めるタイミングについて考えるよりも、なぜ辞めるのかといった理由、これからしたい仕事、希望の求人、その求人に採用される方法など未来の進路について吟味し、計画的に行動することが肝心です。
転職市場の状況は?求人数・有効求人倍率について
(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(平成30年12月分及び平成30年分)について」)
厚生労働省が発表している有効求人倍率のデータをもとに、現在の転職市場について見てみましょう。
画像の赤マークをした倍率というのが「有効求人倍率」というものです。
有効求人倍率は求職者数に対する求人数の割合のことです。簡単にいえば、仕事を探している人の数と求人数の関係を表す数値です。
有効求人倍率の値が1より小さければ「求職者より、求人数の方が少ない。だから就職難」とされており、1より大きければ「求職者より、求人数の方がたくさん。だから求職者に有利」とされています。
- 平成27年度平均⇒1.08倍
- 平成28年度平均⇒1.23倍
- 平成29年度平均⇒1.41倍
- 平成30年度12月⇒1.61倍
数値を見ての通り、ここ近年では1を上回った売り手市場であり、年々上昇しているのが分かります。2018年度の「1.61倍」は1973年以来、45年ぶりの高水準だそうです。
社会的に見れば雇用の人手不足ということですが、転職を考えている方にはチャンスと言えるでしょう。
職業別の有効求人倍率
次に職業別で有効求人倍率を見てみましょう。いくつかの職業をピックアップしてみます。先ほどと同じく出典元は厚生労働省の「一般職業紹介状況」によるデータとなります。
- 営業⇒1.99
- 一般事務⇒0.38
- 情報処理・通信技術者⇒2.65
- 商品販売⇒2.30
- 管理的職業⇒1.82
一般事務のように「事務系」では求職者に比べて求人数が少ない状況ですが、その他の職種については1を上回り、求人数の方が多いという傾向でした。
どのような職種で転職を考えている方も今が好機と言えるでしょう。
都道府県別の有効求人倍率
都道府県 | 平成31年1月 |
---|---|
全国 | 1.63 |
北海道 | |
北海道 | 1.28 |
東北 | |
青森県 | 1.47 |
岩手県 | 1.58 |
宮城県 | 1.67 |
秋田県 | 1.65 |
山形県 | 1.76 |
福島県 | 1.66 |
関東 | |
茨城県 | 1.81 |
栃木県 | 1.54 |
群馬県 | 1.86 |
埼玉県 | 1.50 |
千葉県 | 1.51 |
東京都 | 1.54 |
神奈川県 | 1.42 |
北陸/甲信越 | |
新潟県 | 1.70 |
富山県 | 2.19 |
石川県 | 1.97 |
福井県 | 2.25 |
山梨県 | 1.63 |
長野県 | 1.74 |
東海 | |
岐阜県 | 2.17 |
静岡県 | 1.78 |
愛知県 | 1.92 |
三重県 | 2.04 |
関西 | |
滋賀県 | 1.69 |
京都府 | 1.59 |
大阪府 | 1.53 |
兵庫県 | 1.56 |
奈良県 | 1.67 |
和歌山県 | 1.45 |
中国 | |
鳥取県 | 1.77 |
島根県 | 1.93 |
岡山県 | 1.98 |
広島県 | 1.83 |
山口県 | 1.91 |
四国 | |
徳島県 | 1.62 |
香川県 | 1.86 |
愛媛県 | 1.81 |
高知県 | 1.26 |
九州/沖縄 | |
福岡県 | 1.43 |
佐賀県 | 1.59 |
長崎県 | 1.34 |
熊本県 | 1.81 |
大分県 | 1.70 |
宮崎県 | 1.59 |
鹿児島県 | 1.40 |
沖縄県 | 1.38 |
東京と福井の2.12倍が最高、神奈川県の1.20が最低となりましたが、概して地域という観点で求人状況を心配する必要はないような数値となっています。
まとめ
転職の進め方ステップ1では、なぜ転職したいのかという理由を自己分析することが大切だという話をしました。転職すると決めた方も、まだ迷っているという方も必ずこの作業はしておきましょう。
本文のポイントを整理しておきます。
- 転職したい理由を分析する
- 第三者に相談して意見をもらう
- 大学を卒業して三年以内に辞めた新卒者は10人に3人ほどの値
- すぐに辞めてしまうことにはメリット・デメリットどちらもある
- 短い期間ですぐ辞めても転職に支障はない
- 有効求人倍率が平成30年度12月で1.61倍で、転職に有利な状況
- 職種や地域にかかわらず、転職の好機
- 積極的に転職エージェントを活用する
転職する最大の目的はよりより生活を築くことです。もし現状維持の方がその目的に適っているなら、転職をやめるというのも選択肢の一つです。
ただし、自己分析によって転職すべきか判断するのは個人の心境に大きく左右されます。正しい選択なのか、誤った選択なのかを見極めるには第三者の力を借りるべきでしょう。
転職するか迷っている方ほど、キャリアドバイザーに話を聞いてもらってください。不安の解消にもなりますし、漠然とした進路をクリアにして今後の転職プランを上手に立てるのにも役立ってくれるはずです。