うまく働けない…処理能力や理解力、指示が分からないと悩むあなたへ
仕事ができない、うまく働けない、処理能力や理解力がない…。僕自身、そんな悩みを抱えて働いてきました。
今回は僕の経験談を交えて仕事の能力という話題を中心に書いていきます。
グッドポイント診断の体験レポートの記事『「怖いほど当たる」と噂の長所診断【グッドポイント診断】がすごい!』をぜひ読んでみてください。
どうしてだか、他の同僚たちのようにうまく働けない
かつての勤め先で、僕は点数でいえば3点くらいの雇われの身だな、とそんなことをよく思いました。
上司の怪訝そうに首をかしげる仕草。どこか小ばかにするような呆れた表情。意思疎通のもどかしそうな、苛立った口調。
そんな状況を味わう度、心の底からやりきれない感情が湧き上がってきて、僕はその場から逃げ出したくなったものです。それは上司に、というより、僕自身に対する嫌悪感。
どうしてだか、他の同僚たちのようにうまく働けない。
理解力がない、と言われた中学時代
思えば子どもの頃からずっと、同じことの繰り返しじゃなかったか。
授業中、先生に質問された時の、見当違いの解答。
先生「おい、ちゃんと話、聞いてたか?」
あるいは部活中、顧問に指示された時の、的外れな対応。
顧問「何やってるんだ。そんなこと言ったか?」
学校という集団のなかで上司にあたる人間たちともそんなやり取りが多々ありました。それからもう一つ。どうしてだか、今でも忘れられない中学時代の記憶の一片。
友人と下校していた時のことです。その子は突然、こんなことを言い出しました。
「お前は理解力がないよな」
いったい何について喋っていたかまでは思い出せませんが、とにかく不意打ちを食らったような気持ちになったのを覚えています。
相手は仲良しの子だったので、たぶん嫌味や意地悪のつもりではなかったはずです。その口調はあまりにも、気づいたことを報告した、といった感じでした。ちなみにですが彼はずば抜けた秀才君などでもありません。
実はそれとまったく同一の言葉を、かつての上司にも冗談っぽく言われたことがありました。その時はさすがに笑えなかったですが、両親や高校時代の友人にも類似の発言をされた経験があります。
働きながら何度も心で呟いていたこと
辞めた職場でよく心のなかで呟いていたのが次のようなものです。
- 理解力がない
- 人の話をうまく聞けない
- 指示が分からない
- 処理能力がない
- マルチタスクができない
「ない」ばかりが連なってしまうので、僕はこれを「ないの連鎖」と名づけました。いったんこれにはまり込めば、どうやってもその嫌悪感や劣等感から抜け出せない。
自信は喪失し、他人の目が気になりだし、一挙手一投足さえも怖くなり、フリーズしたような状態に陥ってしまう。そしてまた、失敗する。
ちなみに、この「ないの連鎖」が他人に向けば、相手への不満や憎悪につながり、これもまた人間関係の不和につながるかもしれませんね。僕のせいかもしれませんが、上司との関係はそういう状況でした。
できない自分の改善の仕方が分からない
困ったことは、どうやって改善すればいいのか分からない。もちろん、工夫や努力のできることもあるでしょうが、もっと本質的な問題があるような、と。
そもそも、改善できるものなのか。
真剣に耳を傾け、相手の言葉をキャッチしたはずなのに、どういうわけか、そこには他者とのズレがある。ズレを埋めれば円滑に働けるかもしれない、でも、どうやって……、と堂々巡り。
僕のように子どもの頃からずっと悩んでいる人もいるでしょうし、働き出してから自覚した人もいるでしょう。
出口のない感覚で毎日出社して苦しんでいる方に伝えたいことがあります。
僕は3点です。今でもそうです。でも、僕は現在、それに悩んでいません。なぜなら、僕に70点をつけてくれる人たちと出会ったからです。
つらい現状を抜け出すためにはそういう環境を探すことが大事だと思っています。
仕事ができる人・仕事ができない人の特徴
毎日通勤するのが嫌で嫌でたまらない日々が続いていた頃の話。
僕は電車に揺られながら、スマホの画面を見つめて頻繁に読んでいた記事がありました。それは「仕事のできる人の特徴」「仕事のできない人の特徴」です。
仕事のできる人の特徴
一例ですが「仕事のできる人の特徴」にはこんな内容がありました。
- レスポンスが早い
- 意思決定が早い
- 行動量が多い
- 計画性がある
- 社交的である
- 論理的である
- 情報感度が高い・情報収集をしている
- 質問ができる
仕事のできない人の特徴
次に「仕事のできない人の特徴」を挙げます。
- メモを取るだけで終わっている
- 知ったかぶりをする
- 同じミスを繰り返す
- 他人のせいにする
- マイナス思考
- 優先順位を立てない
- だらだらと残業する
- ホウレンソウができない
慰めだけを欲しがっていませんか?
仕事ができる人・できない人といった記事を読んでいた時を振り返り、今になって気づいたことがあります。それは「慰めでしかない」ということ。
慰めの方法は2つ。
- 「あ、仕事のできる人と僕にも同じ所があるんだ」という積極的な慰め。
- 「ああ、やっぱり仕事のできない人と同じ所が多いよな」という消極的な慰め。
後者は慰めに見えませんが、軽度の自責は自分自身を同情することにつながっているように思えます。「生れて、すみません」のフレーズで有名な太宰治なんかも、どこか自己卑下のうちに自己愛のようなものを感じますよね。
もちろん、これは僕の個人的な体験による自己分析。心理学などから拾ってきた知識でも何でもありませんから、僕にしか当てはまらないかもしれません。
僕が言いたかったのは、そういった情報によって、自分をどうにかプラスに転じようという気はなかった、ということです。要するに、僕は毎日の憂鬱を漠然とごまかすことばかりに気が向いていたのです。
今をどうにか変えたいのなら、それに応じた意識や行動が必要になってくるはずです。
仕事のできない僕の体験談
仕事でこんな出来事がありました。
僕は新しい仕事を教えてもらうために、上司から説明を受けていました。これはこうで、だからこうするんだ、と上司が話し、僕は耳を傾け、メモを書き留めます。時折、口を挟んで分からない点や気になった点は自分なりに質問もしました。
一つだけ言っておくと、上司の説明の仕方はきっと下手ではありません。恥ずかしい話ですが、一度、同僚に、あの上司の教え方についてどう思う?と尋ねたことがありました。同僚は、上手な方だよ、と答えていました。
説明が終わると「本当に分かったか?」と疑わしそうな顔で、上司に尋ねられました。
いつ頃からか、僕に何かを教えた後には決まってその確認をするようになっていたんです。というのも、僕が毎度、教えられた通りに動けず、どこかおかしなことをするからです。
僕は知ったかぶりなどでなく、本当に理解した、と思って、大丈夫です、と答えています。ここに嘘はないんです。
しかし、その時も上司と僕との意思疎通に齟齬があったんです。
もし上司があまりにも暇で、僕が逐一上司に確認してもらいながら作業を進めれば未然に防ぐこともできるでしょうが、そんな状況はありません。
この体験から「仕事のできない人の特徴」を書くとすれば、あなたならどう書きますか?
仕事のできない原因は……
悩んでいた時期、一つの仮定に辿り着きました。それは、僕の性質に何かあるのではないか、と。
別のところでも書きましたが、僕には発達障害があり、おまけに退職前の時期は精神疾患も患っていました。
そう診断された当事者ではありますが、やはりセンシティブな話題なので、これから書くことには少しためらいも覚えます。しかし、同じように苦しんでいる方もたくさんいらっしゃるかもしれないので、正直に書いていくことにします。
どこかが変なのかな?
仕事に悩んでいたその時期にはまだ自分の障害について知りませんでした。その頃の心中をありのままに書きますが、僕はこう思ったんです。
僕の頭はどこか変なところがあるんじゃないかな。
教育業界にいたこともあり、浅い知識ではありますが発達障害については知っていました。結果的にはそうだったわけですが、はっきり言って、思いついた時は不純な発想からでした。
僕は「仕事のできない自分」や「他人とのズレ」を何かしらの責任に押しつけ、自分を肯定したかったわけです。言い訳になりますが、そうでもしない限り、苦しかった、というのもまた事実なんですが。
どうやって生きやすくするか?
仕事のできない原因が全て、自分の性質にあるとは言いませんが、それでも診断を受けたあとは不思議と救われた気分になりました。
みなさんも、思い当たるふしがあってどうしても気になるのであれば、心療クリニックに行かれるのもよいかと思います。結果がどうであれ、気分がいくらか変わることもあるかもしれません。
苦しんでいるならそれを取り除く手段としていろいろ試みるというのは大切なことだと思います。
僕の場合、病院に診断しに行ったことで、冷静に自分を見つめる機会になりました。将来についてこれまでになく真剣に考えるようになりました。そしてその後、僕が考えるようになったのはたった一つのことだけです。
どうやったら生きやすくなるか。
その方法は個人によって様々でしょうが、僕は転職を決意し、退職へという流れを選びました。
ただし、心療クリニックの医師に言われたのですが、結局、僕は僕の性質と一生付き合っていかなければなりません。それはつまり、僕自身の改善には限度があるということを自覚するということです。
できないものはできない。時には、それを認めてしまうことも必要なんです。大事なのはその後、どう動きだすか。
うまく働けない自分を気にしないために
僕はもう、自分に点数をつけるのをやめました。いや、妙な言い方でしょうが、点数はつけ続け、しかしずっと3点でも構わないつもりでいる覚悟を決めました。
当たり前の話ですが、点数をつけるのは他者です。
僕はしかし、僕と他者のつける点数はだいたい近似すると思っていました。僕が3点なら会社は2,3点をつけるだろう、と。
だから転職するかどうか迷いました。ただ場所をかえて苦しむだけじゃないかと、大胆に踏み出せなかった。
これは誤認です。転職活動を通じて、そのパターンばかりではないのだと知りました。もちろん僕は全ての人に転職した方がいいですよ、と勧めているわけではありません。
ただ、経験上、僕のような悩みを持っている方は、ものの見方を調整していく必要があるんじゃないかと思います。そうじゃないと、生きづらい。
つまり、他者とのズレを埋めるのではなく、できる限りズレを気にせずにいられるにはどうすればいいのか。それを基準に選択して生きる。
僕はその意識を大切にして行動しています。
まとめ
仕事ができないと悩む方はたくさんいますが、その問題を解決すべく動き出す人は少数なんじゃないかなという気がします。
みなさんも、会社での現状のありようだけに目を凝らすのではなく、ちょっと視線を逸らして、いろんな角度から人生を眺めてみてはどうでしょうか。
今よりも居心地の良い環境は必ず存在します。あとは行動するかどうかです。