辞めようぜ!20代の離職率と産業別ランキング
今の会社で働いていていいのか。もし転職するならこの数年のうちにしないといけないんじゃないか。
20代の働く方はそうやって悩むことが多いみたいですよね。
できるならずっと一つの仕事を続けていきたい。
今回は離職率から転職について考えていきたいです。
離職率とは
離職とは会社を辞めたり失業したりすること。その割合がどれくらいかという値が離職率。
計算対象は様々です。「新卒の社員で3年以内に退職した者の割合」や「一年間のうちに全従業員のなかで辞めた者の割合」など。
例えば「全従業員100名。ある年に20名が退職すればその年の離職率は20%」という感じです。もし半分辞めたら離職率50%になります。
厚労省のページに計算方法が記載されてますが、ここで紹介しても意味がないので省略します。なんとなく感覚的に分かればいいと思うので。
大学新卒者は3年以内に3割が辞めている?
厚生労働省が「新卒者の三年以内の離職率」を算出しています。中学卒、高校卒と学歴ごとにグラフ化されてますが、ここでは大学卒のデータを見ていきたいです。
(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移」)
これは大学卒業後三年間のうちの離職率をグラフにしたものです。
見方を簡単にだけ説明します。横軸は平成の年度。平成20年だったらその年の3月に大学を卒業した者を表しています。縦軸が離職率。
横軸の年数のうえに4つの数字が積まれています。下から順に
- 1年目で辞めた離職率
- 2年目で辞めた離職率
- 3年目で辞めた離職率
- 三年以内の離職率(合計)
平成27年や平成28年の卒業者に青い部分がないのはまだ三年経ってない(もしくは経っているが調査中)なのでデータが取れてないということです。
平成26年大学卒業者の離職率を見ると
- 一年目で辞めた:12.3%
- 二年目で辞めた:10.6%
- 三年目で辞めた:9.4%
となっており、三年以内に離職した割合は32.2%です。
もし新入社員として10名が採用されたとしたら三年のうちにおよそ3名もの若手が辞めている計算になります。
新卒で就職する者は30万や40万人いるらしいのでその三割が3年のうちに転職すると想像するととても多いです。
産業別離職率
産業別に離職率を見ることで今後の転職の参考として使えるかもしれません。
ただしこれは統計的な数字です。「離職率が高い産業」イコール「やばい産業」と判断するのは違う気もします。ちょっとした判断材料くらいに捉えてもらえれば、と。
(出典:厚生労働省「平成 28 年雇用動向調査結果の概況」)
緑部分が離職率、白部分が入職率。
離職率の多い順に並べると
- 宿泊業・飲食サービス業
- 生活関連サービス・娯楽業
- サービス業(他に分類されないもの)
サービス業が圧倒的に多いです。確かに接客やサービス系は想像するだけでも「疲れそう」って印象があります。若い人と年齢のいった人の入れ替わりが激しいイメージもあります。
若いので体力もあって人と接するのも得意だという人も、将来を考えると心身ともにこのまま働き続けることができるだろうかと不安になるのかもしれません。
ちなみに「平成 28 年雇用動向調査結果の概況」の別資料によると離職率が最も低い産業は6.8%で「電気・ガス・熱供給・水道業」でした。上のグラフでは「建設業」などが低いです。
それらの労働環境についてはよく知りませんが、「こんなはずじゃなかった!」的な考えになりにくい産業だからでしょうか。
なんというか「電気・ガス・熱供給・水道業」の仕事って就活時からずっと同じような気持ちでいられそうな気がします。良くも悪くも、何かに期待せずに働き続けるのかもしれません。
離職率の高さだけでは良し悪しは不確か
産業別離職率にしてもそうですし、企業ごとの離職率にしてもそうですが、その値が高いから悪い企業だとは判断できません。
例えばやたらと離職率が高くても、ある個人にとってはとても働きやすく、その会社が好きだという場合もあるでしょう。また、離職率が高く、確かに辞めたくなる時があるけどがんばって働けばかなり報酬的においしい、という会社もあるでしょう。
離職率が高いからこそ、そこに留まっているだけですぐにチャンスが回ってきて、数年後には上の方の役職につけそうだという企業もあるでしょう。
個人の価値観、その人がどんな欲求を抱くかによって、その企業の良し悪しについての評価も変わってくるのだと思います。
塾業界はどうだったか
僕は塾講師として企業塾で正社員をしていました。
僕の勤めていた会社では離職率は高かったです。とくに20代はそうでした。年中、募集広告を出し続けています。
例えば10名いた同期が5年後には1,2名になっているという感じです。特に女性の退職者が多いようです。
塾講師は夜型の仕事なので、結婚して子どもが生まれるとどうしても仕事と家庭のバランスをとるのが難しいのだと思います。
また、給料が安いというので辞める人も多いです。塾長になっても、企業塾なので雇われ店長的な感じで、給料はそんなに高くありません。
夜型生活で、給料も安く、定期テストや夏期講習会などで休みの不定期。同じ給料で、昼型の仕事、週末は休みだという仕事はこの世にいくらでもあります。
そういう秤のかけ方をする人は辞めていくようです。
しかし職場にいるのはアルバイト講師と子どもたちだけ。他の仕事に比べたらそういう面は変な気を遣わなくていいので良い点になるのかもしれません。
他の仕事をやめて塾講師になる人もいます。いかにもサラリーマン的生活に馴染めない系の人なら、塾講師はフィットするかもしれません。
まとめ
退職するのは個人的な事柄ですが、世間的には?と気になるところなので、今回は離職率をとりあげました。